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ゲームとランダム性【ゲームデザイン小話1】

はじめに

古今東西のゲームで、ランダム性を取り入れたゲームは星の数ほどあります。ランダム性はゲームデザインを考える上で不可欠なものなのではないでしょうか。

このシリーズ(シリーズ化するかは不明)は、まだ大したゲームを作ったことがない、なんちゃってゲームクリエイターな自分が、ゲームデザインについて考えたことを勝手に語るといったものです。

ランダム性のあるゲーム、ないゲーム

ランダム性があるゲームを挙げてみましょう。まず思い浮かぶのはテトリスやぷよぴよ、マインスイーパーのようなシンプルなパズルゲームです。さらに、最近インディーを中心に流行りのローグライクはまさにランダム性をテーマにしたゲームジャンルです。また、部分的にはゼルダの伝説botwを始めとしたオープンワールドの天候システムやソーシャルゲームのドロップアイテムなどに取り入れられています。

一方で、ランダム性がないゲームを挙げてみましょう。最近流行りのメトロイドヴァニアゲームのほとんどはステージが固定でランダム性が薄いです。ElecHeadのようなステージ型パズルもランダム性は薄いと言えます。

なぜランダム性があるゲームとないゲームが存在するのでしょう。それは、それぞれに利点と欠点があるからです。それを以下に挙げます。

ランダム性の利点

  • 何度も繰り返し遊ぶ場合、プレイヤーは何度でも常に新しいシチュエーションが楽しめる。

  • 先の予想ができないため、ワクワクする。驚きのあるゲームプレイになる。

  • ランダム性がゲームにリアリティを与えることがある。

  • 初心者でも運により勝利する可能性ができる。

  • ステージをいくつも作る必要がない等の要因により、開発者は制作コストが抑えられることがある。

ランダム性の欠点

  • シチュエーションは人間の設計に基づいてないので、プレイヤーの体験の質が損なわれる恐れがある。

  • プレイヤーのスキルがそのまま反映されないことや予期せぬ展開により、不公平や理不尽に感じることがある。


ランダム性を持たせない利点

  • シチュエーションが人間の設計に基づいているため、プレイヤーは決められた良い体験を享受できる可能性が高い。

  • プレイヤーのスキルがそのまま反映されることなどにより不公平さや理不尽さを感じることが少ない。

ランダム性を持たせない欠点

  • ゲームを完全にクリアしたらやることが無くなる恐れがある。

  • ステージをいくつも作る等、開発者は制作コストがかかることが多い。

ランダム性を持つゲーム性と持たないゲーム性

※ここでは、主にランダム性をゲームのメインに掲げるゲーム(マップの自動生成など)とそうではないゲームを比べます。

では、ランダム性を持つゲームとランダム性を持たないゲームを分けるゲーム的な要因は何なのでしょう?なぜテトリスは固定的でなく、なぜメトロイドは自動生成でないのでしょう?

まず、ランダムであるということは無限なほど多様なシチュエーションが提供されるということです。例えばこれがメトロイドにもたらされるとどうでしょう?完全にランダムに部屋が配置される場合、アイテムが即効で手に入るなど、体験を損なう事件が起こることが予想されます。

これは、メトロイドのようなゲームが状況のランダム性に弱いということです。恐らくゲームメカニクスが複雑で(メカニクス同士の)相互作用が多いため、シチュエーションによる変化が大きくなり、ランダム性を持たせにくくなっているのでしょう。このことから次のことが予想されます。

「ゲームメカニクスが複雑なほどランダム性を持たせにくく、シンプルなほどランダム性を持たせやすい。」

ゲームにランダム性を持たせるかどうかは、どうやって決める?

まとめです。ゲームにランダム性を付加するときは、対象となるメカニクスの影響する範囲が小さく、メカニクス同士の相互作用が少ない場合、つまりシンプルな場合はランダム性を付加することは利点が大きい場合が多いのではないかと思います。一方メカニクスが複雑な場合は、ランダム性を減らし開発者自ら設計する割合を多くすることで、設計の利点を大きくすることができます。

ここで扱ったのは主にランダム性をメインに添えるゲームとそれ以外なので、RPGでの敵のエンカウントなど、細かい部分は説明不足かもしれません。前者に関しても、もう少し掘り下げたいです。ランダム性は興味深い分野なので、また考察した記事を挙げるかもしれません。

以上です。この記事を見てくださりありがとうございました!いいねやコメントなど頂けると喜びます。

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