BLEACHとコミックLOのキャッチコピーの類似点がおもしろかった
にじさんじ所属、卯月コウさん発案の、漫画「BLEACH」単行本巻頭に書かれているキャッチコピーと、成人向け雑誌「コミックLO」の表紙に書かれているキャッチコピーを当てるクイズ。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf0gx7_HzL4BS8ZZhhUjUhel2Thwl5hKq_1f-cst4klgyZ7lw/viewform
ちなみに私はBLEACHは数年前までは単行本45巻くらいまでは所持していた。中でも平子真子が特に好きだったため、彼が表紙になった巻のキャッチコピーだけは自信を持って答えられた。
ところでコミックLOってなんやって人のために簡単に説明すると(簡単な説明しかできないのは私もコミックLOについてはよく知らないからだ)ロリ系成人漫画雑誌で、しかしながら表紙はいわゆるエロ漫画雑誌とは判別できない爽やかな絵柄が多く、キャッチコピーのポエム性もほかのエロ漫画との差別化に一役買っている印象のある雑誌。
そんなBLEACHに関しては多少覚えはあるが、コミックLOに関しては存在をぼんやりと認知しているだけの私がこのクイズを解いてみた感想を語る。
結果として、前途した平子真子巻のキャッチコピー以外はけっこうあやふやで回答した。結果30問中は19点。どちらか片方だけを完璧に把握していれば、二択問題なので満点を取れる。この結果が過去にBLEACHにハマっていた人間としていいのかどうかはさておき、なんとなく「あ、これBLEACHっぽいな」と思ったものがコミックLOだったり、逆も然りだったりと、BLEACHとコミックLOの類似性の高さに驚かされたのだ。
じゃあどんだけ似てんだよと思って比較表を作ったが、まずは質問を並べてみたものを見てほしい。
どうだろう。これだけ見ただけでどっちがどっちかの判断がつかないくらいには傾向が似ていないだろうか。
・美しさとは、そこに何もないこと
・ただ、それだけのもの
・伏して生きるな、立ちて死すべし
・お前には一生、勝てない気がする
・罪なきあなたは 太陽のよう 罪無いあなたも 太陽のよう
・私もいつか海に帰る
・変わらぬものは 心だと言えるのならば それが強さ
・それでも世界は美しい
・一緒に数えてくれるかい君についた僕の歯型を
・こんな僕でも。こんな世界が。それでも落選であることを。君の深呼吸で知った。
・言葉に姿があったなら暗闇に立つきみに届きはしないだろう
・天から雨。地には花。
・信じるのは、まだ早い
・今の僕にはきれいな雪が痛いほど、しみる
・世界一嫌いだと言ってくれ
・その感情に、まだ名前はない
・私の胸に深く突き刺さるその声は鳴り止まぬ歓声に似ている
・いつか見たような、存在しない明日
・ぼくたちは ひかれあう水滴のように 惑星のようにぼくたちは 反発しあう磁石のように 肌の色のように
・僕は望む。そして叶うことを 決して望まない
・ぼくは ただ きみにさよならを言う練習をする
・この一瞬にしか君はいやしない。
・そう、何ものも わたしの世界を、変えられはしない
・失う事すら失っても何も出来ないまま僕らは救われる
・すきだよ しぬほど
・あなた以外は幸せな世界。わたしはそれを変えたい。
・この世のすべてはあなたを追い詰める為にある
だからこそ、せめて、今ここで、私を終わらせて。
・あたしの心に 指を入れないで
・恐るべき世界の中で生命は微笑み続ける
さて回答に基づいて作った比較表がこちら。
特に「あたしの心に、指を入れないで」なんてちょっとエロい雰囲気のするキャッチコピー。まさにサブカルの皮を被ったエロ漫画雑誌「コミックLO」にぴったりなんじゃないか?と思うだろうが、これはBLEACHのキャッチコピーなのだ。
逆に戦闘シーンが多いBLEACHっぽい「お前には一生、勝てない気がする」というのも、コミックLOだったりする。「すきだよ しぬほど」なんて、もうコミックLOのキャッチコピーにも使えるんじゃないかとさえ思う。
こうなるともうどっちがどっちかの判断に作品の特徴を照らし合わせるのは無理が出てくる。
どちらにも共通し、惑わせているのは、どちらのキャッチコピーも情緒的であり儚い雰囲気がある。ということだろうか。
死神をテーマにしたBLEACHは「死」を連想させる命の儚さ。対してコミックLOにはロリ系作品という、いつか成長してしまいロリではなくなってしまう抗うことのできない成長という儚さ。
この二つのまったくかけ離れているように見える「儚さ」が、どこかそれを惜しみ憎む情緒と相まって、このような類似性の高いキャッチコピーが生まれたのではないだろうか。
ちなみに表を作っていて気づいたのは、コミックLOのキャッチコピーにはだいたい句読点が使われている。という違いくらいだ。
一人称もどちらの作品も「わたし」や「僕」といった一貫性がない。ただどちらの作品にも「俺」が存在しないことだろうか。「俺」を名乗る人物の印象に沿ったキャラが存在しない。(あえて一人称がわたしと僕のものだけを選んだかもしれないが)
あとは共通する点のひとつとして、世界という言葉がよく使われている。BLEACHならばその世界の命運をかけて戦っているわけなので、世界に関して思うことは多々あるだろうが、コミックLOが語る「世界」とはなんなのか。おそらく「ロリ」という特殊性癖の「狭い世界」を指すのだろうか。どこか背徳感を抱きながらも、それでもこの小さな世界では自分の趣向に嘘はつきたくないと声にならない悲鳴をあげているように思えるキャッチコピーも見受けられる(あくまで私の主観だが)
取り分けて言えば、このクイズに挙げられた二つの作品のキャッチコピーの相違点は句読点くらいしか見いだせなかった。だが逆に言えばBLEACHもコミックLOも、どこか厭世的だったり情緒的な文言を用いるにふさわしい作品であった。という、まったく接点のない二つの作品の共通点が見いだせたわけだ。
死神とロリ、この二つは互いに「儚い」ものだったのだ。
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