ヒューマニストな理由
批評家から作家の揶揄を聞いたり、その逆もある。笑える時もあるし笑えない時もある。批評家と作家がしばしば互いに憎しみ合うのは銘銘の仕事をただ懸命にしているからだけであって、相手の懸命さなど考える余裕もないほどにただ自己中心的に懸命だからだ。それでよいのであって、互いに廃業に追い込むような真似などせずただ仕事をすればよい。それですべてまる。世界は平和である。僕は、批評家云々の前に人間への憎しみが自分の中から消えるためだけに、作家的カロリーを使う。だから僕はヒューマニストだ。愚痴で消費しない。僕の思考の中心は人間だ。人間にこの身を支配されている。だからこそ描く物語には人間以外を必要とする。