教育エビデンス:授業内でのアートの活用
音楽や美術の授業は楽しみでしたか?芸術系の科目は、感性を磨き創造性を育むなど人生を豊にするために大切ですが、受験科目の勉強で忙しい学年になると優先順位を下げられやすいですよね。では、果たして国語や算数といった主要科目に芸術活動を取り込むと成績にはどのような効果があるのでしょうか?今回は、芸術活動の成績への効果について80個の論文を分析した論文をご紹介します。
結論
芸術活動介入とは、
ダンス、演劇、音楽、絵画、彫刻などの芸術的および創造的な活動への参加
カリキュラムの一部、または課外活動として導入
例)国語の授業で演劇を導入する
次の3つを含むことが多い
創造的なスキルとテクニックについての指導
生徒が練習し、自分の強みを振り返り、改善すべき領域を特定する機会
材料、設備、課外活動、文化体験へのアクセス
芸術活動介入には中程度のポジティブな効果がある。
平均してプラスの影響(+3か月)がある
小学校と中学校で同程度の効果がある
リーディングよりもライティングや数学に効果がある
実験デザイン
イギリスのEEFが成績別グループワークの効果に関する先行研究の80個の平均的な影響を分析した。
結果、中程度のポジティブな効果があった。
エビデンスレベル:複数の研究の平均
編集後記
アメリカでアートを積極的に学びに取り入れいている学校を訪問したことがあります。文章をただ読むだけでなく演劇などを通じて表現する、数学の公式をただ理解するだけでなく数式を使いコンピューターグラフィックを描いてみると学びが深まるだろうなと感じました。科目の大切さを決めるのは成績に効果があるかどうかだけでは決してないと思いますが、アートを取り入れた授業は教える方も学ぶ方も楽しそうなので成績にも効果があるというのはお得ですね。
文責:識名 由佳
EEF (2021) Arts participationt. Retrieved July 5, 2022, from
https://educationendowmentfoundation.org.uk/education-evidence/teaching-learning-toolkit/arts-participation