エンジニア向けの採用ストーリーブックの内容
こんにちは!ポペヌです。
今回はエンジニア向けの採用ストーリーブックの内容についてまとめていきたいと思います。人事の方から「なにを伝えればいいかわからない」という声をよくお聞きしますが、求人票などに記載する内容に困っているような状態ですと、エンジニア向けの採用ストーリーブックを作る余裕なんてないよ!と言われる方もいらっしゃると思います。
ですが今回まとめて率直に感じたのですが、先にエンジニア向けの採用ストーリーブックを作成しても良いのかもと思いました。
そう感じた理由も織り交ぜて解説させていただきますので、お付き合いください。
こんな方に読んでいただきたい
1.採用ストーリーブックとは
そもそも採用ストーリーブックとはなんだ?という点ですが、ここ最近「すごい人事」トレンド情報局で取り上げている「応募」時点の「興味喚起」のために使う資料や「一連の採用体験」を通して「内発的動機」で入社してもらうために使う資料などを指します。
ちなみにピッチ資料や紹介資料など様々な呼び方があるかと思いますが、Crepeでは想いや活用方法の違い含めて採用ストーリーブックと呼ばせていただいております!
採用ストーリーブックについては今までまとめておりますので、以下のnoteをご覧ください。
2.情報を伝える手段
まずはエンジニアの候補者様に情報を伝える手段・機会について考えていき、採用ストーリーブックを活用することでの差別化について考えていきます。
認知・興味喚起フェーズ
・SNS
Twitterを中心に社長や人事の方が情報発信していますね。
求人の内容だけでなく、日常や趣味?など人柄が理解できる投稿も多いです。手軽に始められることもあり、普及率も相当高い印象を受けます。
ちなみにCrepeはLinkedin経由で採用をおこなっているのでご連絡お待ちしています!
https://www.linkedin.com/company/crepe
・広報に特化した採用媒体
Wantedlyや最近ではYOUTRUSTなどが流行っております。
社員紹介や仕事内容の紹介など、会社の雰囲気を伝えやすいのが特徴です。また、上記のTwitterなどのネタとしても使いやすく、相性が良いのも特徴です。
・Techブログ(社員ブログ)
エンジニア社員が自社の開発環境や手法についてまとめているブログです。デベロッパーブログと言われることもありますね。内容次第では多くのエンジニアが参考にするために閲覧しますので、採用につながる可能性を秘めている手法です。
・説明会やイベント
人材企業の合同説明会やCONNPASSなどを使用して自社の説明会や勉強会などのイベントを会社や部署単位で実施されている会社もあります。後者はメガベンチャーなどでは実施している会社が多いですが、知名度の乏しいベンチャー企業では人が集まりにくいので、挫折する会社が多い印象です。
・カジュアル面談
SNSや最近ではMeetyなどを経由してカジュアル面談を実施している会社も増えています。今までのカジュアル面談との違いは候補者側が話したい人を選べるという点です。従来はスカウトが送られてきて人事とのカジュアル面談という名の面接という対応が多かったのが実情ですが、候補者側が選ぶことで現場の方と直接お話ができるようになっています。
応募・選考フェーズ
・求人票
興味を持った後で応募する前に正確な情報を把握するために候補者様が見る情報になります。仕事内容だけでなく、待遇面もしっかりと記載をしないといけないため、興味喚起できたとしてもこのフェーズで選考を見送る方が出てきます。基本的にはHPの求人内容を見ることが多い気がします。
・スカウトメール
求人媒体に登録している方に送付するスカウト文の中に、会社概要や仕事内容の情報を盛り込んで働くイメージをダイレクトに感じて頂く必要があります。エンジニアの方には多くのスカウトが送られているので、埋もれがちになり、読んでいただくことが難しい傾向があります。また、自社のことだけでなく、候補者様のプロフィールなどに触れた情報を盛り込んだ内容でないと返信いただけない傾向にあります。
内定後フェーズ
・オファーレター(労働条件通知書)
内定後にお出しする条件面などを中心に、お任せする仕事内容などを記載した書類です。最近では社長の手紙などを添える企業などもあり、内定後は人数が多くないこともあり、様々な工夫をしている企業が増えています。
・オファー面談
個人的には人の意思決定に影響を与えたくないのですごく苦手なオファー面談なのですが、とにかく良いことだけを言う人事の方が一定数いらっしゃるイメージがあります。本来は選考過程で生じた疑問の払拭や働くイメージを固めて頂く場所ですので、良くない企業情報も赤裸々に語るべきだと思います。
この段階で上手い情報提供ができている事例ですが、今まで携わらせていただいた会社様の中ではオファー面談で分析レポートを提出している企業がありました。内容としては候補者様の描きたいキャリア像に対して自社が提供できること・提供できないなどをまとめて、キャリア設計にどのような影響を与えるかをまとめたレポートを提出していました。
このようにフェーズごとにある程度提供できる手法と内容というのが固定化されている印象を受けます。
これらをふまえて採用ストーリーブックはどのタイミングで使えるかという点ですが、アレンジ次第で全てで使えます!
前回のnoteで採用広報と採用狭報について書いていて、ここでストーリーブックの使い道についても記載させていただいておりますので、詳しくはこちらを読んでほしいのですが、本当に柔軟性が高く使いまわしし放題です!
ですので、ボリュームのある内容の採用ストーリーブックを一度作成して、カスタマイズできる状態を作り出せれば手軽に
SNSで拡散することもでき
カジュアル面談後に送ることもでき
スカウト文は絞った情報だけにしてURLを貼り付けることもでき
オファー面談の分析レポートに「事業内容がこうだから、こういうスキルを得る経験できるよ」という理解へのサポートや根拠に使うこともできます。採用業界のユーティリティプレイヤーなわけです。
ここまでは、前回のおさらいのような感じでしたが、次章からは本題のエンジニア向けの採用ストーリーブックについて解説に入ります。
3.エンジニアが求めている情報
ここまで散々採用ストーリーブックすごいよ~という宣伝でしたが、ちゃんと本題に入ります。
実は2年程前に僕もエンジニア向けの採用ストーリーブックを作成しようとして内容に困った経験があります。
その際に記載する候補として考えた内容一覧が下記になります。
悩むのが嫌いですので、自社のエンジニア150人を対象にアンケートをした際の結果が以下になります。
※僕の所属する会社のアンケートになっていますので、世間一般とは乖離がある可能性はご理解ください。
やはり開発環境やプロダクトについてはほぼ全員が気になっており、給与や評価制度なども大事にしている人が多い結果でした。
また、若い方ほど社長のお言葉や沿革などには興味がない傾向があり、年を重ねるごとに人や独自文化などには興味を示さない傾向が出ていました。
ですが、フリーコメント欄には
・取捨選択したけど、あれば読みます
・興味なくても記載してあったら目は通すと思います
というコメントが比較的見受けられ、最後の「ちゃんと読むから全部」選択肢を選んでいる方が多いという点からも情報量への抵抗は少ない印象を受けました。
また、これら以外に「記載するべき!」とコメント欄にいただいた内容ですと、
・プロダクト構築において、こだわっている部分
・ジョブローテーションや開発するサービスを変えることができるのか
・現状の開発部門に足りない要素(人材)と要因
・OSS活動などへの許容度
・自社独自のフレームワーク(言える範囲で)
というような要素も気になるという意見があります。
少しニッチな内容も含まれていますが、OSSなどは若い方が内定後に聞いてくださることがよくあるので、気にしている方も結構な数いるのかもしれませんし、実際に採用ストーリーブックだけでなく、求人票にも記載しているのは見たことないかもしれません。
ということで、エンジニアの候補者様向けには量は多くていいが開発環境を中心に抜けもれなく記載することが正解ということになりました。
イメージとしては採用ストーリーブックをみれば「他の資料を見ないでもいい状態」にすること、そして「承諾時にはかなりの解像度で働くイメージを想起できている状態」「入社に向けて内発的動機でのマインドセットができている状態」を目指せると良いかと思います。
4.参考になる会社
最後にエンジニア向けに採用ストーリーブックを作成している会社さんの中から参考にしたい会社さんを紹介していきたいと思います。
株式会社はてな さん
※株式会社はてなエンジニア採用資料より
はてなブログやはてなブックマークでおなじみの会社です。
※僕はいつもお世話になっています。ありがとうございますほんとに。
想像以上に多くの会社とタイアップした実績があり、驚きもある内容になっています。
内容については全体通して画像やグラフを用いて視覚的に分かりやすく、落ち着いた社風を匂わせる構成になっている気がします。
注目すべきは文化についてのまとめ方です。
一つの文化につき1ページで紹介をしており、非常に分かりやすくシンプルにまとめてあります。
BASE株式会社 さん
※BASE株式会社エンジニア向け会社紹介資料
香取慎吾さんでお馴染みの誰でもネットショップを作れるサービスBASEを中心にショッピングや資金関連で事業を展開している会社です。
内容ですが、開発の進め方というページから開発者が作成したんだろうなと思えるくらい解像度の高い内容になっています。※違っていたらすみません...
前半のサービス紹介などは写真や画像メインで誰でも分かりやすくという感じですが、後半の開発関連になったら怒涛の文字メインです。
ですが非常に読みやすい配置構成になっており、すごく理解しやすい内容となっています。
また、エンジニア向けということでスマホで見ることは想定しないと思われる文字サイズがあったりと、エンジニア向けの資料になっている印象を強く受けます。
株式会社iCARE さん
※iCARE 会社説明/エンジニア・デザイナー編より
健康管理システムCarelyを提供している会社です。
健康経営という言葉を耳にするようになりましたが、それを代表するようなサービスで、採用よりは労務の方がお世話になっているサービスですね。
採用ストーリーブックについてですが、若手向けの内容として非常に良いなと感じましたので、ピックアップさせていただきました。
特徴ですが、短い・写真/画像メインで評価制度などはないのですが、とにかく社風が前面に出ています。使う場面を「SNSに載せてカジュアル面談に誘導する」などと想定しているのであれば非常に有効な採用ストーリーブックだと思いました。
変わり種
最後に僕が感銘を受けた採用ストーリーブックの使い方を紹介したいと思います。思いっきり他社のサービスなので怒られそうですが、いってみましょう!
※kiitok review 【DMM.com CTO室】より
DMMさんを特集しているのですが、よくある社員座談会を採用ストーリーブックのページを使って伝えたいことを伝えています。
これすごい面白いな!と思いまして勝手に取り上げさせていただきました。ちなみにこれと同じような内容を、僕は自社の内定者にしか紹介していないサイトに様々なジャンルを作成して紹介していたりします。
他社サービスなのでこれ以上のコメントは控えます!(笑)
まとめ
今回は採用ストーリーブックのエンジニア向けという事でまとめを作成させていただきました。極論全部書け!ということですが、一番大変なのは誰が作るの?問題ですので、もし作成が難しい際はお問い合わせください!