sasami

社会人によるわりかし自己満足note ・ 文章(随筆/感想文など)書いたり、絵を描いたり、写真を撮ったりします ・ 小説にチャレンジしてみたい

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最近の記事

『アートがわかると世の中が見えてくる』/前崎信也 感想

数年前に書いた文章ですが、掘り出したので載せてみる。 『アートがわかると世の中が見えてくる』/前崎信也 口語っぽさがある文章のため読みやすくはあるが、すこし嫌味っぽい、癖のある文章。 現在日本の文化とされるものがどのように生まれて、今までどのような変遷を遂げてきたかはよく分かった。が、全体的に根拠の提示が少なく、所感がけっこう含まれているように思えてしまう箇所もあった。  読みながら色々と思考をした文章がたくさんあったけれど、そのなかから一部、本文を引用しつつ自分の考え

    • 「箱男」は異様な存在ではない/映画「箱男」感想

      映画「箱男」を観た。 箱男とはなんなのか。 箱男とは傍観者だ。 匿名性が守られた安全な場所から、対象物を一方的に見る。 箱男は不特定多数のなかに紛れ込む。箱男が誰なのか、そんなことは大した問題ではない。 汚ならしい段ボールを頭から被った姿は、端から見れば滑稽だ。 安全な、自分だけの世界。 そこから優越感を帯びた視線を外野に向ける。 滑稽でも良いのだ。箱の内側だけが世界の全てなのだから。 他人からどう思われようと、この居心地の良い世界から抜け出しはしない。 一見不自由に見

      • 守りたいものを守るために、お金持ちになりたい

        最近、お金持ちになりたいなあとぼんやり思う。 別に贅沢な暮らしがしたいわけではなくて。 お金があれば、守りたいものを守ることができるんだと気がついたから。 そう思ったきっかけは、名古屋市にある桑山美術館へ訪れたこと。 閑静な住宅街のなかにある、私設の美術館。 日本画を主に収蔵しており、横山大観や上村松園、川合玉堂などの作品が並ぶ。 作品の鑑賞だけでなく、メインの展示室から、アーチ状の支柱をくぐって庭へと散策もできる。庭園に設けられた茶室には、木々が木漏れ日を落としている。

        • 大事にすべきものほど大事にできない

          大切なものを大切に扱う。 そんな当たり前のことができない。 たった一人、心を許したあの人に私は幾度となく当たり散らかす。 他の人に言われても気にならないような些細な言葉も、 あの人の口から出たものだと途端に私の感情を揺さぶる。 あの人の前だと感情が爆発する。声を出して泣いて、 いつもと違う口調で彼を責める。 そうしていつも後悔する。 ごめんねと謝る。だけどまた同じことを繰り返してしまう。 私はあまり人に弱っているところを見せない。 愚痴もあまりこぼさないようにしている。

          椎名林檎に救われてる

          椎名林檎のニューアルバム、「放生会」。 発売が発表された当日には購入したものの、仕事が忙しくてなかなか受け取れず、やっと今日手元に届いた。 ふだん、「林檎ちゃん」と呼んでいるのでここでもそのように表記していこうと思う。 曲名の文字数、歌詞の配列までも美しい。 音楽は配信サービスで聴けるから、CDを買わなくとも音楽は聴けるのだけど、細部までこだわってつくられたものを耳だけじゃなくて目でも味わえるのはCDを買う醍醐味だと思う。 林檎ちゃんの紡ぐ言葉は、私には高尚すぎてすべて

          椎名林檎に救われてる

          日常に溶けゆく香り

           真っ暗な部屋に窓から月明りが侵入していた。カーテンは片側が半分だけ開いている。仕事に出ているあいだカーテンを開けておくのは防犯上気になるところだが、窓際に置かれたアルテシーマにせめてもの日光浴をさせてあげたい。その効果かは分からないがアルテシーマは自身が纏う葉の数を少しずつ増やしている。  アルテシーマの日光浴も終わった仕事終わり、締め切った部屋は長すぎる残暑のせいでむわっとする。とはいえクーラーをつけるほどでもない。カーテンを閉じ、ベランダに続く窓を開けた。風が肌に当た

          日常に溶けゆく香り

          朝から車を走らせ映画を観に行く

          最近は朝から映画館へ行き、映画を観るのにはまっている。 車を走らせて家から15分ほどの映画館へ向かう。 休日朝8時の道路は空いており、すいすいと車を運転していく。 猛暑日が続く毎日だが、朝はまだそれほど気温も高くなく過ごしやすい。 とは言っても日差しは強いので、日光に晒されている右腕を気にしながら運転する。 朝の時間帯に上映される映画は人の数がまばらで、私のほかには5人いるかいないかくらいだ。 私は先日の夜にネットから購入した、前方が通路に面した座席に座り足を伸ばした。 こ

          朝から車を走らせ映画を観に行く

          自分を貫いた行動の責任をとりたい/映画「エリン・ブロコビッチ」感想

          シングルマザーの社会進出の難しさみたいなのを描いた作品なのかな~と思っていたら、それ以上のものが描かれていた。 最近いろいろと他人の些細な言葉に心が揺らいでしまっていたけれど、なんかもう、どうでもよくなった。 もう私は他人の言葉になんて揺らがなくて済むような気がする。 この映画を見終わって、そう感じた。 他人になんと言われようと、 自分を信じて、自分を突きとおして、自分のやるべきことをちゃんとやっていればいいんだ。 他人の言葉によって揺らいだ自分がとった行動も、 自分

          自分を貫いた行動の責任をとりたい/映画「エリン・ブロコビッチ」感想

          カーテン越しの未来あるいは幻想/映画「死ぬまでにしたい10のこと」感想

          横になるアンがビーズのカーテン越しに、 自分と同じ名を持つ女性が旦那と二人の子どもと楽しそうに笑いあっている姿を眺めている。 この光景は、アンが亡くなったあとの来たるべき現実なのか、あるいはアンだけが望んでいる幻に過ぎないのか。 余命宣告って、許可状のような感じだと思った。 「もう死んでもいいんだよ」って言ってもらえているような。 別に死にたいわけじゃない。 でも、死が間近に迫っていることは逃れようのない事実だし、 私だってアンが考えるように、苦い薬を飲んで、管

          カーテン越しの未来あるいは幻想/映画「死ぬまでにしたい10のこと」感想

          メモに残っていた言葉。 使い道が無さそうなので投稿して成仏。

          メモに残っていた言葉。 使い道が無さそうなので投稿して成仏。

          誰にも気づいてもらえなきゃ、本当の自分なんて居ないのと同じ

          たとえ中身に素晴らしいものが詰まっていようと、 それを外に見えるようにしていなくちゃ、 ないものと同じ。 言葉にしなくちゃ伝わらないし、 行動を起こさなきゃ見てもらえない。 たとえそれが偽りの言動だったとしても。 偽善だってなんにもないよりはいい。 出してしまえば、それが他人にとっては本物になる。 他人が自分のことをどういう人間だと判断するか。 それがすべてだと思う。 本当の自分を圧し殺したくなんかない。 でも本当の自分なんて誰も分かってくれないんだから、 他人に自

          誰にも気づいてもらえなきゃ、本当の自分なんて居ないのと同じ

          ビニール傘がすき

          ビニール傘が好きだ。 大きな雨粒が当たる音。ぼとぼとと雨に撃たれていく。 雨音しか聞こえない世界は 自分の存在を浮き彫りにする。 夜になって街中に明かりが灯りだす。 ビニール傘越しに見る明かりたちは、 雨粒によって滲んでいた。 目に涙を溜めたときのように 光が広がる。 この景色を見ているのは、ビニール傘のなかにいる私だけ。たった一人。 このうつくしくて儚い景色を一人占めしている。 隣を横切る車たちは 傘をさす歩行者を迷惑そうに避けていく。 横切るときゆっくりとスピード

          ビニール傘がすき

          雨と帰路とバスとハザード

          日が長くなったと言っても、18時30分になればあたりは真っ暗だ。 それに加えて雨雲が余計に周囲を暗くさせていた。 目の前を走るバスの車内が、暗がりのなか無機質な光を放っている。 無機質な光を放つ空間は、そこだけまるで別世界のように見えた。外の空気よりも青くて、冷たい。 バスは青く冷たい空気を運んでいく。 バスが揺れると、密封された空気も同じように揺れた。 天気予報が予測できなかった雨は午前10時から降り続いていた。 車のライトの光が雨粒で滲んでいる。 信号待ちの手持ち無沙汰

          雨と帰路とバスとハザード

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          おはよう

          おはよう

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          山茶花と少女

          山茶花と少女

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          ことばを食べたい

          忘れたくないと、 ずっと憶えていたいと、 記録したことも 記憶したことも いつのまにか忘れている いざというときに 口からなにも出てこない 暗記パンみたいに食べてしまえれば、 自分のものにできてしまえれば、 忘れたくないことば ぜんぶまとめて食べちゃいたい 自分の血となり肉となればいいのに 自分の身体を淀みなく巡っていてほしい 自分の身体を形成していてほしい だけど人間の身体には 拒絶反応が備わっていて 異物は追い出してしまうから 他人が生み出したことばや考えを 自

          ことばを食べたい