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秋の夕暮れ、蘇った記憶

どうも、お久しぶりーふ。すけおです。

昨晩、近所の家のお父さんの

「ただいまー!」という声が響いてきて、微笑ましく思っていたら、
「ただいまー!」と、もう一度同じ声が聞こえてきて、
世の父親の肩身の狭さというか、家庭での立場のようなものを垣間見たように感じました。

その時、僕の脳裏に、過去の日常の記憶がよみがえりました。

放課後、友達と遊んで汗をかき、無駄に服を汚して帰った夕方。
マリアナ海溝のように、どれだけ動いてもなお、体力の底が見えることはなかった幼少期。

キッチンでせかせかと働く母親をよそに兄弟と遊んだり、テレビを見ながらゆっくりしているときに聞こえてくる原付の音。

少し離れた場所で一度音が止まり、角を曲がってこちらに近づいてくる。
一度早くなったエンジン音のリズムが、近づくにつれテンポを落として向かってくる。

エンジン音が止まると、バンっというスタンドの音が聞こえ、5秒ほどして玄関の開く音、そして、家中に響き渡る声で父の帰宅の合図が聞こえる。

その一言で、家がオレンジ色の光に包まれるように、心なしか家庭がポッと温かくなり、窓から吹き込む肌寒い風は、秋の夜の心地よく涼しい風に代わる。

当時はどう感じていたのかはわかりませんが、
いつの間にか、僕の昔の記憶には、そんな温かみが灯っていました。

毎日夕方になると、意識せずとも、どこからか自然と湧き上がるワクワクと、心の奥深くで待っていた父親の帰り。


何故だか、そんな風に色づいた記憶が僕の頭によみがえってきました。


すると、
かつて、TBSドラマ日曜劇場で放映された『とんび』(原作:重松清)の、あの名シーン。

階段を上がる父親の足音でお父さんが帰ってきたんだと分かるあのシーンが、約10年ぶりに僕の記憶の片隅から顔を出しました。

週明けの月曜日、数学の先生とその週の『とんび』について、感想を言い合ったのを覚えています。
会いたい人と気軽に出会うことが難しくなった今だからこそ、もう一度再放送してほしい。

と、話がそれてしまいましたが、近所のお家から聞こえたお父さんの「ただいま」は、僕懐かしい記憶を掘り起こしてくれました。


しかし、今の時代の流れが進み多くの業種でリモートワークが普及すると、そんな場面が世の中から減っていってしまうのかな、なんて思い少し切なくなります。


時代は進み、瞬く間に世の中には便利なものが生まれています。
それは、移動時間を短縮してくれるものであったり、いつ、どこからでもコミュニケーションを取れる道具であったり。
これらは、僕たちに多くの時間を作ってくれているように感じます。

その一方で、そこには僕たちが得られた時間の分だけ、省略された時間が存在します。

街並みや自然豊かな風景を楽しむ移動時間。

恋人からの返事を待ち焦がれドキドキする日々。

車、電車、新幹線。移動手段が発達することで、僕らのスケジュールには常に余裕がなくなりました。
本当は人間に必要な余白の時間は、無駄なものとして排除すべきだと考えられるようになりました。

メールやLINEなどのSNSが世の中に浸透したことで、相手を想い、ドキドキする時間は減り、かつては楽しみだった相手からの返事を待つ時間は、何故だか不安を感じるようになりました。

さらには、我々現代人は、数日、数時間返事が来ないことに怒りさえ感じてしまうようになりました。


忙しなく回る社会は、僕たちに自分や他人と向き合う暇を作ってはくれません。
暇つぶしには有り余るほどの娯楽が溢れる今、「休み」は自ら積極的にとらなければならないもののような気がします。

文明の発展により僕らが得た時間は、物理的により多くの経験をもたらし、様々な景色を見せてくれます。

多すぎる物理的体験により、削られた余白は僕らの思考の深さを道連れに消えていきました。

これが正しい表現ではないかもしれないけど、

感情が揺さぶられる数と引き換えに、豊かさを失ったような気がします。

急速に発展する社会に生きる、想像力の乏しい僕には、こんな矛盾しているような表現しかできません。

ネガティブになっているわけではありませんのでご安心を。


科学技術の急速な発展、感染症の蔓延、人類の進化。

当然、世の中は変化し続けます。


だから、これが一概に人々にとって悪いことだとは思いません。
それでも、何事も、良い面も悪い面も表裏一体なんだということ、
それを忘れずに、頭の片隅にでも置いておいて欲しい。

そして、たまにでも、立ち止まって休むこと。自分や周りの人と向き合うこと。自然を感じること。
そんな時間を作ってほしいなと感じました。

自転車で約1日中走ったことは、僕の中で大きな経験となり、当然のものに便利さと感謝を、無駄に時間をかけたように感じたそれは、今後の僕の思考や感情に、豊かさをもたらしてくれたように感じます。


ずっとちょっと何言ってるかわからなかった。

というか、前々回に次回っていった自転車旅行記書かないと。

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