2024年のスイスVAUDのブドウ収穫状況
2024年10月31日に、スイスの中でも思い入れの強い地域、VAUDの2024年の収穫がクライマックスを迎えました。
今年は、過去2年(2022年、2023年)と異なる 「絶妙に複雑な収穫の年」だったようです。
2022年、2023年はスイスなのか疑うほど暑い高温と乾燥の年だったのです。
2024年のスイス VAUDエリアのブドウの現状とワインの予想
VAUDの多様なテロワールとワインの特性が際立つ
Oenologist のヴィンテージではなく、ワイン生産者の年
(努力や技術によって味が決定する。)収穫量は2022年、2023年には及ばず
量と品質は市場の需要を満たすレベル
気候的にピノノワールの品質が良いかも
2024年の気候
気温は正常範囲でした。夏季の日数(25度以上)や熱帯日(30度以上)は平均に一致しています。
9月の降水量は30年の平均98mmに対して221mmと異常でした。
2024年は、年初は順調で気温は平年並みでしたが、降水量は記録的に増え、雨がうどんこ病の温床となりました。
Pullyの気象観測データによると夏期の降水量は過去30年の平均とほぼ同じかそれ以下でした。
また、多くのトラブルに見舞われた年でもありました。セラーによっては、もっと収穫量が減るなど問題があるかもしれないと懸念していたようですが、耐えきった年でした。
春に訪れた遅霜が、Chablais地方を中心に他のブドウ畑にも深刻な影響があった。
他のヨーロッパエリアと同様、5月は真菌性病害が増えた。
(ただし、2021年のうどんこ病の教訓を生かし、処置の間隔や管理方法を改善できた。)La Côteではいくつかの畑が雹による被害を受けた。
大量の雨によって収穫のスケジュールが影響を受けた。
(雨の中では収穫をせず、ブドウが乾くまで待機した。)雨は降ったものの、冷涼な気候が幸いし、腐敗には至らなかった。
栽培者の献身により、収穫のタイミングは過去10年の平均とぴったり合致
ただし、VAUDのブドウ栽培協会会長のFrançois Montet氏は以下のように説明しています。
「ブドウの花の開花(5月下旬)から、100日間がブドウの品質を決定します。幸いなことに、記録的な大雨はこの時期の後に降ったため、品質が問題ないことは担保されています。」
「ワイン生産の時期に、2021年ほどの雨は降らず収穫されたシャスラ種の多くはグラン・クリュに必要な最低基準の糖度を越えていました。」
「ブドウの品質に問題はありません。冷涼だったため、この気候を好むピノノワール種も好調です。」
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