Coping as a Mediator of Emotion
The Purpose of Reading
とりあえずLazarus & Folkman のストレスコーピングの限界を探る
限界が示されているのか
無敵の理論なのか
それともあるのに目をつぶって都合よくつかわれているのか
よくわからないけど研究読むのめんどくさいから翻訳されてる昔の本ばかり引用されているのか
確認する
Abstruct
(つまりコーピングによって感情に影響を及ぼせるといっている
(重要な調査だと思われるのでよむ
(というのも、実際に本気でストレスマネージメントできてると思っている人は世の中にどれぐらいいるのか?いないだろう。
(本当に弱ってしまった皆さんが心を落ち着けることはよく言われているストレスマネージメントや不安への対処方法でできる。だから、目の前でドクターや専門家が一緒に取り組んでくれることを信じてほしい。
(しかし一方で、いわゆるストレスマネジメントができていると皆が思えているだろうか。心のどこかでできないよこれじゃあと思いながらいるのは不誠実だと考えている
Introduction
コーピングは感情への反応とみなされてきた
ストレスの動物モデルでは、コーピングは生命を脅かす危険に直面した際の生存に貢献する学習行動とされる
しかし人間は、感情特に不安が認知機能とコーピングに影響する方法に焦点を当てている
問題の第一は、感情とコーピングの研究では、その複雑なプロセスが過小評価されてきた
動物のストレスモデルから、コーピングは接近回避または防衛・防御プロセスとして解釈されてきたが、人のコーピング方略は問題解決や感情調整など多様であり、そのプロセスに伴って複雑な感情を体験している
問題の第二は、感情とコーピングの関係が、感情を先行条件とする一方向に限定されていることである
ストレスフルなイベントでは、一時評価 (脅威の評価) から始まり、コーピング方略の選択と実行が生じ、環境と人の関係が変化して再評価され、さらに感情の質と強度が変わる
こう見るとコーピングは感情の媒介変数である (注意事項としてモデレータは独立変数の選考条件だが、媒介変数は独立変数により生成される)
本研究のリサーチクエスチョンは、
コーピングはストレスフルな状況で感情反応を媒介するか
媒介するなら影響は特定の感情に限定されるのか
情動焦点型・問題焦点型のコーピングにより勘定への影響は異なるか
Method
Samples
主としてプロテスタントまたはカトリック
最低8年の教育歴
収入が最低収入以上
寝たきりではない
①若年サンプル:
少なくとも 1 人の子供がいる85組の夫婦
女性は35-45歳 (夫の年齢は26-54歳、基準と無関係)
invitation mailを受け取ったもののうち46%が参加
女性の年齢はmean=39.6 (男性のmean=41.4)
教育年数mean=15.5
世帯収入median=45,000$
女性57%が有給雇用 (男性84%)
Refusualsは教育年数のmedian=14.3以外に差はない
脱落率は11.8%
分析対象者は75組、150名
インタビューは6か月ごとに2度実施
②高齢サンプル:
161名
女性の年齢mean=68.9 (男性68.3)
教育年数mean=14.7
世帯収入median=22,500$
refusualsは教育年齢median=13.2のみ差がある
脱落率12%
最終分析対象者141名 (女性53%、既婚61%、未亡人26%、未婚3%)
インタビューは6か月ごと2度実施
Procedures
6か月間にわたり自宅で毎月一回インタビューに参加
若年・高齢サンプルのいずれも被験者ごとに独立してインタビュー
Measures
①ストレスフルな出来事の経験:
若年サンプルではインタビューの前週、高齢サンプルではインタビューの前の月のストレスフルな出来事を報告
②コーピング:
Folkman et al (1986) の8下位尺度のコーピング尺度を使用
対決、距離を置く、自制、社会的支援の希求、責任の受け入れ、逃避回避、計画的問題解決、肯定的再解釈
少なくとも対決及び計画的問題解決は問題焦点型コーピング
少なくとも距離を置く・自制・責任の受け入れ・肯定的再評価は情動焦点型コーピング
(この問題焦点型と情動焦点型の分類の詳細はおかしい気がするが)
(と思ったら著者がそのように暫定的分類として記載していた)
③感情:
被験者に、感情に関する文献とパイロット インタビューに基づいて選択した各感情の強さを評定
若年の対象者はストレスフルイベントの始まり、経過中、終了時の感情を想起して評定
高齢の対象者は、ストレスフルイベントにより最もストレスがかかったとき、イベント終了時の感情を想起して評定
若年を対象者とする因子分析により、心配/恐怖 (3 項目、a = .81)、嫌悪/怒り (4 項目、a = .87)、自信 (3 項目、a = .82)。および満足/幸せ (6 項目、a = .80) の4因子構造とした。
高齢の対象者には、不安、傷つき、屈辱、興奮などの項目も追加し、因子分析の結果、心配/恐怖 (5 項目、a = .74)、嫌悪/怒り (5 項目、a = .78)、自信 (4 項目、a = .66)、および満足/幸せ (5 項目、a = .83) の4因子構造とした
Results
ストレスフルな出来事によってコーピングが感情を媒介する強さは、階層的重回帰分析の残差により評価した
従属変数はストレスフルな出来事終了時の感情
独立変数の第一ステップではストレスフルな出来事終了時の感情の個人内平均、第二ステップはストレスフルな出来事開始時の感情、第三ステップはコーピングを投入
Younger Group
嫌悪・怒り、自信、喜び・興奮にはコーピングが影響を及ぼした
心配・恐怖はコーピングが影響しなかった
計画的な問題解決、肯定的再評価、距離を置く、対決のコーピングは上記の3つの感情の変動に影響を及ぼした
計画的な問題解決・肯定的再評価は嫌悪・怒りを抑制し、対決・距離を置くことは嫌悪・怒りを促進
責任の受け入れ・対決・距離を置くことは自信を抑制し、計画的な問題解決・肯定的再評価は自信を促す
対決・距離を置くことは喜び・興奮を抑制し、計画的な問題解決・肯定的再評価は喜び・興奮を促進
自制、社会的支援の希求、逃避・回避はどの感情にも影響しない
(社会的支援を求めても情緒的に影響なし、ひどい)
Older Group
高齢者の分析では、感情の個人内平均及びストレスフルな状況に遭遇した時のピーク感情を統制したところ、コーピングはすべての感情の変化に影響を及ぼしていた
計画的な問題解決は、自信を促し、嫌悪・怒り及び満足・幸せを抑制
社会的支援の希求は、自信を促し、満足・幸せを抑制
責任の受け入れと肯定的再評価は、心配・恐怖を促す
逃避・回避や自信を促す
距離を置くと満足・幸せを抑制
自己制御と肯定的再評価はいずれにも寄与しない
(このあたりの不一致さが、測定誤差なのか、サンプルの影響なのか、真実なのかが判別しづらい)
Alternative Explanations
情動尺度間の相関が特定のコーピングの様々な環境への影響を及ぼしている可能性がある。恐怖・心配は感心ごとではないため除外したとして、尺度間の相関を否定できず、最大で32%とはいえ感情の尺度間相関が影響した可能性がある
また、そもそもストレスフルイベントの特性 (対処可能であると認知的に評価したかどうか) がポジティブな結果を生み出し、好ましい感情 (あるいは好ましくない感情) につながった可能性がある (すなわちコーピングではなく先行する二次的な認知的評価がすべてだった可能性が否定できないとしている。それなら二次的評価も測定してほしかったが、、大変だが)
(と思ったら) そこで、変化可能性を統制するために、各ストレスフルなイベントについてどの程度変化できそうか・何か対処できるかその可能性をリッカートスケールで測定して統制したところ、その後にどの感情とコーピングの関係にも影響を与えなかった (本当かよ)
(すなわち、年齢に差はあるが、ある種類のコーピングと後続する感情の変化の関連が示されたことになる)
Discussion
Age group differences
方法論の違いの効果の可能性あり
若年者の感情変動はストレスフルイベント遭遇時を起点とするが、年長者はストレスフルイベントのピーク時評定であった
また、若年者と年長者で尺度に多少の違いがあった
発達段階によりコーピングの有益性に変化が生ずる可能性、そもそもストレスイベントの種類や同じような内容 (例えば家族) であってもその対象が異なる (若年では夫婦や子供、年長者では兄弟など) が影響する可能性がある
(ということは、少なくとも同一のコーピングであってもそれが解決につながりうるか、また決定的に重要なのはイベント特性そのものだという結論になる)
(面白かったのは、距離を置こうとするコーピングは意味をなさずむしろ悪化することが示されており、そもそも思考が再侵入する可能性、その間に問題が悪化する可能性を示していると考察されている
(距離をとればどうかという助言が多くなされるが、悪化させていることになる
(なお、以下のReferenceで分かる通り、明快な研究はそれ自体でほぼ情報が完結しており、Referenceがほぼ不要となる
Reference
Folkman, S., & Lazarus, R. S. (1988). Coping as a mediator of emotion. Journal of personality and social psychology, 54(3), 466.
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