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遠のいた憲法改正、じわり広がる核への関心

忘れちゃいけない安全保障。
ロシアと北朝鮮が連携を深め、北朝鮮兵がまもなくウクライナ戦線に投入されるとか。
先日台湾を囲んで軍事演習という名の威嚇をし、我が国では領空侵犯をしてきた中国は経済が悪く、通り魔事件が多発している。

防衛力強化については安倍政権、菅政権、岸田政権と同じ方針を引き継ぎ、不安視された石破政権も大きな方針転換はしなさそうだ。
防衛力強化については岸田政権で予算の大幅増額を決定し、現在増強中である。
完璧だとは思わないが、この方針に異論はない。

防衛力強化は良いとして、残っているのが憲法改正。
岸田政権の後半ぐらいに機運が高まったが、吹き飛んでしまった。

憲法改正は衆議院、参議院で3分の2の賛成と、国民投票で過半数の賛成を得る必要がある。
先の衆院選で自民公明が惨敗し、憲法改正は難しくなった。

衆議院は465議席。憲法改正には3分2の310の賛成票が必要だ。
自民191+公明24で215。
維新38、国民民主28、参政3、保守3を足しても287。
無所属が12だが、全部足しても299と、310に届かない。

れいわ9、共産8、社民1は賛成しない。
立民148。立民の中には隠れ改憲派もいると言われるが、簡単に表立って行動することはない。

立民は「憲法改正に一切反対ではない」との立場だが、本音は改正に賛成する気はない。
憲法改正に反対というより、憲法9条改正に反対なのだ。れいわ、共産、社民も同じだ。

憲法とは、その国の基本的な形である。つまり国体(國體)である。
その国の最高法規であり、権力を縛るものと説明されることが多く、それも大きな要素なのだが、もっとも重要なのは国体(國體)である。
「自分たちの国がどんな国なのか」をもとに基本となるルールを憲法典として定める。

現行の日本国憲法は土台をGHQ(ほぼアメリカ)が作ったもので、いつか改正する前提で作られたものだ。
なので「自分たちの憲法にしよう」という「自主憲法制定」が本来の目標だった。

しかし、部分的な改正すらできないまま70年以上経ってしまった。
自主憲法制定が本来の目標なのだが、憲法改正への関心が高まらない中、現在それをするのは難しい。

ゆえに、問題のある部分をまず改正しようという話になっている。
まず憲法9条。
1項の戦争の放棄はまあ良い。私は「侵略戦争の放棄」とすべきと思うが。
2項、戦力の不保持と交戦権の否定。
「戦力の不保持」と聞くと、自衛隊はどうなるんだという話になる。
解釈で「自衛隊は違憲ではない」ということになっているが、違憲論は根強い。
この違憲状態を解消しようというので、「自衛隊明記」を書き加えようというのが今のところの方針である。

私は憲法9条は全削除で良いと思っているが、無理だろう。
1項は「侵略戦争の放棄」とし、2項は全削除。

自衛隊は現状、戦力ではない、軍ではないということになっている。
自衛隊は行政組織であり、「警察の延長」と言われたりする。

軍と警察の違いは、軍は「これとこれはしてはいけない、それ以外は国を守るために何をしても良い」という「ネガティブリスト」である。
警察は「これとこれはして良い。書いてあること以外はしてはいけない」という「ポジティブリスト」である。

自衛隊は軍ではなく、警察と同じポジティブリストで行動が制約されている。
有事となったとき、この状態では満足に戦えない可能性がある。
なので私は、憲法9条2項を全削除し、自衛隊を軍とすべきとの立場である。

だが、今はできない。
立民は「自衛隊明記」にすら反対しており、9条2項の削除は公明党の反対でできない。

自衛隊明記は次の参院選で自民党が議席を減らさず、次の衆院選で自民党が議席数を取り返せば可能だが、いつになるかはわからない。

9条2項の削除は公明党がネックになる。
自民党は公明党の協力なくして選挙ができない。
得票が2割ほど違うと言われており、公明党の協力がないと大幅に議席を減らすと言われている。
ただ、その公明党も今回得票が600万を割り、党勢が衰えつつある。
今後もじわじわと落ちていくと思われるが、まだ公明党を切るのは無理だろう。

なんにせよ、憲法改正は遠のいた。
数年は無理だろう。
自衛隊明記と緊急事態条項のみでの改正では寂しいと思っていたし、仕切り直しかな。

憲法は国の形、国体(國體)であり、本来であれば初等教育で教えるべきことである。
皇室のこともそうだが、日本国の根幹に関わる重大事である。
理想を言えば、静かに丁寧に議論し、国民の大半の賛成を得て改正したいところだ。

続いて核。
核への関心がじわりと広がっていると感じる。
そりゃそうだ。
北朝鮮はミサイルを飛ばし、ロシアは侵略戦争をし、中国も威嚇や迷惑行為を続けている。
今まで考えてこなかったツケではあるのだが、いきなり「危機が迫っている!」「増税するぞ!理解しろ!」なんて言われても焦ってしまうだろう。
「だったら核持ったほうが楽じゃね?」となるのが普通だ。

リアルで話していても反応は割れる。
「核持ったほうが良いんじゃね?」という人と
「やっぱり核はダメ」という人がいる。
肌感覚だと3:7で「ダメ派」が多い気がするが、今後割合は変化する可能性がある。

中国が核弾頭を増産しており、中露の核弾頭数がアメリカの核弾頭数を上回る状態になりそうだ。
北朝鮮も近く核実験をする可能性があり、核廃絶を叫んでいれば良い時代は終わった。
現実にまた核が落とされるリスクを想定する時代となったのだ。

核攻撃を防ぐには核攻撃をしたときの代償を敵に想定させることだ。
生半可な代償では止められない。
現状、核を抑止するものは核しかない。
日本は核を持っておらず、独自で保有するハードルはかなり高い。
アメリカの核を持ち込んで抑止力を利かせるか、アメリカと核を共有するか。
なんにせよ、核について何も考えないわけにはいかない。
目の前に迫ってからでは遅いのだ。
かつての広島・長崎をまた起こしてはならない。
かつては議論すらタブーと言われたが、そこは変わった。

今ホットな話題ではないが、ふと思って書いてみた。
守るものが多い既成政党では言い出しづらいだろう。
ここは青いイナズマ、日本保守党の出番かもしれない。

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