体育の授業誰がやるか会議

主人格の水蜜桃は運動が超下手くそです。
これは発達障害の特性に由来します。

例えばバスケットボールを体育の授業でやるとします。
自閉症スペクトラムの人は木を見て森を見ずとよく言いますが、とにかく視界が狭い。
だから、まずボールを探すのにひと苦労します。静止画ならわりとぱっと見つけられるのですが、ボールは常に動いているのでなかなか見つけられません。
それからパスのために名前を呼ばれても、聴覚過敏で音の抽出が苦手なので、ザワザワとうるさい体育館では名前を呼ばれたことに気づきません。
それから発達性協調運動障害で動きがぎこちなく、ボールをまっすぐに投げたり飛んできたボールをうまくキャッチしたりすることができません。ドリブルするとボールに躓いて転びます。
手先はわりと器用なのですが、体を使う動きはてんでダメです。
体力テストのボール投げでどうしてもボールが前に飛ばず、何度先生に教えられてもできなくて、先生に「水蜜桃は、仕方ないからもういいよ、がんばってるのはわかるから」と匙を投げられたこともあるくらいです。
こんなかんじで致命的に運動ができません。特に道具を使ったり集団でやったりする運動は全くダメです。ただ走る、とかならまだマシです。

ちなみにこういった特性をもった人格は他にもいます。
でも体の使い方がうまくて運動がそこそこできる人格もいます。

ところでぼくたちは今高校生なのですが、体育の授業もあるので体育誰が(どの人格が)やるか問題が出てくるわけです。

とりあえずまず名が上がるのが運動できる人格のSくんです。彼に任せておけばとりあえずそつなくこなすでしょう。
ところがここで問題です。
S「え、ぼく人と行動するとか無理だけど…大きい声とか出せないけど……」
Sくんは全く集団行動ができません。授業なので、途中で飽きてブッチしてどっかに行かれたら困ります。
という訳でSくんはなし。
次に運動マシそうなのがAちゃん。
ところがまたしても問題です。
A「えー、Aしゃべんないよ?」
Aちゃんは声を出すのが嫌いなので喋りません。リアル世界では筆談か手話でコミュニケーションをとります。
これでは体育はなかなか難しいでしょう。
さて、残っているのは運動ができない面々です。
N(小学生男児)「男の子とならやる!」
H「汗かきたくないー」
ここで我らがまとめ役のYくんから名言が出ました。

「できることは1番得意なやつがやれ。できないことは1番愛嬌のあるやつがやれ。」

そんなわけでYくんに指名されたのは水蜜桃でした。たしかに思えば今まで小中高と体育ができなくても赤点をもらわなかったのは水蜜桃の関心意欲態度点が高かったからで…。
仕方ないので体育全然得意じゃないけど、代わりに教科の授業は全部Yくんがやってくれるという条件と引換に水蜜桃がやることになりました。

現役高校生の若い人たちと一緒に体育やる体力があるのか全然自信ないけどとりあえずがんばろうと思います。
@交代人格各位
いろいろ手伝ってください。

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