歯科医院は相棒&非日常リラクゼーションサロン
歯科医院は相棒であり、非日常のリラクゼーションサロンです。
ドリルのギュインチュインという音、水圧のキュイィという音、水を吸うシューシュボッという音。
昔はとても苦手で逃げ出したくなる音でした。
受付の美人のお姉さんはすまし顔で受付のPCを眺めています。
裏では人体改造が行われているのではないかと疑ってしまうほどの非日常の音がしているのに、「いつものこと」とスンとしているお姉さんに狂気すら感じてしまうものです。
正に人体改造を行ったのは、4年ほど前。
私は「親知らず」を抜く必要がありました。
恐ろしい言い方をすると、体の一部をとらなければならないのです。
人生で一度(多い方であれば4度)の特大イベント。
痛い、怖いのが大嫌いな私は徹底的に歯科医院を調べました。
そこで、割と新しめで技術もいいと評判の歯科医院を見つけたので、勇気を出して嫌々予約をしました。
いざ覚悟を決めて歯科医院に入ったところ、瑞々しく気高い純白の胡蝶蘭がこんにちはと頭を下げて出迎えてくれました。
間接照明の効いた清潔なデザイン空間。
かといって冷たい印象ではなく、木のぬくもりもある優しい待合室。
加湿器、空気清浄機、テレビ、雑誌、ウォーターサーバー、柔らかいソファ。
受付のお姉さんはとても美人で、おっとりして笑顔が輝くホスピタリティに溢れる方でした。保険証を出し、予約をした旨を伝え、ピカピカのソファに座って、黒が基調のレザー調のバインダーにはさまれた問診票を書いていきます。
「お悩み事、心配事は?」「相談したいことはありますか?」
もしかして私は高級エステにきたのではないかと思いました。
心なしかいい匂いがする気がしましたが、おそらくそれは気のせいだと思います。
ただ歯科医院に来ただけなのに、その空間にいるだけで、なんだか人としてワンランクアップしたような気持ちになりました。
ホテルのラウンジなどで似た雰囲気を味わうことができるような気がします。
名前を呼ばれ、通路を案内されている間も不思議と怖さより居心地のいい空間に感動していました。
診察室は個室になっており、こちらは白を基調とした清潔な空間で、最新と思われるモニターや機械がシンプルに並んでいました。
診療台も寝心地がよく、美容室に来たのかしら、という感じ。
優しくて美人な歯科衛生士さんがいらっしゃって、薄い手袋をつけて歯の状態を丁寧にチェックしてくださいます。
歯磨き指導はまるで化粧品はこうやって使いましょう、というような美容指導のようでした。
というのも、その歯医者ではホワイトニングや美容矯正なども提案しており、お客さんもモデルかと思うほど美人なお姉さんが多くいらっしゃいました。
おじいさん、おばあさんもおられ、広く多くの方に愛されていることを感じました。
「そうか、ここに自分の体のメンテナンスにきているんだ。それって、安らぎだ」
そう感じたのです。
自分の体を車だとすれば、洗車して、オイル交換して、バッテリーの調子を見て、必要があればパーツ交換する。ワックスでコーティングして、ピカピカで万全の状態にする。
若い歯科医のお兄さんはボソボソ自分一人で専門用語で喋る「THE専門医者」という感じでした。
もうここまでくるとそれも好感度高く感じました。
この方絶対歯のこと真剣に考えてて信頼できる。
怖い気持ちが全てふっとび、「この空間を満喫しよう!」そう感じた瞬間にふっと肩の力が抜けて、
「もしかして歯医者って健康保険で利用することができるリラクゼーションなのでは?」と感じはじめました。
予約をして、心地いい空間で口を開けて寝転がっていれば、専門の方々が私の口の中をメンテナンスしてくれる。
心の中は「よきにはからえ」なんてお姫様気分です。
親知らずを抜いた時は血まみれでしたし、口の中に一軒家が建つんじゃないかと思うほどものすごいドリルの音がしましたが…。
手慣れているもので、その後日の抜糸までもとてもスムーズ。
あれだけ怖がっていた自分が嘘のようでした。
ああ、この空間を満喫できるのもこれで終わりかなぁと思っていたところ、「着色汚れと歯石をとって歯茎の状態を調べませんか」と言ってくださり、
私のお姫様気分はそこからも続きました。
2年半前に仙台から広島へ引っ越しをしました。
40歳で自治体から推奨してくれる無料の歯科検診があったため、私は広島でもいい歯科医院を探しました。
また心地いい空間で寝転がっているだけで歯のメンテナンスをしてくれるお姫様サービスを受けたかった。
ちょうどご近所に評判の歯科医院があったため、予約をしました。
無料の歯科検診では丁寧にひとつひとつ歯の状態を調べてくれて、定期検診をおすすめして頂き、今でも何か月かに一度行っています。
広島の歯科医院で良かったことは、自分の口内細菌を顕微鏡の拡大図で見せてもらえるサービスです。
もう私の中では指導ではなくサービスです。
この口内細菌がもう、気持ち悪かった!!
私の口の中ってこんなに色んな生物がウネウネしているのか…と思ったその日、私はドラッグストアでマウスウォッシュを買って帰りました。
今でも使っていて、先日行った時に「いい状態ですね!」と歯科衛生士の美人のお姉さんに言っていただけた際は、ふふん、と誇らしかったものです。
この他にも、歯磨き指導で使ったちょっといい自分に合った歯ブラシをもらえる、サービスでフッ素コーティングをしてもらえる、などいたれりつくせりです。
大満足。
口の中の心配は何もいらないということも、とても大きいメリットです。
専門家の目で定期的にチェックしてもらえているのであれば、
人生の考え事の中から「口の中」のことを除外してしまってOKです。
考えることがとても多い現代、少しでも考えることを減らして、自分の専門外のことはプロにお願いしてしまいたいです。
特に口の中なんて普段自分でじっくり見ることができません。
朝昼晩、3食たべる食事の中で、美味しいものを食べる時に毎回口の中を気にしたくありません。
「食」という生物として根本的な行動を安心して行える、というのはなかなか大きいと感じています。
自己肯定感を高める「自分を大事に」にもつながります。
自分を大事にしてくれる自分に感謝できます。
自分を大事にしている自分を誇らしくも思えます。
この体は私にとって唯一で大切なものです。
ひとつしかないので、大切に使わなければいけません。
40年の年代物ですが、メンテナンスすればまだまだ使えます。
しかもプロのお墨付き。
最低でも口の中だけは最高で、自信満々でいられます。
歯科医院、とってもおすすめです。
あなたのたったひとつの体、その一部、口の中。
毎日誇りをもって安心して過ごせるよう、メンテナンスしませんか?