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森林浴ってなに?②


マイナスイオンとは

 マイナスイオンとは、大気中に漂っている負の電荷を帯びた分子の集まりのことです。いきなり謎ワードが出てきて混乱するといけないので、一応、すごく雑な説明をしておきます。(筆者は分野に詳しくなく、とても雑な説明となるので読み飛ばしても問題ないです。お疲れの方は是非飛ばしましょう!)

マイナスイオンというもの(読み飛ばして良い部分)

 すべての物質は原子で構成されています。原子は、陽子・電子・中性子 という粒子の集合体です。陽子はプラスの電荷を、電子はマイナスの電荷をそれぞれ持っており、中性子は電荷を持っていません(電荷とは、粒子が持つ電気量のことです)。原子に含まれる陽子、電子の比率が、陽子(プラス)> 電子(マイナス)であれば原子全体ではプラスの電荷を持つことに、一方、陽子(プラス)< 電子(マイナス)であれば原子全体ではマイナスの電荷を持つことになります。陽子(プラス)= 電子(マイナス)であればその原子は電荷を持たないということにもなります。
 分子とは、原子が集まってできたものです。分子の場合は、また複雑な話が色々あるのですが、結果的に、分子にも電荷(プラス、マイナス)ができます(雑な説明ですみません…)。マイナスの電荷を持った分子のことを、「マイナスイオン」と呼びます。

【参考URL】
https://www.google.com/amp/s/juken-mikata.net/how-to/chemistry/mass-number.html/amp

自然の中で生まれるマイナスイオン

 自然の中でマイナスイオンが発生するところとしては、滝や森林があります。滝のような、水が激しくぶつかり、多くの水しぶきが舞うよう状況ではマイナスイオンが発生しやすいそうです。また、森林では木々の呼吸により、微細な水蒸気が発生し、マイナスイオンが発生しやすいそうです。

8月行った西和賀町「降る滝」
落差の大きい、迫力ある滝

見えざる大敵、プラスイオン

 自然界には、マイナスイオンと反対の、プラスイオンというものも存在します。プラスイオンの多い環境としては、都心・工場地帯・交通量の多い道路の近く・家電製品の多い空間等が挙げられます。プラスイオンは、基本的に人体へ悪影響を与える場合が多いとされています。
 空気中にプラスイオンが多いときには、人の体内にもプラスイオンが多くなります。体内にプラスイオンが多くなった状態だと、頭痛やめまい・神経痛・ぜんそく等が引き起こされることがあります。
 また、プラスイオンとなった酸素(活性酸素という)は、他の分子と非常に結びつきやすい性質を持つため、体内の細胞を酸化させ、人体の老化を促進させるといわれています。(人間の老化の原因の一つは細胞の酸化といわれている。)これにより、ガン細胞が増殖したり、動脈硬化や糖尿病の進行が引き起こされるなど、さまざまな疾病の原因になることもわかっています。

マイナスイオンが与える人体への影響

 以上のように、体内のプラスイオンが多くなると、人体には様々な悪影響が出るということが分かりました。マイナスイオンを体内に取り込むことで、体内に溜まったプラスイオンを中和させ、さらには体内をマイナスイオン優勢の状態にすることができます。体内のマイナスイオンが多くなることで、人体の生理作用が活発となり、細胞が活性化することで新陳代謝や自然治癒力が向上します。また、自律神経の働きを良くしたり、脳にα波の発生を促進させることで、リラックス効果も得られます。

マイナスイオンの人体への作用

コラム:マイナスイオンの空気清浄機の秘密

 埃・塵・花粉などはプラスの電荷を帯びて(プラスイオンとなって)浮遊している。また、建築物内の接着物などから発生する有害な揮発性物質もプラスイオンとして空気中に存在している。空気清浄機から放出されたマイナスイオンは、これらプラスイオンと結びつき中和、無害化する。また、マイナスイオンには、プラスイオンと結合し、エネルギーを失わせ落下、空気中から取り除くといった作用もある。結果として、室内の空気が清潔に保たれる。

まとめ

 このように、マイナスイオンには、プラスイオンと結びつき中和させるといった働きがあります。マイナスイオンを浴びることで、体内に溜まっている有害なプラスイオンが中和、無害化されます。また、体内のマイナスイオンが多くなることで、老化の進行を遅らせたり、細胞を活性化させたりすることもできます。マイナスイオンには自律神経を整えたり、リラックス効果もあるとされています。

さいごに:森林浴が人体に良い理由

 森林浴が人体に良いとされている理由として、主に「フィトンチッド」「マイナスイオン」 の2つの働きが挙げられました。この2つは共に、①人の体内に溜まっている有害物質を除去する 、②身体の酸化(老化)を妨ぐ、 ③リフレッシュ・リラックス効果がある といった点で人体に有益な存在となっています。森の中にはこれらの物質が満ちており、森林浴の有益性は科学的にも証明されているということが分かりました。
 今回は、「フィトンチッド」や「マイナスイオン」といった物質的なところに話を絞りました。しかし、私としては、森林浴にはこれ以外にも注目すべき点があると感じています。それは、「森林浴は五感をフルに使って楽しめる」ということです。目に入る景色、水の流れる音、鳥のさえずり、風で木の葉が擦れ合う音・土や落ち葉の上を歩く感触・森のにおい… これらには、言葉では表しきれない、人間へ働きかける何か本質的なものを感じます。きっとそれは、人類がまだ道具や言葉をもたない猿だった時代から、現代に至るまでに辿ってきた進化の歴史の中で、遺伝子レベルで刻まれた自然との繋がりなのだと思っています。「森林浴」と一言で言ってしまえばそれまでですが、その意味は、「人間が生物として本来あるべき形に戻り、心身ともにリフレッシュできる」といったことなのかもしれないですね。
 仕事や日々のタスクに追われ、疲弊してしまったといった方は、是非一度森林浴に出かけてみてください。何もやりたくないという方は、「自然の中で何もやらない」をしてみてください。きっと何か、心のモヤモヤがとれるかもしれないですよ。

一関市「真湯野営場」
原生林の中、気持ちの良い森林浴が楽しめる


おわり

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