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師匠湯川博士とのファーストコンタクト(3)
前回は将棋会館大広間で宴会が始まる前までを書いた。大広間は、こんな感じだ。
これは、その後幹事になり、交流会の日の早朝に撮った1枚だ。ここにまず幹事の座るテーブルを置く。
これは交流会ではなく、将棋ペンクラブ大賞第2次選考会での1枚だが、だいたいこんな感じ。幹事などというと厳かな響きがあるが、将ペンでの幹事は雑用係なので、動きやすく幅をとってある。あと、床の間に景品を並べるので、交流会ではもうちょっと前に出す。景品は棋士の方々から送られてくる色紙や著作、扇子などだ。三浦九段からは、「名人挑戦者」と書かれた異色の扇子が贈られてきたこともある。ちょうど挑戦者だったので、こちらの希望で快く記してくれたのだ。
そしてこれを前面に置いて、そこからうしろへと次々盤駒と座布団を並べていくのだ。毎回朝10時スタートなので、幹事は設営で9時に集合している。
ぼくはなんとなく、交流会が始まる前の静けさが好きだ。ただ湯川さんが早朝から来ると(湯川さんは買い出しをするので、例年昼近くに来ることが多い)、喋りまくるので静けさが吹き飛んでしまう。
前回の記事はこちら。
話を初参加のときのことに戻し、ぼくが酒を配っているうちに1勝の人たちが呼ばれ始め、そしてぼくの順番になった。前に出て、当たり障りなく自己紹介した。初参加だったので湯川さんの合いの手も、これまた当たり障りのないものだった。これはまぁ、ファーストコンタクトとまでは言えないだろう。
ぼくはぐるりと見まわし、だいたい同じ年齢の人が2人並んでいる場所に陣取った。缶の酒類を皆が手にして、乾杯となった。ぼくのとなりの人はアルコールがダメなようで、ウーロン茶だった。なるほど、ではこの人は将棋が目的で来たわけか、と思った。
将棋雑誌の紙面でしか見たことのない対局場所が、こんな宴会場になっていることに正直おどろいた。しかし誰一人、そんなことを口にしていない。毎年参加している顔触れらしく、なんとも思っていないのだ。たしかに、初参加は少なそうだった。みんな名札を胸に付けていて、初参加の人はそれが手書きなので区別できた。どこを見まわしても、その名札がちゃんと印刷されたものだった。
男女の比率は9:1といったところ。いや、9.5:0.5、といったところだろう。せっかく参加したのだからだれか著名な人と話してみたい。著作をたくさん読んでいた湯川博士さんや、女流アマ棋戦で有名な湯川恵子さん、そして木村弁護士。だけどきっかけもなく、飲みながら、周囲の将棋話に相槌を打っているだけだった。
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