YouTubeが新たなAI検出ツールを発表
YouTubeは9月5日、クリエイターを保護するための新たなAI検出ツールを発表した。アーティストや俳優、ミュージシャン、アスリートなどの顔や声が、無断で他の動画でコピーされることを防ぐ。
合成歌声が識別される時代に
YouTubeの既存の著作権保護システム「Content ID」の拡張も含まれる。AIが模倣した歌声を特定する「シンセティック・シンギング(合成歌声)識別技術」が搭載される予定だ。また、AIでシミュレーションされた顔を識別する新たな技術も開発中であるという。
さらにYouTubeは、AIモデルのトレーニングに自社のコンテンツが無断で利用される問題にも対処しようとしている。AppleやNvidia、Anthropic、OpenAI、Googleといった企業がクリエイターのコンテンツを無断で使用し、適切な許可や報酬がないままAIをトレーニングしてきたことに関しては、クリエイターから長らく不満の声が上がっている。
「第三者がYouTube上でどのようにクリエイターのコンテンツを使用できるかを選択する新しい方法を開発している。年内にさらに詳細を共有する予定です」とのことだ。
今回の発表では、AI音楽に対する報酬については具体的な内容は触れられていないが、合成歌声識別技術のテストを来年初めに開始する予定だと述べている。
Content IDシステム
YouTubeは2023年に、AI音楽の制作に使用されたアーティストに補償する方法を考え出すと約束していた。YouTubeは、Universal Music Group(UMG)とそのタレントとの協力で、この問題に対処するためのソリューションを開発している。
AIが音楽を生成する際にどの権利者が報酬を受け取るべきかを識別するための「Content ID」システムの拡張にも取り組んでいる。現在のContent IDシステムは年間数十億件のクレームを処理し、クリエイターやアーティストに数十億ドルの収益をもたらしているとYouTubeは述べている。
著名人の顔検出も開発中
また、有名な俳優、ミュージシャン、クリエイター、アスリートなどの顔がYouTube上でAIによって生成された場合、それを検出し、管理するための新しいシステムも開発中である。
このシステムは、本人の同意なしに商品やサービスを支持するような誤解を与える動画や、誤情報の拡散を防ぐ助けとなるだろう。現時点で、このシステムのテスト開始時期は未定だが、現在開発が進んでいるとのことだ。
YouTubeは「AIの進化に伴い、AIは人間の創造性を高めるべきであり、取って代わるものではないと信じている。我々はパートナーと協力し、将来の技術進化が彼らの声を増幅するようにし、懸念に対応するためのガードレール(保護策)を引き続き開発していく」と述べている。
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