Rolandという楽器メーカーの話
1983年生まれ亥年の僕はこの4月で41歳になる。同い年の人のあいだではおなじみの話だけど東京ディズニーランドが開演したのがこの年で、自己紹介なんかでは話のタネになることもしばしば。
ちなみに正確な開園日を調べてみると1983年4月15日だそうだ。僕は18日生まれなのでちょっと惜しい。。。完全に同じ日付だったら、それはそれで話のタネになるんだけどね。
自分の生年月日の認識なんてその程度で、これまでそれ以上の深掘りしたことはなかったんだけど、最近たまたま電子楽器ブランドのローランドの設立日が同じ4月18日だったことを知った。
ちょうどここ数年、リズムマシンやシンセなんかの電子楽器に目覚めてローランドの機材を色々買ったりしてることもあってなんとなく親しみを覚えて嬉しい。今日はそんなローランドというブランドについて少し書いてみよう。
外資系みたいだけど実は日本企業
このローランド、字面だけをみると外資みたいな気がするけれど、実はれっきとした日本企業だったりする。創業は1972年で創業者は梯 郁太郎(かけはし いくたろう)という技術者兼実業家。
2017年に87歳で亡くなった際、当時のサンレコで70ページ近い追悼企画が組まれてて、かなり詳しい生い立ちが書いてあるんだけれど、読めば読むほどこの梯さんがまぁ凄い。僕自身が音楽好きという贔屓目を抜きにしても、明治以降における近代日本の偉人トップ50くらいには余裕で入るんじゃないかな。
ここには書かれてないけれど、ローランドの社名由来は中世ヨーロッパの叙事詩である『ローランの歌』の主人公ローランからだそう。ただ、実は由来自体には深い意味はなく、単純に言葉の響きで選んだらしい。
TR-808、TR-909、TB-303、Jupiter-8、Juno-60、SH-101などなど、この会社が80年代に作ったリズムマシンやシンセは今やポップスにおける音作りの基本中の基本。さらに電子音楽の共通規格になっているMIDIの制定に向け、中核的な存在となった企業もこのローランドだ。
みんな知らないから気づいてないだけで、誰もが普段あたりまえのようにこれらの電子楽器の音を(ソフトシンセやサンプルでエミュレートしたもの含め)聴いているし、DTM以降音楽はMIDIがなかったら成り立たない。
そんな世界に影響を与えた企業の創業者がカケハシさん。この人がその性のとおり全てのミュージシャン、クリエイター、リスナーの「架け橋」になったなんて、ちょっとあまりに出来すぎてる。
秀逸なデザインセンス
もう一つこのローランドが80年代当時に他社と比べ優れていた点が圧倒的なデザインセンス。
TR-808にしろ、Jupiter-8やJuno-60にしろ、黒ベースに複数の派手な原色が散りばめられたデザインで、普通に考えると楽器としてはかなり奇抜な色づかいなんだけど、それが逆に近未来SFっぽくて、ある意味ではシンセサイザーらしさの象徴になってたりするんだよね。
少しデザインの傾向は違うけれど、シンプルなシルバーだけで筐体カラーが統一されたTB-303やTR-606や、白ベースに一色だけのアクセントカラーが加わったTR-909やTR-707あたりもかなりいい感じ。
さらに言うと、当時これらの楽器を載せていたカタログのデザインの幾つかもやたらとかっこいい。特に秀逸なのが以下に紹介する二つ。ときどきサムネにも載せてるけど、どっちも額装して部屋に飾ってある。時代を感じる日本語の煽り文とかが全くないから、今飾っても違和感ないんだよね。
MoogとかProphet-5みたいな木製素材を生かしたデザインもレトロでかっこいいけれど、80年代ローランドのビビッドなデザインはまた別ベクトルでかっこいい。
テクノとか好きなら、シンセマニアじゃなくても多分デザインに惹かれるはず。少なくとも僕は部屋でステージピアノを弾きながらこのカタログの入った額を見てると自然とにやけてくる。なんかSF好き男子の部屋な気がして良いよね(笑)
そんなわけで今日は僕が好きなローランドについて。最近原宿に路面店のアンテナショップも出来て、そこに行くと現行品のシンセ類は一通り置いてるので、興味ある人は行ってみると面白いかもしれない。
浜松の研究所内にあるというミュージアムもいつか機会があったら行ってみたいと思ってるけど、一般非公開らしいのでなにか余程のきっかけがないと難しいのかな。
ホームページみたらリモートで見学できるコンテンツはあるみたいだから、とりあえずはそれで我慢しよう。
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