休職三十二日目
二月五日。
二月五日と六日の二日間を利用して藤沢の方へ行ってきた。せっかくの休職期間なのだから、どこかに行ってみるのもいいのでは?という周囲の勧めもあっての旅行だったのだが、幸いなことに天気にも恵まれ非常に良い二日間だった。
藤沢を拠点に、江ノ島・鎌倉・由比ヶ浜などの江ノ電沿線を一駅ずつ止まっては歩き、観光した。僕が恐れている上司もその辺りに住んでいるので、もしかすると出くわすんじゃないかという不安が少しあって、それをふとした瞬間思い出すたびに手足から血の気が引きピリピリと痺れた。
まあそんなことよりも、海が見える街はいい。江ノ電から眺める海岸、海。太陽の光を反射して上からも下からも陽光が当たる。セロトニンの生成も二倍。手と顔しか当たってないけど。途中、江ノ電が街中を通る路面電車に変わったのにはちょっとした驚きと感動があった。自動車免許の学科試験で路面電車が走っている際の交通ルールを覚えさせられたな、そんなどうでもいいことを思い出した。
定番だが鎌倉では大仏を見た。学生時代、鎌倉の大仏はいいぞ。という話を先輩に聞かされていたので一度は見てみたかった。というか今自分が住んでるところからだと鎌倉まで一時間程度、しかも電車賃も往復1,500円とかからないのになんで四年近くも行かなかったんだろう。
青銅の青と空の青のコントラストが美しい。意外とでかい。直感的にしか物事を判断できないのでそれぐらいの感想しか浮かびませんでしたが。記念写真も撮りました。
せっかくなので大仏の中にも入った。三十円で入れる。三十円とは。
大仏の中ってなんか神聖な感じがするじゃないですか、母胎的なイメージとか、なんかそんなこと言いませんか。なんでなんとなく気が引き締まるというか毎度そんな思いが湧くんですけど。とはいえ結構な閉所で不安感が出たためすぐ退散した。
腹が減ったので近くの喫茶店でカレーを食って移動。喫茶店で同行者が醤油差しをひっくり返しひどい自己嫌悪に陥ってしまったのを僕がなだめるなどがあったけど旅のトラブルというのもこれまた一興。一興。はい。
移動して由比ヶ浜へ。前回そうやって浜辺を歩いたのは熱海に行った以来。もう多分一年ぐらい経つ。熱海の海はなんだか寂れたような感じがして地元の海を思い出したけど、それに比べて由比ヶ浜は光り輝く黄金のビーチって趣き。サーフィンやウィンドサーフィンをやっている人がちらほらいた。
風が強く、あまりにも寒すぎたので長居はできなかったけど、とてもいい波が見られてよかった。
藤沢に戻ってホテルにチェックイン。駅から少し離れてはいるが、出来てまだ一年とかのホテルでとても綺麗だった。部屋はそれほど広くないが、一泊2,300円にしては十分すぎる感じ。
荷物を置いて街へ繰り出す。何軒かハシゴして行き着いたおでん屋で飲んでいると、隣に座っていたおじさんに話しかけられて仲良くなって、その人の行きつけだというスナックに連れて行かれた。のだが、ちょうどその日は店貸切の同窓会が開かれていたらしく、それに申し訳ながら同席させていただくという形だった。
あまり昭和歌謡がわからん。昭和歌謡バーに通ってはいるが、自分は昭和歌謡について全然詳しくない。流れている曲をなんとなく覚えているだけで、それを誰が作詞作曲して歌っているのかほとんど知らない。そんなようなので同窓会をしているジジババ含め楽しめるような曲をひねり出すのに苦労した。まあ気にせずにと初めは好きな曲を歌ったらシラけたムードになったのでやはり忖度しなければならない。
横浜ホンキートンク・ブルースを試しに入れて絶唱したところ、そこは世代、しかも地元ということもあってか大盛り上がり、バーの店主とデュエットしたり、ババアと踊ったり。
連れてきてくれたおっさんは翌日も仕事だというので早々に切り上げた。結局カラオケ代や酒代を奢ってもらってありがたかった。
ホテルに帰って爆睡。コンタクトを外すのも忘れていた。途中目を覚ましてなんとか歯だけは磨いた。旅行先では眠れないことが多いんだけど、その日はしっかり眠れた。相変わらず睡眠が浅いので大量に夢を見たが…。もう夢を見るのも楽しくないくらい最近夢を見る量が多い。しかも悪夢ばかり。勘弁してくれ。
翌日は水族館や江ノ島に行ったのですが、とてもよかったのでそれは明日元気なら日記に書きたいと思う。
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