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人生を楽しむという選択 占星術的決定論

「こんなに必死に努力しているのに、私はどうして幸せになれないでしょうか?」

この言葉は鑑定の現場で頻繁に遭遇する依頼者からの切実な訴えです。

この訴えに対して私は「努力すれば必ず幸せになれるなんてホラ話を、いったい誰に吹き込まれたんですか?」と逆に質問するようにしています。意表を突く返答に大抵はポカーンとされるのですが、努力の程度と本人の幸福度は必ずしも一致しないということは、誰でも薄々気がついていることでしょう。

単純に行ってしまえば「頑張ってもダメな時はダメだし、のんびりしていても、うまく行くときは不思議とうまく行く」のです。仕事も恋愛も結婚も育児も・・・です。

となれば、あなたが今どんな厳しい境遇にあろうとも「運命の流れに逆らわず、人生の経験をすべて楽しむ」ことが幸せになるための理にかなった唯一の解説策ということになるはずです。どんなに健康に気を使っても、いつかあなたは確実に死にますし、どんなに慎重に生きていても人生の中で厄介事は必ず起きるものなのですから「努力で運命を屈服させる」ことはできません。だったら逆らわずに「流れ」に身を任せてみてはいかがでしょうか?

努力すれば幸せになれる・・・というのは「頑張って何か外部の良いモノを獲得すればきっと幸せになれるに違いない」という意味ですから、「人生において獲得したモノ」と「幸福な気分」がセットになっているという考え方なわけです。

例えば「お金持ちと結婚すれば幸せになれる」とか「有名大学に進学できれば、その後の人生は安泰」のような考え方ですね。だからその「外部の何か素晴らしいモノ」を獲得するために人間は努力するのですし、その努力の過程で「勝ち組」「負け組」という区別も生まれて来ます。

でも、この思考方法自体があなたを「不幸な気分にしている元凶」であることに気がつかれるでしょうか?

幸福感が「自分の内面から湧き上がる自然発生的なもの」ではなく「外から物理的に獲得しなければならないもの」だとするならば、自分の思い通りに物事が展開しなかった時、必然的に「不幸な気分」に襲われることになります。そうですよね?

幸福には「数に限り」があって、他人を押しのけてでも我先にそれを手に入れなければ自分は「人生の落伍者」になってしまう・・・みたいに考えてしまえば、ごく一部のエリート以外はみんな不幸になってしまいかねません。このやり方だと不幸になる確率は全人口の95パーセントですから、かなり効率の悪い社会システムですよね?

だから「何かを手に入れたら私は幸せになる」と考えるのではなく、「どのような状況であろうとも常に幸せな気分を維持すると決意する」ことが一番確実です。これを「無条件の幸福」と呼びますが、この思考法であればこの世に「負け組」と呼ばれる人を一人も生み出さずに済むはずです。

もちろんこれは安っぽい「ポジティブシンキング」とは全く違う考え方なんですよ。不利な状況を無理やりプラスに考えるのではなく、自分に与えられた運命に抵抗することなく「神の壮大な計画に参加している意識を持つ」ということです。言葉を変えて言うならば「天命に生きる」ことを決意するのですね。

たとえあなたが慶應義塾大学(日本で一番選民意識が強いと言われる大学)を卒業したとしても、妻が家を出て行く、夫が癌にかかる、株価が暴落する、高速道路で車が故障する・・・なんて不幸な出来事はいくらでも起こり得ます。慶応出身者だからと言って「癌にかからない」ということはあり得ませんし、彼らは「天に選ばれた特別な人間」ではありません。運命は誰一人差別することなく、本人の積み上げた過去世のカルマに従って「試練」を与えて来ますから、三田会(慶応の同窓会組織)に所属していても例外ではないのです。

こういう「当たり前の事実」を皆が忘れていることを、仏教では「無明(むみょう)」と言いますが、この無明を自覚しないことには、何を手に入れても人生の中に「心からの幸福」を感じることはできないんですね。

元・嵐の櫻井翔君は慶応幼稚舎から大学までエスカレーター式に上がって来た「生粋の慶応ボーイ」ですし、父親は元・総務省事務次官を務めた人物で、退官後は電通の役員などを歴任するという「超」が付くほどのエリートです。その意味で櫻井君は、非常に恵まれた家庭環境に生まれた「スーパーサラブレット」のような青年と言っていいでしょう。

総務省はテレビ局が持つ放送権を管轄する省庁ですから、櫻井翔君自身が望んでいなくてもテレビ関係者は彼のことを「特別扱い」せざるを得ません。別に、父親の機嫌を損ね方からと言って「総務省に何かされる」ということはないんですが、それでも「触らぬ神に祟りなし」とばかりに、テレビマン達が腫物でも触るかのような態度で彼に接しているのは誰に目にも明らかです。

つまり彼は「ジャニーズ事務所の巨大権力」と「父親の七光り」の両方に守られた非常に特別な立場にあったわけです。

「社会的に手に入れたモノによって幸福度合いが決まる」のが真実であれば、この世に彼ほど幸福な人物はいないということになるはずですよね?

本人もジャニーズの稼ぎ頭の一人でしたし、畑違いのニュースキャスターに抜擢されるという「夢のような成功」を収めていますが、最近になってその「恵まれた環境」に足元をすくわれる事件が発生してしまいました。

元所属タレントの男性の告発によって始まったジャニー喜多川氏の性加害問題では歯切れの悪い対応に終始し、一気に世間の逆風にさらされてしまったからです。

裏番組では「元カノ」の小川彩佳アナウンサーが、厳しくジャニーズ事務所と「メディアの責任」を追及する姿とは対照的で、それがまた「アイドルキャスター不要論」を加速させる要因にもなってしまっていますから、その巡り合わせもまた「運命の皮肉」を痛烈に感じさせてくれますね。

元恋人同士だった二人が、同じ時間帯の別々のニュース番組に出演し、真逆の対応を見せて評価が大きく分かれる・・・というのですから、まるで小説のようなドラマチックな展開です。その一連の流れに「複雑に絡まり合う縁の糸」を感じてしまうほどです。

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