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読書感想文 宮部みゆき クロスファイア

 読むの疲れた

 ただただ合うか合わないかの問題だと思う。超常現象を私は好まない。トリックが意味をなさなくなるからだ。ミステリーは結局、事実に基づいて理屈でもって解決できるのが好きなんだ。あと、人間の描写という部分で、フェミニズム的な要素が多めだったり、かと思えば44歳女性刑事をおっかさんだのおばさんだのと連呼されていたのが正直不愉快だった。まるで60歳でリタイアするくらいの人に対する扱いを40代の働き盛りにしているような違和感を感じた。40代の男性にこんな扱いしないよね?本書の出版から20数年経っているので、時代が変わってきたのかもしれないけれども、納得がいかなかった。
 話の構成や伏線が回収される様は面白かった。なのでやっぱり好きか嫌いかの問題で、私には合わなかった、ということだと思う。

 世の中にはたくさんの人間がいるように、たくさんの本があります。仲良くできる人間に会えたら嬉しいように、楽しめる本に出会えたら嬉しくなります。この人なら安心できる、この作家さんの作品は確実に楽しめる、そんな帰ってホッとできる安全な場所が私たちには必要です。しかし、読書をする以上、本を探すという作業はずっと続きます。娯楽とは、安全とは、与えられるものではなくて探し出すものなのかもしれません。

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