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独り旅で得られたもの

普段から独りで旅行をする事が多いのだが、特に大学生の頃は、長期休みを利用して、国内問わず、海外にもたくさん出掛けた。そして、たくさんの事を学んだ。

だからこそ、思うことがある。
やっぱり、独り旅はしたほうがいい。
なので、独り旅に行きたくなるであろう私のエピソードを語らせていただこう。


①東南アジアをバックパッカーして気づいた現実

19歳の冬、大学の長期休みを利用して、2ヶ月間バック一つで東南アジアを周遊した。当時は、未成年だったのと東南アジアが初めて行く地域だった事もあり、出発する直前まで、親と揉めた事は今でもいい思い出。(実際は、人生でしたことのないくらいの大喧嘩をしてしまい、マジで縁を切られたと思った。)

タイやベトナム、カンボジアなどを巡り、様々な文化を体験できた事は、貴重な経験で、あの時、親に屈せず一歩踏み出した自分を褒めたい。

東南アジアを巡って感じた事は、日本は恵まれている事。例えば、東南アジアのトイレには、トイレットペーパーがない。そのため、トイレットペーパーを忘れてしまうと、とんでもない事になる…

他にも、電車が2時間遅れたり、道がガタガタしていたりと日本では当たり前に整えられているものが、東南アジアでは違った。

そして、最も衝撃を感じたのは、貧困の差。
東南アジアでは、物乞いをしている人がたくさんいる。腕や足がない人が物乞いをしている。この間まで高校生だった自分には衝撃的だった。

また、現地ツアーでとある村に訪れた時、欧米人がその村の子供たちにお菓子をあげている光景を見て、動物に餌付けをしているように見えて気持ち悪かった。

そんな光景を19歳で見てよかったのかは分からないけど、自分は東南アジアから帰ってきた時には、少し大人になっていたと思う。


②ヒッチハイクで起きた偶然

ヒッチハイクで日本縦断をしていた時のこと。不覚にも、宿が少ない地域で降ろされてしまい、途方に暮れていた。その日は、夜に吹雪になるとニュースでしており、「マジで凍死するかも」と焦っていた。その時、たまたま通りがかったワゴンが僕の前で止まった。窓が開いたので、話に行こうとしたら突っ張りヤンキーみたいな人が出てきて「乗れや、おい!」という少々強引な誘われ方をした。乗らなければ凍死するという場面にも関わらず、マジで断ろうかと考えた自分は何て失礼なんだろうと思った。恐怖を抑え込み、大きな声で「お願いします!」と不安を消し去ってから、助手席に乗り込んだ。

そのお兄さんは、すごく優しかった。「もう遅いからうちで泊まれ!」と自宅に泊めてくださった。奥様もはじめはびっくりしていたが、ご飯とかご馳走してくれて、なんだかんだ楽しく過ごした。

みんなでご飯を食べている時にふと「兄ちゃんは、どこから来たんや?」と聞かれたので、「愛媛の新居浜から来ました」と答えると、「俺の親友が新居浜出身やで!」とまさかの共通点があった。

こんな偶然もあるもんかと、感動した夜だった。


③太宰治に逢いに行く

社会人になって、初めてちゃんとしたお給料と長期のお盆休みがもらえた。日頃の仕事の鬱憤を晴らすべく、とことん満喫しようと考えていたのだが、近しい人たちと疎遠になっていたため、4日間くらいある休みのうち、家の片付けしか予定を埋めることが出来なかった。残りの3日間くらいをどうするか、困り果てていたのだが、普段できない事をしようと考え、たどり着いたのが、敬愛する太宰治のお墓参りに行く事だった。

どうして、太宰治なのか、そう聞きたい読者もいるだろう。そんなあなたのために書き記そう。

大学生の時に初めて読んだ「人間失格」。その内容に心を打たれた私は、いつしか太宰文学の虜になっていた。だからこそ、今回はチャンスだと思い、思い切って、お墓参りをしにいくために東京行きのチケットを購入した。

飛行機で東京に向かい、そこから電車を乗り継ぎ三鷹にあるお寺に向かった。太宰のお墓は、お寺の中にあるため、お寺の中に入り、お墓参りを済ませた。今まで、小説の中にいた人物に初めて触れた気がして、とても身近に感じれたことは1人の太宰ファンとして嬉しかった。


いかがだっただろうか。
これで独り旅に行きたくなっただろう、そうかそうか。

だが、まだ伝えていない重要なことがある。
それは、タイトルにもある「独り旅で得られたもの」である。

「独り旅で得られたもの」、それは…

自分の目で見ること・触れることは重要だということ。

今は、誰もがスマホを持ち、インターネット検索が気軽にできるため、直接海外に行かなくても、現地の様子は分かるし、文化も触れることができる。

でも、直接行かないと分からないこともたくさんある。特に現地の匂いや雰囲気など。私が感じてきた生々しいリアルは、言葉に表現できないけど、現地に行かないと絶対に感じられないものだ。

「百聞は一見にしかず」
この言葉は、私が座右の銘にしている言葉だ。

独り旅は怖いし、危険だからおすすめはしないけど、機会があればぜひチャレンジしてみてほしい。

PS
いくつか独り旅をした時の写真を貼っておきます。
ぜひ楽しんでください

ヒッチハイクで北海道まで行った時
ヒッチハイクに行く前
ラオスのクゥワンシーの滝
タイのカオサン通り
タイで泊まったゲストハウスのお母さん
太宰治が着たとされる着物
ほうとう鍋
太宰治の墓地がある寺
太宰治が「富嶽百景」を執筆した場所

#エッセイ部門
#太宰治  

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ながいゆうすけ
一歩ずつ精進していきます。