水蜜桃

しがない通信過程の大学生です。虐待サバイバー/AC/解離性障害/解離性同一性障害/広汎性発達障害/性的マイノリティー

水蜜桃

しがない通信過程の大学生です。虐待サバイバー/AC/解離性障害/解離性同一性障害/広汎性発達障害/性的マイノリティー

最近の記事

ぼくにあたえられたものがたりは、

ぼくは、実際に生きるということや死ぬということとは別に、自分にとって、何を「しあわせ」や「最適解」として選択するかということが、必ずしも自分で選んだり決めたりできる訳ではないということを知っている。 ぼくは、そういう選択や、選択するための検討をいつも先送りにしながら、実際にどう行動するかは、自分に起こることを追うままにしている時がかなりある。 「生きる」ことに、「死ぬ」ことに、いつも選択という意味の強い意志があるわけじゃない。 たまたま、自分に起こることを追っていたら、そのと

    • 殴り書き、

      年が明けて、4日目、非通知から電話がかかってきた。 出はしない。が、心臓がバクバクと波打ち、目の前が真っ白になりかける。 ぼくの日常にとって、非通知からの電話、というのは、すなわち、加害者からの電話、である。 交感神経系が昂って心臓がバクバクと波打ち、と思えば背側副交感神経系が反応して身体が硬直し目の前が真っ白になりかけているぼくは、しかし、その感覚を甘美なものとしてそれに身を任せ従いかけている。 郷愁に駆られている、と言ってしまってよいと思われるそれは、ぼくにそれを「

      • 放送大学で通称名使用が認められるまで

        こんにちは。水蜜桃です。 今回は、ぼくが所属している放送大学で通称名使用を認められるまでの経緯をまとめたいと思います。 現在、日本のいくつかの大学では、性同一性障害の方が、戸籍名とは違う心の性と合う通称名を使うことが認められつつある流れがあるようです。うれしいことですね。 しかし、性同一性障害を理由とする通称名使用が認められない場合、認められたとしても使用のための手続きが非常に煩雑な場合、それ以外の理由での通称名使用が認められない場合はまだまだ多くあるようです。 ぼくの場

        • 言葉へのこだわりのお話

          自分が言葉というものにかなりこだわる、そしてそれが故にこだわりから反する用法をされるとパニックになるきらいがあることは自覚していますが、パニックになった時にそれを態度に出さず平常でいるように見せかけることに日々エネルギーを注ぎまくっていて、それに辟易しているのが常です。 そもそもぼくが「言葉」に対してどんなふうにこだわっているのかというと、 ぼくは、社会生活の中に限っては、言葉を「コミュニケーションのため」の道具として、言葉のミームとしての側面に注目しながら、できるだけ解

          体育の授業誰がやるか会議

          主人格の水蜜桃は運動が超下手くそです。 これは発達障害の特性に由来します。 例えばバスケットボールを体育の授業でやるとします。 自閉症スペクトラムの人は木を見て森を見ずとよく言いますが、とにかく視界が狭い。 だから、まずボールを探すのにひと苦労します。静止画ならわりとぱっと見つけられるのですが、ボールは常に動いているのでなかなか見つけられません。 それからパスのために名前を呼ばれても、聴覚過敏で音の抽出が苦手なので、ザワザワとうるさい体育館では名前を呼ばれたことに気づきませ

          体育の授業誰がやるか会議

          渦中を抜けたら一気にしんどくなったというお話

          今日は機能不全家族を出て一人暮らしを初めてからのお話をしたいと思います。 それまでのお話は以下のnoteを参照ください。 https://note.com/suimituto_00/n/ndeaf13df2f39 さて、大学進学して家を出て一人暮らしを始めたのですが、初めの2ヶ月くらいは新生活の緊張感や機能不全家族からの解放感で普通に生活していましたが、緊張がほぐれるとともに小学生のころから感じていた解離症状が再び悪化し始めます。 また、フラッシュバックも頻繁に起こるように

          渦中を抜けたら一気にしんどくなったというお話

          家でサバイバルしてたお話

          虐待サバイバーやアダルトチルドレン(AC)という言葉をご存知でしょうか? 虐待サバイバーとは、身体的、心理的、性的虐待、ネグレクトの被害を受けながら生き抜いてきた人のこと。 アダルトチルドレンとは、機能不全家族で育ち、生きづらさを抱える人のこと。機能不全家族とは、機能不全家族とは、「子育て」「団欒」「地域との関わり」といった、一般的に家庭に存在すべきとされる機能が、健全に機能していない家庭のこと。 ぼくは虐待サバイバーであり、その後遺症としての精神障害を持って生きづらさ

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          家でサバイバルしてたお話

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          解離性同一性障害の人格紹介

          今日はぼくの共同生活者を紹介したいと思います。 解離性同一性障害については以下のnoteを参照ください。 https://note.com/suimituto_00/n/nbe5c62b3b8c5 では、ぼくの中にいる人格(現在メインで活動している人達)を仮名で紹介していきます。 水蜜桃→このnoteを書いている主人格(1番メインで活動してる)。他の人格がやることに概ね寛容。なんでもOKしすぎて他の人格によく「自分の意志を持て」と小言を言われる。20歳(体の年齢と同じ)。

          解離性同一性障害の人格紹介

          1日が24時間になった件について〜ワンオペって超しんどい〜

          タイトルを見て何の話だ?と思った方も多いと思いますが、種明かしをしてしまえば、解離性同一性障害についてのお話です。(解離性同一性障害についての詳しい説明は以下の記事を参照ください。) つまり、人格交代をするために水蜜桃という人格の主観では、一日は全然24時間もなかった訳です。 例えば、朝Hという人格が起きて身支度をし、Sという人格に変わって朝食を取り、家を出ます。 学校に着くとHという人格になって友達とおしゃべりし、授業が始まると水蜜桃になってノートをとります。昼休みにはYと

          1日が24時間になった件について〜ワンオペって超しんどい〜

          きょうだい児を考える

          きょうだい児という言葉をご存知でしょうか。 きょうだい児とは、病気や障害をもつ当事者のきょうだいのこと。 ぼくは解離性障害と発達障害の当事者です。 ぼくには2歳下の妹と年の離れた弟がいます。 きょうだい児としてのぼく診断がある訳ではありませんが、ぼくの妹はかなり不注意優勢のADHDの傾向が強いです。 また、なんらかのパーソナリティー障害の傾向も見られます。 子供の頃の妹の言動で1番困ったことといえば、盗みです。 何か必要だとだまって家族のものを盗る。学校で忘れ物をして

          きょうだい児を考える

          解離性障害について⑤〜解離性同一性障害編〜

          今日は五つ目ということで解離性同一性障害についてです。 まずは教科書的な説明を見てみましょう。 解離性同一性障害とは、複数の人格が同一人物の中に存在し、それらの人格が本人の行動を支配すること。多重人格。 次に、ぼくの場合についてです。 ぼくの場合は、メインで活動している人格が10人前後います。ここでいう活動とは、本人の行動を支配することの他に、頭の中で覚醒状態でいることも含めます。 人格の紹介はまた別の回でやろうと思っています。 人格には基本人格、主人格、交代人格の3

          解離性障害について⑤〜解離性同一性障害編〜

          解離性障害について④〜解離性遁走編〜

          今日は四つめということで、解離性遁走のお話です。 まずは教科書的な説明を見てみましょう。 解離性遁走とは解離性健忘の一種であり、過去の記憶の一部またはすべてを失い、通常は家族や仕事を残して普段の居場所から姿を消してしまうこと。(「遁走」とは「脱走」や「逃避」を意味する。) 解離性遁走の持続時間は、数時間の場合もあれば、数カ月間、ときにはさらに長期間にわたる場合もある。遁走の期間が短いと、職場に遅刻したり、帰宅が遅くなったりしただけのように見えることがある。遁走が数日以上続

          解離性障害について④〜解離性遁走編〜

          とても聴覚劣位のくせに吹奏楽部だったお話

          ぼくは広汎性発達障害で自閉症スペクトラムの要素が強いです。 症状のひとつに、聴覚過敏もあります。 聴覚過敏ってなに? 聴覚過敏は大抵の人が十分我慢できる音を、苦痛を伴う異常な音として経験することだと説明されることが多いですね。原因には生理学的な要素と心理学的な要素があります。 以下に紹介する例はあくまでぼくの場合のお話で、聴覚過敏の症状をもつ全ての人に当てはまるわけではありません。 ぼくの場合は電話のコール音や救急車などのサイレン、掃除機の音、弦楽器の高い音、マフラーを

          とても聴覚劣位のくせに吹奏楽部だったお話

          解離性障害について③〜解離性健忘編〜

          今日は三つ目ということで解離性健忘についてです。 まずは教科書的な説明を見てみましょう。 解離性健忘とは、トラウマやストレスによって引き起こされる記憶喪失(健忘)のことで、自分は誰なのかや自分に起こった出来事などの自分にとって重要な情報が思い出せなくなる。 記憶の空白期間の長さは数分から数十年にも及ぶ場合がある。 では次にぼくの場合のお話です。 ぼくの場合は、あるエピソードが丸ごとなく半永久的にずっと思い出せないこともあれば、数時間から数日の短い時間、自分に関する情報(

          解離性障害について③〜解離性健忘編〜

          ぼくがぼくのことをぼくと呼ぶ理由

          体は女性、性自認はわからない。 そんなぼくがなぜぼくという一人称を使うのかというお話です。 初めに言うと、積極的な理由はありません。 消極的な理由によって、ぼくの一人称はぼくです。 ぼくは三人姉弟の長女で、2歳年下の妹と9歳年下の弟がいます。 父親はずっと男の子が欲しかったようで、弟が生まれるまでぼくは男の子のように接されてきました。 毎日男の子のような服装をさせられる中で、「これは男の子の方が良かったんだな」と悟った小学生のぼくは髪を短く整え、自分のことをぼくと呼ぶよう

          ぼくがぼくのことをぼくと呼ぶ理由

          解離性障害について②〜解離性昏迷編〜

          今日は二つ目、解離性昏迷についてです。 まずは教科書的な説明を見てみましょう。 解離性昏迷とは、意識はあるにも関わらずに、受け答えなどには意味の通った返答を出来ずに朦朧としてしまう症状のこと。症状が進行していくと、やがては、会話や衝撃などの外部からの働きかけには一切応じられなくなり、起きながらにして昏睡状態・昏迷状態に陥ってしまう。 さて、これもぼくが実際どう感じているのかの説明を試みてみます。 離人感・現実消失感についての説明と同じモデルを使います。そちらについては以下

          解離性障害について②〜解離性昏迷編〜