朝から車を走らせ映画を観に行く
最近は朝から映画館へ行き、映画を観るのにはまっている。
車を走らせて家から15分ほどの映画館へ向かう。
休日朝8時の道路は空いており、すいすいと車を運転していく。
猛暑日が続く毎日だが、朝はまだそれほど気温も高くなく過ごしやすい。
とは言っても日差しは強いので、日光に晒されている右腕を気にしながら運転する。
朝の時間帯に上映される映画は人の数がまばらで、私のほかには5人いるかいないかくらいだ。
私は先日の夜にネットから購入した、前方が通路に面した座席に座り足を伸ばした。
ここの座席からだとスクリーンは少し上のほうにあり、座高を下げて頭をシートにもたれさせる。
前方の座席に人はいない。ただ赤い椅子が整列して並んでいる。
先週は「リバー、流れないでよ」を観た。
ざっくりあらすじを紹介すると、
老舗料理旅館「ふじや」を舞台にしたタイムループコメディ。
よくあるタイムループものとは違うのは、繰り返される時間がたったの2分であるということ。
コメディものの映画はあまり観ないのだけど、誕生月は安く映画が観られるということで、期間中に上映されている映画のなかから「リバー、流れないでよ」を選んでみた。
2分のループのなかではたして何ができるのだろう? と気になった。
映画の感想をひとことで言うと、面白かった。
あと、ほっこりした。
皆、「あー、時間止まんないかなあ」とか「明日が来ないでほしいなあ」とかやっぱり思うんだなあ。
ふだん生活をしていると、「こんなにネガティブな考えをしているのは、自分だけなんじゃないか」と思い至り、より一層落ち込んでしまうけれど、私が思っているよりも、案外人間は同じことを考えているのかもしれない。
登場人物の気の狂いようが異様に見えたけど、じっさい2分がループし続けるとああなってしまうんだろうか。
映画が上映し終わり、映画館の外へと出る。
上映前よりも気温が上がり、さらに日差しも強くなっている。
これから映画を観るのだろう何組かの親子連れとすれ違いながら車に乗り込む。
車のなかはサウナのようにむわんとする。
朝から映画を観ると、その日1日充足感が満たされる。
例えば土曜日に映画を観に行くと、その日の夕方ごろに今日は日曜日なんじゃないかと錯覚するくらい。休日をすでに2日ぶん過ごしたくらいに満足してしまう。それは私があまりにも安直なのだろうか。
早起きして朝から身支度を整え、映画を1本観て、いろんな思考を巡らせながら土曜日の午前中を過ごす。
まだ休日は今日の午後と明日も残っている。
休日の朝を活動的に過ごすと心地よく週末を迎えられる。
なぜ朝早くから映画館へ行くようになったのかというのは簡単な理由で、
マリオの映画を観たかったけれど、付き合ってくれそうな人はいない。
(おそらく子どもが多く観に来ているだろうから、)たった一人で子どもたちのなかに紛れてマリオを観ることに少し恥じらいがあったからだ。
だから、朝早くならお客さんも少ないだろうと踏んで、はじめて朝早くから映画館へ行き、マリオの映画を観たのだ。
私と同じような考えを持っていたのか、その日は私以外にも一人で観に来ていた若い女の人がいた。それとおじさんも。
マリオのゲームをやっている人はわかるであろう小ネタなどがちりばめられていて、その日は一人でにやけながらマリオを観ていた。むしろ一人で良かったかもしれない。
最近はテレビを処分して、NEBULAのプロジェクターをボーナスをはたいて購入したので家で映画を楽しむことはできるのだけど、映画館特有の雰囲気や匂い、大画面での鑑賞、そして朝早くから休日を楽しむという魅力がある映画館通いはまだしばらく続きそうだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?