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【小説】アルカナの守り人(4) フウタ

 …X…VIIか。無意識に首を傾けながら、あざを凝視している俺。

「…変わったあざだね。」

 挙句、深く考えもせず、思ったことを口に出していた。ヒカリはハッとして、慌ててあざを隠す。
ああ、しまった。またやってしまったな。触れちゃいけないことも平気で口にする、俺の悪い癖だ。
 フウタは、急に居たたまれなくなって、意味もなく咳払いをしてみる。
一瞬の妙な沈黙…。

 しかし、ヒカリもすぐに気を取り直したのか、話の続きを始めた。

「私はこの本と一緒に鍵も受け継いだのですが、まだその鍵は、手にしてはいないのです。」

「…鍵は受け継いでいるのに、実際に手にしていない?」

「ええ。実は…、私の家のとある部屋にあるはずなのですが、どうしても見つからなくて…。その鍵を探すのを、あなたに手伝ってほしいんです。」

 つまり、この子は、この受け継いだ本を開けたい、しかし、開けるためには鍵が必要。でも、その鍵が見つからないから、俺に探すのを頼みたいってことか。。

「ちなみに、その本ってどんなことが書いてあるのかな?」

 これまた、深く考えもせず、質問するフウタ。さっきの反省を全く生かしていない。

「とても…、とても大切なことが書いてあります。本当に…大切なことが…。」

 ヒカリは、フウタの目を真っ直ぐに見つめたまま、そう言った。




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