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深い顧客理解は対面から始まる -お客様に共鳴するまで-
こんにちは!株式会社ログラスの VPoP の須加です。
株式会社ログラスProductチーム AdventCalendar 2024 シリーズ1 の 10 日目の記事になります。
今回はログラスの PdM が最も大事にしている顧客理解について、どのような考えでやっているか、どのように実施しているかを私の視点からお話したいと思います。
前半がログラスではなぜ顧客理解を重要視しているか、後半では顧客理解の私なりの How to を載せています。
そもそもなぜ顧客理解を最も大事にしているの?
ログラスが相対する管理会計ドメインが非常に複雑であり、会社ごとにバリエーションがあることに起因しています。
管理会計とは?
管理会計とは、企業運営における戦略立案などを行うための会計様式です。大きな役割は、組織の意思決定者(経営者など)がビジネスの計画、実行、評価を行うために必要な情報を提供することです。例えば、予算の作成やコストの計算、パフォーマンス評価などを行うことで現状と企業のあるべき姿、次の打ち手などを考えることができます。
管理会計はやりかたが決まっているものではないため、100 社あれば 100 社のやりかたがあります(もちろん共通する部分も多いです)。
そのようなドメインであるため、お客様にヒアリングして、共通項を見つけ、そこを改善するプロダクトにすると、結局は 60 点くらいの出来になってしまい、お客様にとってかゆいところが残ったプロダクトになってしまいます。
そこから脱するために、我々はターゲットを絞ったうえで、絞った中では 100 点満点のプロダクトをつくることがベストなやり方だと思っています。
そうしないと真にお客様のペインを取り除き、新しい価値を提供するプロダクトにはならないと思っています。
(ドメインの性質が異なれば、上記以外の進め方ももちろんあると思っています)
100 点満点になるためにもお客様を深く理解することは非常に重要だと考えています。
お客様を深く理解するために何をしているか
お客様と直接・対面でコミュニケーションを取り、点ではなく線で理解することが重要だと思っています。
点ではなく線で理解する
顕在化した課題についてお客様にインタビューしたり、要望をカスタマーサクセスから聞いたり、その結果を汎用化してユーザを理解したように思ってしまうことがあるかと思います。
ただ、それでは点でしかお客様を理解できず、どういうジョブを持っていての行動なのかについての解像度が低く、結果としてプロダクトの方針を間違える可能性があると思っています。
きちんとお客様がジョブを達成するために何をしていて、それはなぜかを把握することが重要、つまり線でお客様を理解しないといけないと考えています。
直接会うことで共鳴していく
ヒアリングでもオンライン越しではなく、直接会うことを大事にしています。そして、実際にお客様の業務を拝見したり、やらせていただいたりしてより理解を深めています。
業務を拝見させていただいたときは、横に張り付いて、動きが止まったら「今何を考えていますか?」と毎回質問させていただいたりもしました(やりづらい環境なのにお付き合いいただいた皆様には感謝しかありません)。
また、弊社の CBDO の斉藤は業務委託としてお客様の元で働かせてもらい、実際に業務をすることで、業務・顧客理解を急激に深めたりしています。
このように実際に何回もお会いさせていただくと、なんとなくお客様が何を考えているのか、どういう行動をするのかわかってくるようになります。
みなさんも仲の良い友だちがどういうときに怒るかなどの反応が、なぜかは説明できないがなんとなくわかるということがあると思います。それと同じです。
すると、お客様の顕在化した課題以外についてもそれとなくわかるようになり、全体最適化されたプロダクトが作りやすくなるのです。
この言葉にできない部分も共鳴している PdM の仮説はよく当たるなと感じることが多いです。
(このような「わかる」について話してくれている養老孟司先生の本が非常に参考になるので、リンクを記載します。私はこの本が大好きです。)
顧客理解のために重要なことは何か
ここからは How to がメインになります。
顧客と相対して相手を理解する上で重要なことは下記 2 点だと考えています。
対象となるカスタマージョブについてを事前に把握することです。ドメインエキスパートにヒアリングし、お客様がどういう業務をしているかを一般的なレベルで把握します。
お客様と一緒に output を作っていくことです。output は業務フローの As-Is と To-Be であることが多いです。
事前準備
私はヒアリング前にドメインエキスパートにヒアリングし、対象となるカスタマージョブの As-Is フローを描いておきます。一般的な業務フローを把握していないと、質問に深みが出ないし、顧客の As-Is 業務フローの把握に時間がかかるためです。
As-Is 業務フローは miro で記載しており、下記やり方で記載しています。
縦に関連するアクターを並べ、横は時系列にする
アクターごとのミッションを整理する
各種タスクには納期・期限が必ずあるため、その納期を記載する
時系列順に各アクターのアクションを横に並べていく
この時なるべき各アクションは同じ縦のラインにならないようにし、アクション実施の順番がわかりやすくする
アクションはできる限り細かくする
アクションに必要なデータやファイルも一緒に記載する
給与支払いまでのフローを雑に書いてみました(※ 弊社や取引先のフローではなく、私の想像で作成したものです)。
このように誰が何のアクションをいつまでにやるかをまとめていくとよいと思います。
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お客様と一緒に output を作る
私はお客様の業務フローの As-Is 把握と To-Be 構築を一緒にやることが多いです。ここの目線が揃うと後々のコミュニケーションが非常に楽になりますし、ヒアリングさせていただくという Take だけではなく、業務フローを可視化するという Give も一緒にやることで、お客様にとっても有意義な時間になります。
まずは「課題を解消するプロダクトを作り上げるためにも現在の業務を把握させてください」という建付けで、事前に作った業務フローをベースに As-Is を確認していきます。
そのヒアリングの際に、現状の課題感を必ずお客様と確認しておきます。ここの言語化や温度感の把握は腕が試されます(温度感の把握は、やっぱり対面のほうがやりやすいです)。
As-Is の確認が終わったら、今度は To-Be のたたきをこちらで作ります。
解決策は複数存在しうるので、バリュープロポジションに沿ったものを選ぶのが良いと考えています。
そして、To-Be についてもお客様と話し合い、理想形を作ります。理想形は大きくなることがあるので、その場合はどのような順番で実現するかをすり合わせます。まずは Ph.1 を作っていくのをゴールにするといいと思います。
結局深く理解すると何がいいの?
正直良いことだらけです。あえて強調すると下記 2 点になるかと思います。
お客様との信頼関係が強まります。ここまで把握してくれているという事実があなたへの信頼を高めてくれ、より強固なリファレンスカスタマーになってくれます。
仕様策定・体験設計の意思決定が早くなります。お客様に共鳴していると、何を気にしそうかに対する感度が敏感になり、どのような仕様・体験にすべきかの判断がすぐに付くようになります。
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