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不登校・中退の予防

ここまでのエビデンスシリーズでは、「◯◯は成績向上に効果があるのか?」について書いていましたが、今回からはしばらく「△△の改善に効果があったプログラム」について主にジョンズホプキンズ大学の研究所の調査結果を参考にしながらご紹介します。

キーテーマ


中退防止・実験 

結論

アメリカで実施された中退防止プログラムのうち以下の4つについては強いエビデンスが認められている。

  • Early Warning Intervention and Monitoring System (EWIMS) 高校

    • データを使ってリスクのある生徒を早期に発見するシステム

  • EveryDay Intervention(旧InClass Today、EveryDay Labs)幼児〜高校

    • 保護者に出席状況をハガキで届けるプログラム

  • ポジティブ・アクション - Attendance 幼児〜中学校

    • 学校の環境と生徒のソーシャルエモーショナルスキルを向上させるための学校全体の改革

  • Future Forward Literacy - Attendance 幼児〜小2

    • 1対1の個別指導と家族への働きかけを統合した早期識字能力育成プログラム

以下の4つについては強いエビデンスとまではいえないが、将来有望である。

  • Absenteeism and Truancy: Interventions and Universal Procedures (ATI-UP) 幼児〜小6

    • 出席率向上のための多層的なアプローチ

  • Talent Development High School (TDHS)- Attendance 高校

    • 都市部の学校の9年生を対象とした包括的なアプローチ

  • SaferSanerSchools Whole-School Change 幼児〜高校

    • 修復的実践のための包括的アプローチ

  • Second Step - Attendance 小1〜2

    • 暴力防止プログラム

実験デザイン

ジョンズホプキンズ大学の研究所が不登校・中退の予防を目的とし、効果測定が実施された複数のプログラムを分析し、強いエビデンスがあると認められたものを選定した。
エビデンスレベル:ランダム化比較試験

編集後記

人種問題や暴力などアメリカと日本では中退や不登校を誘発する原因や社会問題の構造が異なるため、これらのプログラムが必ず日本でも効果があるとまでは言えません。それでも、生徒の行動データを使ってハイリスクな生徒を早期発見&ケアする、保護者を巻き込む、包括的なアプローチに効果があったというのはどこの国にとっても参考になる結果ではないかと思いました。それぞれのプログラムにリンクをつけているので具体的にどんな内容なのか気になる方はぜひ参照ください。

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文責:識名 由佳 

 Attendance | Evidence For ESSA.  Retrieved July 26, 2022, from https://www.evidenceforessa.org/programs/attendance


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