ボトムアップ幻想

サッカー界でHOTな「ボトムアップ」議論
先日のアジアカップで早期敗退した我が日本代表チーム。森保監督の「ボトムアップ型」マネジメントがクローズアップされ、私の周りでもボトムアップ型の是非について議論が繰り広げられています。そもそも、サッカー界隈で「ボトムアップ」が注目を集めたのは2023年の高校サッカー選手権。ベスト4まで進出した堀越高校の「戦術やスタメン、選手交代の決定権をキャプテンに委ねる」スタイルが「ボトムアップ方式」として話題になりました。

ボトムアップって何?
それで、そもそもボトムアップって何?実用日本語表現辞典で調べてみると以下の通りです。

「ボトムアップ」とは、組織やプロジェクトにおいて、下位レベルから上位レベルへの意思決定や情報伝達のプロセスを指す言葉である。これは、現場の意見や知識を重視し、それらを上位レベルの意思決定に反映させることを目的としている。対義語として、「トップダウン」があり、こちらは上位レベルから下位レベルへの指示や方針が中心となるアプローチである。

この定義に沿って先の堀越高校の例について考えると、「最終意思決定者が監督からキャプテンに代わった」だけではボトムアップとは言えないように思います。意思決定者が監督であろうと選手の意見を吸い上げていれば「ボトムアップ」ですし、逆に意思決定権をもったキャプテンが独断で判断していれば「トップダウン」と言うことです。

ボトムアップに対する誤解
「ボトムアップ」と聞くと、「現場の意見を尊重してくれる!」と一般論としてはイメージされそうです。それは確かに一定そうなんでしょうが、組織の従事者としては「最終的には誰かが決める」ということ、そしてそれが自分の意と沿わないことがある(その方が多い)、ということを肝に銘じて置く必要がありそうです。一方で、リーダーは「ボトムアップ」を謳うからには意思決定プロセスの明瞭さや説明責任が強く問われる、と感じます。

皆さんはボトムアップとトップダウンについて、どのように感じますか?

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