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寒い冬の朝はトリップホップが似合う(長文記事)

先日マッドチェスターを聴いてみたという記事を書いた。

そのときはてっきり、UKロックの流れでオアシスやブラーあたりのブリットポップ方面でも聴き始めるのかなんて思ってたけど、結局僕が次に掘り下げて聞いたのはトリップホップだった。

トリップホップって全般的にダウナー系というか陰鬱な曲が多いし、なんとなく今の時期聴くのにはちょうどいいかって思ってさ。そんなわけで今日はこのところ僕が聴いてたトリップホップ周りのことについて書こう。


トリップホップってどんな音楽?

早速だけど、トリップホップってどんな音楽かと言われて明確に答えられる人っているんだろうか? 僕自身はというと正直よく分かってない。

そもそもトリップホップという言葉自体がメディア発のものだったし、当時製作者側もこの言葉をあまり好意的に捉えてなかったから、"我こそがトリップホップ"みたいな人がいないのも大きいのかもしれない。

ただ、UKを中心としたヨーロッパで90年代中盤にこの手の傾向を持つ音楽が流行ったのは事実。10年くらい前にFACTという雑誌がベスト・トリップホップ・アルバムTOP50なるランキングを発表して界隈で少し話題になったこともあった。おそらく、ここに選ばれてるような作品群が一般的には多分トリップホップってことになるんだろうと思う。

一応僕としては「ノン・アメリカンたちがヒップホップに影響を受けて制作した『何か』」というのが自分なりのトリップホップの解釈。巷では同時期に流行ったドラムンベースと共に「ヒップホップに対するUKの回答」なんて言われ方をすることもあって、そっちの方が一般的かもしれない。

ベースにあるのは間違いなくヒップホップ(=黒人音楽)なんだけど、そこにUKロック(=白人音楽)だったりダブ(=ジャマイカ系音楽)だったり(アシッド)ジャズの要素が色々と入ってきたりする。そしてどの曲も何故かやたらと暗いのが特徴・・・(笑)

脳内に映像が浮かび上がるような曲も多くて、全体的にヨーロッパの深い森に迷い込んだみたいな陰鬱かつ耽美な質感。こんなこと言うと偏見になるのかもしれないけど、なんとなく(自称)メンヘラ系の人に受けが良さそうな気がする。。。

主なトリップホップ系ミュージシャンなど

さて90年代当時この辺りの音楽に力を入れていたのがUKの二大レーベルが、ジェームズ・ラベルのモワックスとコールドカットのニンジャチューン。当時のモワックスにはカリフォルニアのDJシャドウと日本のDJクラッシュが、そしてニンジャチューンには旧ソ連にルーツを持つDJヴァディムがいた。

この3人にフランスのDJカムを加えた4人が、この界隈における四天王的存在で日本でも人気が高かったように思う。2000年以降くらいになるとそれぞれ全然違う方面に進んだけれど、90年代中盤はわりと似たような音楽を作っていた印象。

他にはマッシヴ・アタックやポーティス・ヘッドあたりのブリストル系なんかも代表的。またオルタナ界隈ではビョークあたりもこのテイストの音楽をやってて、当時それなりに人気が高かったのを覚えてる。

変わったところだとミスチルの「ニシヘヒガシヘ」のUNKLEによるリミックスなんかもある。当時モワックスの作品を日本ではトイズ・ファクトリーが販売してた繋がりなのかな。リアルタイムでは中学生だった僕には理解できず「シングルB面の良く分からないリミックス」扱いだったけど、大人になってから聴くとやたらとかっこいい(笑)

トリップホップ系の曲を集めたコンピを作ってみた

で、今回も自分の通勤BGM用に好きなトリップホップ関連の曲を集めてコンピレーション仕立てにしてみたので、hearthisのリンクとトラックリストを貼っておこう。

  1. Dieu Reconnaitra Les Siens / DJ Cam (Street Jazz / 1994)

  2. The Next Shit / DJ Vadim (Ninja Tune / 1996)

  3. A Simple Song / Nigo (Ape Sounds / 1999)

  4. I Miss you (Dobie's Rub Part Two) / Björk (One Little Indian / 1997)

  5. Bohemian Sunset / Jazzanova (Jazzanova / 1997)

  6. Lonely Soul / UNKLE (Mo'Wax / 1998)

  7. Clubbed To Death (Kurayamino Variation) / Rob Dougan (Mo'Wax / 1995)

  8. Midnight In A Perfect World / DJ Shadow (Mo'Wax / 1996)

  9. Flying Away / Smoke City (Jive / 1997)

  10. Final Home (Vocal Version) / DJ Krush (Columbia / 1999)

  11. Blue Print / Attica Blues (Mo'Wax / 1995)

  12. Don't Die Just Yet / David Holmes (Go Beat / 1997)

  13. Aftermath (Hip Hop Blues) / Tricky (4th & Broadway / 1994)

  14. Protection (7" Edit) / Massive Attack (Wildbunch / 1995)

全体的に暗~い感じだけど、これが寒くてまだ太陽が昇り切ってない冬の早朝のBGMに非常に良く似合う(笑)今回も自分的にはかなり気に入ってるから、良かったらぜひ聴いてみて。


そんな感じで今日はトリップホップについて。普段あんまり聴く頻度は高くないけれど、DJシャドウやDJクラッシュ(の特に初期作品)は実は学生の頃から大好き。

たまにはまぁこんな暗い雰囲気の曲を聴くのも悪くないね。

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