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休職十九日目

一月二十四日。
とにかく実家に帰ってこい、帰ってこなければ会社に電話する、訴える。と不穏なことを親が言って聞かないので、なくなく実家に帰ることにした。

夜行バスに乗る勇気がまだなかったので昼行で帰阪。長距離を昼行バスで移動するのは初めてのことだ。
平日だからか乗客は少なく、二人がけのシートを独り占めすることができた。
いつも夜行で移動するから知らなかったが、外の景色がいい。海や湖のそば、山の中、ど田舎、いろいろな景色が代わる代わる現れる。
空に雲がたくさん浮かんでいる。久々に空を見た気がする。昔読んだ小説で、卑屈な主人公は下ばかり見ながら歩いているんだけど、その分人より小銭をよく拾う。それが嬉しい。みたいな身も蓋もないことが書かれていたのに影響を受けて下を向いて歩いていた、というのがあった気がする。あんまり覚えてないが…。
途中何度もサービスエリアに停車するのでその都度バスを降りて地域の名産品を見たりお土産を物色したりするのも楽しかった。
特に旅行、といった感じではないんだけど、充実感があった。

そして実家へ。
帰ってこいと言っていたのに家には誰もおらず、仕方がないので冷蔵庫をあさり晩飯を拵える。
全然帰ってこない。所在なかったので洗い物をしたり、洗濯物を入れたりの家事をやったりしていたら、一体何をしに帰ってきたんだと一瞬心がかき乱されました。よくないですね。
それでようやく帰ってきたと思ったらカウンセリングが始まる。明日から一体どうなっちゃうんだろう!?とりあえず寝ます。

画像は浜名湖です。

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