ファジアーノ岡山クロニクル3「共に歩んだ歴史的な一歩~夢の舞台へ~」JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 プレーオフ vs京都サンガF.C.U-18
1、今回の編年史は?
今回のクロニクルでは、2週間前に、ファジアーノ岡山U-18が挑戦した「JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 プレーオフ」の挑戦の記録を、写真をメインで、振り返ります。
クラブとしてアカデミーの選手が、歴史的な一歩を歩んだ試合を生観戦できた感動を皆さんに少しでも届けて、共有したいという気持ちと、私が感じたこの試合を1つの挑戦の記録として、クロニクルとして残したいという想いから作成しました。
アディショナルタイムでは、観光の様子も紹介させていただこうと思っていますので、そちらを含めて、よろしくお願いいたします。
2、迫る戦いの刻
新スタジアムができるので、最後になるかもしれないエディオンスタジアムでの観戦。トップチームの試合ではないが、ここでのサンフレッチェの広島の試合の様子を想像しながら、ここを歩き、スタジアムへと歩みを進めた。
金曜日の試合も少数精鋭で後押ししたサポーターと共に戦ったファジアーノ岡山U-18の選手の頑張りにより、この日を迎えることができた。周りをみても、J1のユースチームなどの伝統のあるクラブ名や冬の高校選手権でもよく目にする古豪や名門高校ばかりの名前がそこには、多かった。
この先により高いレベルの選手達と、ファジアーノ岡山U-18のが戦える最高峰の舞台がある。そう考えると、気持ちはより高ぶった。
バックスタンドにあった岡山のビックフラッグ。トップチームの公式戦のように、バックスタンドを埋めるだけのサポーターの数こそいないが、アカデミーの選手達からすれば、非常に心強ったみたいです。
そして、サポーターは、結集するという意味で、もしくは、そういったルールだったかもしれないが、メインに集合することで、少しでも一体感や声量を出せるように、結集していた。
こういった若い世代では、こういったメンタル的な弱さを含めて、自分達の未熟さと、どう向き合うかが問われる。こういった儀式というかルーティンを取り入れることで、気持ちや集中力を高めて、自分達のベストの状態へと近づける。こういった辺りからも、京都の強さを感じて、難しい試合になるだろうと感じられた。
岡山にも京都と同じように、勝利のためのルーティンがあるのかなと?思いつつ見守っていたが、特段変わったことはなく、どちらかと言えば、いつも通りにすることで、自然体でプレーすることを意識していたようだ。この違いを両チームの試合内容からスタイルの違いとして現れる。
岡山は、試合開始直前であったが、京都は、1時間前から応援を続けていた。この辺りの選手だけではなく、サポーターの方針の違いは、興味深かった。アウェイの試合や試合のカードによって、発見があるのもサッカー観戦の醍醐味である。いよいよ決戦の刻が迫る。
3、激闘の90分間
影の関係で見難いが、決戦の時がいよいよ始まる。それにしてもエディオンスタジアムは、サンフレッチェ広島のホームという事もあり、紫色のカラーがとても印象的である。
京都の練習着は、赤色だったようだが、試合では、岡山が、ホームカラーの赤で、京都はアウェイカラーの白色だった。どうやら5番の選手を怪我か出場停止で、臨むこととなったようだ。想いを1つに戦かうという自信に満ち溢れた選手達。ここから何人の選手が、トップチームでプレーすることとなるのだろう。
なんと京都側の選手も5番の選手が、欠場していたようだ。偶然とはいえ、驚きではあった。恐らく、両チームの5番のCBかとは思いますが、体を張って守る選手というイメージが強いですし、そういった中での負傷か出場停止であった事が想像できます。京都の選手も良い表情をしていて、流石にこの舞台まで来たチームという印象を抱いた。
前半での早い時間帯に先制できて、歓喜の岡山イレブン。この時間帯は、両チーム互角と言える時間帯で、お互いに良いプレーを出せていた。岡山は、前線の個の力やアイデア、連携、そして粘り強い守備を武器に戦っていた。
京都は、全体的に高いフィジカルレベルをより活かす基礎技術の高さが合わさった総合力の高いサッカーで、岡山のゴールに迫っていた。やや京都が押し気味に進めていたようにも感じた試合内容だったけに大きい先制点であった。
岡山の選手にとては、時間帯も早かった事で、まだまだ高い集中力と次へに向けての気持ちも強かった。
一方で、京都は、時間帯が早かった事もあり、ボールセットよりも気持ちをリセットする立て直すことを重視していたことを感じられる。
この写真で、先制点が、前半の15分ぐらいであったことが改めて確認できる。そして、そこに大きな岡山の1点という数字が見える。この時は、1点こそ入ったが、内容を考えてもスコアが動く可能性も十分あると感じていた。
実際に、京都の仕掛けで、岡山の選手がペナルティエリアで、ファールで、PKになる可能性もあったシーンもあった中で、明らかなファールと言えるシーンでなかった事で、PKを免れた。こういった試合では、笛の持つ意味は大きく、その辺りのジャッジには、慎重な方であったことは、幸いであった。
それだけ京都が押し込んでいて、岡山としてもギリギリの所で踏ん張っていた試合でもあった。
全てを出し切って戦いきらないと勝利へとは届かない。リザーブ選手のプレーは、後半に問われる場面は、きっとくる。
このロングスローによって、岡山が、なかなか京都の攻撃を断ち切れない時間帯が続いた。粘り強く跳ね返したり、クリアすることで、粘っていたが、クリアが浅かったり、サイドに逃げた場合は、ずっと京都の攻撃となってしまっていた。
ただ、結果的に、この足を止めている時間帯が多くあったことで、岡山も気持ちを落ち着かせたり、体力を温存することができた。もし、オンプレーを90分間続けていた場合は、両チームのプレー強度も高かった事もあり、よりオープンな展開になった可能性もある。
結果的にそれが、1-0で勝利出来た勝因にこそなったが、このロングスローやこのロングスローで京都が得たCKなどで、京都の決定機もあったので、あくまで、それは結果論ではある。それだけ京都のロングスローは、守る岡山には、脅威であった。
もし、後半頭のGKとの1対1を決めていれば、より急いだ京都の攻撃で、オープンになった可能性もあり、1つ1つのプレーが、勝負を分ける。そういったサッカーの奥深さや魅力、怖さなどを感じた90分間であった。
本当に激闘の中の激闘であった。岡山の前線の個で戦える選手が下がった中で、伝統と歴史のある京都の選手層は厚く、今年こそ結果を残しているファジアーノ岡山U-18ではあるが、急に強くなることはなく、総合力ではやはり京都の方が上に感じた。
ただ、悲願のプレミア昇格に向けて、最後まで気持ちを切らさなかった。前半の前線の選手のように1人で深い所まで、運ぶだけではなく、侵入したり収めたりこそできなかったが、後少しでチャンスというシーンも作れていた。
こうした選手の個の劣勢をチームとして適度な距離感を維持することで、挟み込んで奪う守備や連続したハイプレスを90分間続けることを意識してプレーした事で、少しでも岡山の守勢に回る時間を少なくして、1点守ることができたのであれば、それは、やはりそういった選手の頑張りが報われたと言える。
しかしながら、前半のように個で収めて連動する個の力やチームとしてフォローする後方の援護という観点で、後方のフォローが減る中で、全力疾走に近いハイプレスを単独仕掛ける途中出場の選手のハードワークに、ファジアーノ岡山らしさを感じた。
そのらしさで掴んだ、プレミアへの昇格。今年で卒業する先輩達が、残したプレミアという舞台で、トップチームから受け継がれるファジアーノ岡山らしさで、最高の舞台で戦えると思うと、とても嬉しい。
心からおめでとうと伝えたい。
4、歓喜と余韻
ベンチで京都の猛攻を受けるピッチの選手たちに声をかけて、見守り、信じて、祈って願った選手達が、試合終了の笛を聞き、ピッチへと飛び出す。喜びを抑えられない。その時が、やってきた。よく見ると、何故かピッチ中央で、横になって喜ぶ控えの選手の姿もある。
そして、これが、個人的に、私の中で、この試合のベストショット。9番と18番のギブスを付けた選手が向かうのは、一番にベンチに向かって行こうとした選手。喜びは、戦ったみんなで分かち合いたい。そういった気持ちが一番よく分かる一枚であり、そして、この試合で、勝ったという事実を改めて実感できた一枚であった。
喜びを分かち合うファジアーノ岡山U-18の選手の近くで、起き上がれない京都の選手も多く、悔しさがそこから感じ取れる。岡山の選手も足が痙攣していた選手がいて、足を伸ばしている。「走る」という面では、スタミナ温存できたロングスローがあった半面で「跳ぶ」回数は、かなり多かった。そういった意味では、DFの選手ほど、かなりのスタミナの消耗があったはずだ。
また攻める京都も人数をかけた後のカウンターや守備対応で、戻る回数も時間が進む事に回数や時間帯こそ少なくなったが、攻撃から守備に切り替える事や攻撃に体力を割いたことから、相当なフィジカル的にもメンタル的にも消耗していたはずだ。
両チームの選手における立場や気持ちで、今後忘れられない試合になったことは間違いない。この中から何人かは、プロになる選手が出て来ても不思議ではなく、この経験は、どちらの立場でも大きな意味を持つこととなるだろう。
もしかすると、大学やプロ、社会人の場でチームメートや同僚になるかもしれない。それこそ、この経験をどう繋げるかは、その選手1人1人次第である。そういった大きな意味を持つ試合の後は、厳しい世界だが、勝者と敗者という立場の違いが突きつけられる。
この写真では、立っているだけだが、喜ぶ選手が多い中で、最後まで戦いきった京都のU-18の選手の健闘を称えて、声をかけていた2選手。それでもやはり、立てない選手や、なかなか顔をあげられない選手もまだいる。
岡山も逆の立場であれば、そうなったことは間違いない。嫌がられるかもしれないが、そういった気持ちを受け止められる選手、受け止めたいいうリスペクトの気持ち。そして、味方選手と喜びを分かち合いたい選手。
そういった経験や判断は、その時にピッチにいる選手にはしかできない。そして、実際に戦った両チームにしか分からない気持ちもある。
寄り添っても理解しきれない気持ちもある。だからこそ、この年代では、勝敗やプレミアだけではなく、大人への階段の一歩として、こういった経験は、両チームの選手の成長への糧となる貴重な経験となることは間違いない。
試合後の感動で、バタバタしていた事もあり、一枚に収められなかったが、全選手がしっかり挨拶してくれました。こうした年代では、繰り返しになるが、仕事ではなく教育という観点もある。
こういった姿勢や習慣というのは、日本のサッカー界の良い所ではあると思いますし、そういった光景が、こういった高校生という年代までもしっかり徹底していくことで、チームのために走れる選手や味方選手や対戦するチームへの選手への思いやる気持ちを育むことに繋がる。
深々と下げて、対戦クラブである私達へ、どういった気持ちで感謝の気持ちを伝えるために礼をしてくれているか考えると、胸が締め付けられるものがある。
そうです。ファジアーノ岡山U-18の選手達が勝ったんです。時間の針が、後半の終了と試合終了の時であることを示している記録。
こうして腕を組み応援に来た人と一緒に喜ぶ。サッカーを愛する人からする光景では、この日はより嬉しく、特別であった。選手にとっては、よりそうであるし、彼がみた客席の様子をどう感じたのであろうか。
同じシーンの写真だが、時間軸の違いで、印象も少し変わってくる不思議。
改めて、おめでとう伝えたい。
プレミアへと線が繋がった。ファジアーノ岡山U-18が、クラブ史上初の快挙であるプレミア昇格を成し遂げたのだ。本当に歴史的な日を目にする事ができて、嬉しい。
5、言葉で振り返る激闘
・ファジアーノ岡山U-18
一番感じることは、粘り強い守備がとても印象的でした。そして、全選手がハードワークできて、とても献身的な姿勢も印象的でした。
そして、ファジアーノ岡山の下部組織とトップチームのJ2からの歩みの期間は近く、見方によっては、年が近い兄弟と言えるかもしれないという気持ちを同時に抱いた。
岡山が、JFL→J2で、長く戦って来た中で、強くなってきたように、ファジアーノ岡山のアカデミーで戦って来た選手達も、同じように歩んで来た。
ファジアーノ岡山らしさと同じ、プレースタイルに、前線で個の違いを出せる選手が育って来ていて、自由な発想のプレーを堂々と選択できる選手もいる。
ここを観た時に、確かにプロとアカデミーの選手と違いやそれぞれに進路へと巣立っていく選手もいる中でも、アカデミーの選手にもしっかり岡山らしさが根付いている。
ファジアーノ岡山というクラブが、トップチームの強化だけではなく、子供たちへのスポーツをする場をサッカーであるか問わず整えることで、スポーツが身近な存在に、そして、ファジアーノ岡山というクラブが身近な存在へとなっている。
こういった積み重ねで、今のトップチームとアカデミーの成長と歩みがあるのだと感じた。
そして、一番に感じたことは、アカデミーの選手達もトップチームの試合をよく見て、そこに夢を抱き、歩んで来た選手が多いという事を、U-18の選手たちのプレーをみて、感じ取ることができた。
来季のプレミアというハイレベルなリーグの中で、どういった結果を先輩達抜きで残せるか分からないが、この選手達、2年生以下の選手達もまた、トップチームやアカデミーの先輩の方々の姿を観て、想いを継承してきてくれている。
どういった結果となっても、この試合の対戦チームの京都の選手のように、前を向き、立ち上がって、前に一歩ずつ進んでくれると信じています。
・京都サンガF.C. U-18
率直に言って、かなり強かったです。ユース選手権でも、負けていましたし、内容を考えても岡山が勝てたことを奇跡と表現しても良いぐらいかもしれません。
それだけに当事者である京都の選手や監督、サポーターは、相当悔しかったことは間違いなく、決定機もあった中で決めきれなかった選手や1つ1つのプレーが、昨日事にように思い出されるぐらいショックを受けた敗戦かもしれません。
それこそ、これから歩んでいく人生において、忘れられない経験の1つになったかもしれません。筆者である私自身もそういった経験もありますし、そこを変えることは、今を生きて前に進む私たちの誰もがかえることはできません。
そして、90分間通して、11人の全選手のレベルが高く、岡山の守備網を何度も突破して、ゴールに迫り押し込んだ前半。後半は、1点返すために、追加点を奪われても不思議ではない場面でも個と組織の両面で、防ぎ切ったプレーの数々。
更に岡山の選手を消耗させて追い込んだ、ロングスローを絡めた迫力と高さがあるセットプレーでの攻撃。
そういったフィジカルを売りとした攻撃だけではなく、基礎技術や90分間途切れることなかったプレー強度の高い堅守。
岡山が、1チャンスを活かして、先制にこそ成功しましたが、決定機と言えたのは、後半の頭ぐらいで、なかなかそういった得点を積み重ねるためには、なかなか難しい試合でしたし、そういった攻守の圧といのをとても感じた試合でした。
この結果をいい方向に、今後の人生に繋げることができれば、もしプロが夢であれば、そこで戦える選手が、この京都ユースから複数人でても驚かないですし、この試合に関しても、もしかすると10回試合すると、2回ぐらいしか勝てないぐらい後半の最後の辺りは、一方的な展開でした。
だからこそ、胸を張って欲しいですし、対戦相手が、京都であったからこそ、こういったハイレベルな試合になったと思いますし、こういったギリギリの試合になったのだと思いますから、最大級の賛辞を心より送りたいです。本当に強かったです。
試合後の姿勢を含めて、本当に私も学ぶべき点も多く、感化された姿が、今でも心に残っています。そういった意味では、改めて京都の選手や監督、サポーターには、感謝の気持ちを伝えたいです。本当に有難うございました。
・最後に…
おめでとう。
そして、ありがとう。
文章・写真=杉野 雅昭
text・photo=Masaaki Sugino
6、アディショナルタイム(観光)
30分ほど、高速に乗って向かったのが、宮島である。試合会場から比較的近かった事と、試合時間も早かったことで、現地でゆっくりできた。幸運なことに、駐車場が一台のみ空いていた。
偶然だが、光加減も相まって、良い写真がとれていてびっくりした。
赤色がとても綺麗な鳥居。時間的に、下まで行ける時間であったので、海の中ではなく、陸続きであったが、大きくて凄い迫力でした。
厳島神社のある宮島の雰囲気を意識したと思われる、フェリー乗り場。
偶然、潮が引いていた時間帯で、歩いて下までいくことができた。
普段は、潮が満ちていて、とれない位置で撮影できた厳島神社。ここから、厳島神社に入れいないので、人は少ない。今回は、中に入らなかったが、機会があれば、入ってみたい。
結構高めの一品だが、一度は食べてみたい。
知り合いの福岡サポーターの方にお勧めしていただいたお好み焼き八昌。赤い暖簾の店と青い暖簾の店があって、その福岡サポーターのオススメは、青の暖簾の方で、一番近い八昌で、駐車場もあるという事で、この店舗にした。
青い暖簾を意識して、青で覆われて、工事していたのかな?
いっぱいやっているので、すぐできるのかと思ったら、先客の方と、予約の方で、結局かなり待つことになったが、じっくりみることができた。
そろそろ来ると思ったが、そこからもそれなりに待つことになった。
広島ということもあり、マヨネーズも美味しかった気がする。
かなり(約1時間)待った事も忘れるほど美味しかった。人生で初めて食べた広島焼きのお好み焼き。この味を食べたら、岡山の広島焼きは、広島焼きではなくなりそう。
そして、広島の中でも色々な店がある中で、きっと奥が深い世界なので、広島焼きに関しての言及はここまでにしておきたい。
美味しかったです。御馳走さまでした。
帰宅の途について、今回の遠征を終えて、非常に充実感のあった1日も終えた。
最後まで、読んで下さり有難うございました。
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