ニッチは”隙間”じゃなく”隠し扉”
こんばんは、毎日note投稿中のすけまるです。
今回のテーマは、ずばりニッチについて。
僕が考えるニッチの考え方、共有したいと思います。
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▼ニッチとはもともとは壁龕のこと
壁龕(へきがん)とは、壁の凹みのことを表し、西洋建築では昔からある手法。
そのくぼみが彫像や植木などを置くスペースとなり、有効活用されてきた。
今では隙間と例えられるが実際はありふれたもの。海外の教会には至るところに見られる。
結論から言うと、ニッチとは幅の狭さを表すものではなく、着眼点を表していると思う。
「ただの壁だと思っていたところに、ものが飾れるようになっているなんて気づかなかった!」というようなイメージが一番近い。
そして僕が考える現代のビジネス上のニッチとは、隙間のように狭いというより、気づかなかった場所という意味合いが強いのではないか。
例えば、この前テレビでやっていた株式会社ナガオカさんのレコード針の特集。唯一無二のレコード針の加工技術を持っていることが、ニッチトップを成し遂げた理由と紹介されていた。
これをもともとの隙間という考え方で捉えると、レコード針というニーズの限定はあっても、加工技術を極めるという点では割とメジャーな考え方ではないだろうか?
要はその技術を確立するために必要なものは何かと考え、突き詰めた結果がダイアモンドを小さく加工できる機械を生み出すことだったと思う。
つまり、普通はだれもやろうとしないことを成し遂げることが本当のニッチの意味であり、決してだれもやらないことをやるだけではないってこと。
これを建築で言うなれば隠し扉。
先ほどの気づかなかった場所とは、あることは分かっているけど見つけられない場所とも言い換えられるのでまさに隠し扉を表している。
▼多くの人が勘違いしていること
今、ニッチ産業を探していると言って新しいビジネスを模索している人は多いと思う。そこで一旦冷静になって考えて欲しいことは、その隙間を見つけた後、その未来までを視野に入れているかどうか。
さきほどの「だれもやらないことをやろう」だけでは絶対にたどり着けない領域がある。
例えば、不本意にチケットを手に入れた人向けにディズニーランド代行という事業を見つけたとする。本来はディズニーランドに行きたいというニーズが大多数の中、行きたくないというニーズに答えた見事な隙間産業だと思う。
ただこの場合、その事業を極めたところで、代行した人はいいとしても、周りの人は幸せにならないと思う。
ディズニーランドが好きな人は、仕事で来ている人と同じ空間にいることになり、頼んだ人もわざわざお金を払ってチケットを渡すなら、誰かに譲って上げる方が気持ちが楽になるのではないだろうか?
なら、余剰チケット買取とチケットをなくしてしまった方とのマッチングサービスの方がよっぽど明るいビジネスになる。
なにより、もしそれを極めれば、より多くの人が楽しむことができ、社会貢献会社に繋がり、会社の信頼は上がると思う。
これはポジティブとかネガティブという方向ではなく、隙間を狙いすぎたせいで、その先が暗闇で何も見えてない状態と言える。
なんだかよく分からないビジネスを始めてしまう人が多くなっているはそこの勘違いだと思う。
▼ニッチビジネスの成功のカギとは?
重要なのは、まずニッチを作る場所をよく観察すること。言い換えれば隠し扉をどこに設置するか?
あまりにありふれたところだとつまらないし、すぐに飽きられてしまう。「こんなところに!」という着眼点こそがニッチビジネスの本丸。
それがただ単に狭く、小さく、わかりにくくを追及すると、一時の栄光はあれど、持続性はなくなる。
もちろん一部のユーザーのニーズに答え、そこから高単価な報酬をもらってすぐ終了というビジネスモデルなら構わないが、それだと悪徳ビジネスや詐欺と変わらない気がする。
結局のところ、地道なリサーチと将来性の計算。そこにどれだけを価値を見出すかが、ニッチをビジネスにできる唯一の方法だと思う。
▼新しいコワーキングスペース
僕の例で言うと、今新しくコワーキングスペースを作るにあたって会議室を別に作ろうと考えている。理由は、その会議室では何をしてもいい場所にしたいから。
個人的にボードゲームが好きなので遊んでもいいし、今なら動画撮影もいいと思う。ゆくゆくはそこで動画撮影や商品撮影もできることを宣伝し、プラスアルファECサイト制作や動画の企画など、場所貸しだけでなくその後のサポートも充実させようと考えている。
仕事する場所+遊べる場所という2つの意味を持つ空間を提供しようと取り組んでいる。実際にはこのアイデアはそこまで突飛なものではないが、実現するにはそれなりに時間をかけなればならない。
あとは、そこから派生できるもの。飲食のデリバリーを周りのお店と提携する、お仕事のマッチングをする、職業体験などなど。
土台がしっかりしていれば、勝手にビジネスはニッチになっていく。ニッチなんて最初から狙う必要はないに等しい。
▼結論ニッチは見つけるものじゃない
だからまずはニッチを探すのではなく、ニッチを作る場所を見つけるところから始めればいい。その場所の見当は自分の得意な分野で構わないと思う。
どんな風につくるか?どんな機能を持たせるか?は後でいい。徐々に詰めていくことで、味わいのある、精錬されたものとなり、皆に親しまれる長く続くサグラダファミリアのような建造物を目指せばいいだけなのだ。
ちなみにガウディが亡くなった時、完成していたのは一部のファサードと塔、壁龕(へきがん)、つまりニッチだけらしい。
ニッチが重要ではなく、その周りの建築がそのニッチを引き立たせるという建築家のメッセージを表した素晴らしい例だと思うのだが、みなさんにはどう映るのか、ゆっくりお話ししたいと思う今日この頃である。
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とはいいつつ、スペインにはいったことがありません。
40歳になるまでには絶対に行きたいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。