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「ホテル×クリエイティブ×テックでホテルの総合商社化を目指す」 株式会社水星の3つの事業戦略_水星 ボードメンバー座談会Vol.3
ホテル事業部、プロデュース事業部、プラットフォーム事業部(CHILLNN)3つの事業を軸に、観光、ライフスタイルの領域で挑戦を続ける株式会社水星。
今回は、水星代表取締役CEO龍崎、COO兼プロデュース事業部責任者大籠、CHILLNN代表取締役CEO永田の3名のボードメンバーをゲストに迎え、「ホテル」と「クリエイティブ」と「テック」異なる強み持つ水星ならではの事業戦略と、お互いのシナジー、今後の展望について、ざっくばらんに語り合うボードメンバー座談会をお届けします。
Vol.3では、引き続き、プラットフォーム事業部(CHILLNN)の新しい挑戦、宿のオーナーとゲストのためのプラットフォーム構想のお話を起点に、「ホテル」と「クリエイティブ」と「テック」のシナジーを活かして、ホテルの企画・開発、運営からゲストの旅行体験まで様々な領域でサービスを展開していく「ホテルの総合商社化計画」について話します。
過去の記事をまだご覧になっていない方は、ぜひこちらから。
プロフィール
長く愛されるホテルブランドを育てるプラットフォームをつくる
ーCHILLNNは次の一手として、ユーザー向けのメディアの立ち上げ、OTA化を構想していると聞きました。この戦略の背景について教えてください。
永田
この10年の間に、ホテルビジネスの世界でも、SNSマーケティングを起点にコンセプトを打ち出して、口コミ(UGC)を拡散させていくという手法がメジャーになりました。
一方で、業界が疲弊してきていることを感じています。例えば、はじめは上手くいっていたホテルが一定期間経つと、集客に苦戦しはじめて、我々のところに相談に来られるというケースが結構あります。また、1店舗目で上手くいって、店舗を拡大したところ、2店舗目以降大きく苦戦をしているというケースもあります。おそらく1店舗目の頃は作り手の思いや創業のストーリーがブランドの価値にひもづいているのですが、店舗を拡大する中でそれが徐々に薄まってしまっている。
つくったブランドの価値を属人的なもの、一過性のもので終わらせずに、事業をスケールさせていくためには、SNSマーケティングに依存しない戦略を考える必要があります。本来ホテルは、オペレーションを磨くことで体験価値を高めていくことも出来るはずで、長く愛されるブランドを育ていくためにOTAに挑戦したいと考えています。
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ー個性的で面白いホテルが生まれる生態系をつくるために重要な視点だと思いました。
永田
CHILLNNのOTAを通して、業界のマーケティングの常識を次のステップに進めていきたいと考えています。OTAプラットフォームをつくった後は、業界のファイナンスの課題、お金の流れについてもアプローチをしていきたいと思います。
CHILLNNを利用いただいている小規模~中規模の宿のオーナーさんは開業時の資金用達で大変な思いをしている人が多いと感じているので、CHILLNNが宿泊業の企画・開発から運営、売却などの出口まで、事業のライフサイクル全体に対して、支援をしていきたいと考えています。
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龍崎
まさに、水星が掲げている「ホテルの総合商社化計画」に重なるところです。CHILLNNがプラットフォームとなって、不動産ファンドをつくれると良いのではないかと考えていました。ホテルの開業に対して投資を行い、ベースの利回りを安定的に確保しながら、開業、運営などの支援を水星がハンズオンで提供することもできる。
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ーCHILLNNが宿泊業界のルールを返るプラットフォームになるために必要なことは何なのでしょうか?
永田
これは明確に意識していて、ユーザーのリテンションだと考えています。売り上げ規模でもなく、コンバージョンレートでもなく、唯一リテンションレートを見ています。
大籠
ユーザーがCHILLNNを使って色々な宿に泊まってくれるかどうかということですね。
永田
その通りです。一度CHILLNNを使ってくれた人に2回目以降使ってもらえるために
何が必要なのかを常に意識しています。今、課題に感じているのは、ホテルを探すタイミングでは、CHILLNNを使ってくれている人が多いのですが、予約する段階で他に流れてしまっているということです。
大籠
instagramやGoogle Mapみたいに情報収集のツールとして利用されているということですよね。
龍崎
確かに。ピンを立てることがユーザーのゴールになってしまっていると。
永田
そこは早急に打ち手を考えていきたいと思っています。リテンションレートは、大手のOTAでも重要指標として各社追っていて、そのためにポイント還元などの仕組みを導入しているわけです。そうした「規模の経済」的なインセンティブ設計ができない中で、どのようにリテンションレートを高めていくかというのがCHILLNNのプラットフォーム化においての最初の壁だと考えています。
「ホテル」×「クリエイティブ」×「テック」のシナジー
ー改めて、CHILLNNとプロデュース事業の連携について、現在の取り組みや今後の展望についてお話を聞かせてください。
大籠
同じ宿泊施設がクライアントということで、CHILLNNからクライアントを紹介いただくこともあるので、一緒にクライアントの課題解決価値の向上にコミットしているという意識があります。クライアントの多様な課題に対応する中でCHILLNNという大きな武器を1つ持っているような感覚というか。
龍崎
CHILLNNとホテル事業部とのシナジーはどう?
永田
各施設のslackチャネルに入れていてだいていて、日々現場で上がってくる課題を学ばせていただいています。気になることがあれば、直接ヒアリングをさせていただいたり、ディスカッションをしたりして、主に課題発見や、プロダクトを企画する際の仮説検証段階で、お世話になっています。
やはり、我々も普段クライアントの日常までは知ることは出来ないのですが、自社のホテルの運営の様子を見ることが出来るでの、普段商談には上がってこない、深い課題に触れることが出来るのは大きなアドバンテージだと思っています。
ー今後プロデュース事業部とCHILLNNで共同で挑戦していきたいことはありますか?
龍崎
水星にとっては、CHILLNNを活用いただいている1000以上の施設さんとのネットワークを活かして、提供するサービスの領域を広げていけたらといいなと思っています。
例えば、まだジャストアイディアですが、ホテル開業時にオリジナルアメニティを企画・開発して提供するサービスなど。通常だと規模が小さくて対応が難しいケースでも、1000以上のネットワークを活用することで商流をつくることができるのではないかと考えています。また、今は、開業後は、送客や運営の支援がメインとなっていますが、所有と運営を分離したいクライアントさんに対して、買収してくれる企業や運営してくれる企業をマッチングすることなども出来るのではないかと思います。
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永田
他のホテル系のITプロダクトにないCHILLNNならではの強みは、ホテルオペレーションへ解像度が圧倒的に高いという点だと思っています。だからこそ、日々全国のクライアントから、様々な課題のご相談が集まってくる。今の業界の中でホテルが抱えているリアルな課題は見えてきたので、プラットフォーム化を進める中で、サービスを提供する領域を広げていけたらと思います。
龍崎
私たち、水星とCHILLNNは、ホテル自体の可能性を広げると同時に、ホテル業界全体のマーケットの土壌を耕して、より滑らかで活気ある市場をつくっていきたいです。
私たち自身、プレイヤーとしてこだわりのホテルづくりをしながら、世の中に素敵なホテルが増えていくような環境を整え、より豊かな宿泊体験を提供出来るマーケット環境づくりに挑戦していきたいと思います。
10年前に北海道のホテル運営からスタートした株式会社水星は、現在、ホテル事業部、プロデュース事業部、プラットフォーム事業部(CHILLNN )の3つ事業を柱に「ホテル」と「クリエイティブ」と「テック」を武器に、領域横断的に事業を展開しています。今後は、3領域のシナジーを活かして、市場の全体に対して様々なポイントでサービスを提供していけるようなホテルの総合商社を目指して挑戦を続けています。今回の対談企画を通して、水星の現在地と目指す未来を感じ取っていただけたら幸いです。
また、様々なかたちで一緒に豊かな未来をつくるパートナーを募集しています。詳細は以下のURLをご覧ください。
まずは、話を聞いてみたいという方にはカジュアル面談も実施しています。
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