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休職三十三日目

二月六日。

最近買ったゲームに熱中しながら日々を過ごしていたらついつい書くのが遅くなってしまった江ノ島・鎌倉旅行の後編である。

二日目。チェックアウトの三十分前に目を覚まし、慌てて支度。ホテルを出て今日は江ノ島に行く予定だった。
江ノ島というと僕は山下清が絵を描いたぐらいしか思い浮かばないのだけど、鎌倉や由比ヶ浜の海岸が大層美しいものだったので、きっと江ノ島も素晴らしいロケーションなんだろうなと思いながらその日も江ノ電に乗った。平日午前中の江ノ電には大学生のカップルや高齢の観光客などがたくさん散見された。

駅を出ると小洒落た商店街?というのか一本道があってそれが真っ直ぐ海まで続いている。そろそろ昼飯時だったから何かこの辺りで食べてしまおうということになり天丼を食べた。僕は甲殻類アレルギーのためえび天を食うことができない、それで結局野菜かき揚げ丼を食べたのだけど、食べ終わってから、なんのゆかりもないな。せめてしらすかき揚げ丼とか、そっちにしておけばよかった。と思った。後の祭りですが…。

海辺に出ると長い橋が江ノ島まで伸びている。トンビが何匹も空を飛んでいて「ピューヒョロロロロロ」と鳴いていた。鴨川みたいだなと思った。トンビの部分だけ。
橋の上は風が強い。向かい風がビュービュー吹いてくる。同行者を盾にしながら風を避け江ノ島に上陸。僕は自分のそういうところが好きだ。島の入り口にはスーパー銭湯があって、入り口ではしらす入りのたこ焼きが売られていた。どこに行ってもしらすがある。

一本しか道がないのでその道を進んでいく。どうやら島の中心部に導かれているらしい。なんか多分神社とかがあるんやろと思っていたがやっぱり神社があった。とりあえず病気平癒を祈願しておく。健やかになりたい。社会復帰はしたくない。でもどうすれば…など考えながら祈りを捧げる。精神がよくない状態に入ってしまいそうだったので考えるのも祈るのもやめた。
参拝は済ませたが、しかし先にも道は続いていて、進むとキャンドルタワー?やなんやら色々あるそうだ。島を一周するのが定番のコースらしい。天気もいいしせっかくなので看板に従って進んでいく。ほとんど登り道、階段ばかりである。エスカーというエスカレーターを使えば楽にどんどん進めるのだけど、それには金がかかる。足で稼げる距離をなぜ金を払って進まなければいけないのか、私は吝嗇なので…。ひたすら階段を登り島の頂上を目指した。

島のてっぺんにはそのなんとかタワーがあった。登るには七百円がかかるらしい。七百円は一日の生活費に相当する。それに高いところに登ったところであたり一面の海が見渡せるだけで別にそんなものを見ても仕方がないのでは、と思ったので決して登ることはせず、近くにあった自動販売機でカルピスを買って飲んだ。乳酸菌はセロトニンを生み出すらしいから積極的に取り入れていきたい。
少し休憩をしてまた先へ。今度は下り坂。上まで来たから下るのだろう。相変わらずの一本道なのだけど、左右に商店や食事処が並んでいる。先ほど昼飯を食べたところだったので入りはしなかったが、どの店も展望席を設けているようだったので、腹に余裕があれば入ってみてもよかったなと思った。

そうやって歩いているうちに島の反対側に到着した。反対側は磯になっていてそこを歩くことができる。
冬の海だからなのか、ただ底が深いからなのか、もしくはプランクトンとかそういう問題があるのか、磯のへりから見る海は深い青と黒の中間のような色をしていたが、遠くの方は太陽の光を受けてきらきらと金色に光り輝いていた。
なぜだかわからないがとにかく風が強い。コートが風で翻ってポケットに入れているスマホが飛ばされそうになる。突き刺さるような風だったけど、なんだか心がスッとしたような心地がして良かった。これが整うというやつでしょうか。

もう十分満喫した、帰ろうとなったのだけど、帰るには来た道を戻るしかないらしい。そんなまさか。このまま元来たところへ戻るルートがあるのだと思っていたので衝撃だった。面倒くさいゲームと同じ構造じゃないか。と思いながら仕方がないので引き返した。

なんか思った以上に書くことが多い。だいぶ端折って印象的なところだけ書き残すようにしているつもりだがそれにしても長い。この後江ノ島水族館へ行ったのだがそこでの話も長い。なのでここで一旦切って元気が回復したら続きを書こうと思う。


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