2024ファジアーノ岡山にフォーカス39『 一瞬の隙より印象に残った輝く将来性~前後着眼~ 』J2 第25節(H)vs モンテディオ山形
1、ネガティブかポジティブか~着眼点~
山形戦は、先制直後に許した同点ゴールにより、引き分けに終わった試合でした。この部分が強く印象に残ったのか。それとも新戦力の活躍が印象に残ったのか。
この部分によって、大きく評価が別れる試合であったと私は捉えています。筆者は、両方とも感じましたので、結論を出すというよりは、良い所も悪い所もあるということで、どちらについても語っていきたいと思います。
レビューではありますが、試合考察というよりは、残り試合から来季を意識した内容を主にしたいと思います。この1章では、試合レビューと一瞬の隙について語って、2章では、新戦力について語りたいと思います。3章は、書いてみて決めたいと思います。
この試合では、88番 柳 貴博 選手の得点かと錯覚しましたが、43番 鈴木 喜丈 選手の得点でしたが、この得点の直後、岡山は一瞬の隙を見せてしまいます。しっかり、88番 柳 貴博 選手が、俺の得点だったのにみたいに悔しがって、冗談で怒ったようなアクションを見せているのがタイトルの写真です。
しかしこの時、普段であれば、リードしても戦い方自体は、大きく変えないのですが、そういったプランであったのか。両WBを前に押しやるのではなく、左右のWBがほぼDFラインに加わり、5バック気味になります。
流石に先制した時間帯で、この形は珍しく、無意識の内に違和感を覚えました。この辺り、あまり意識していないので、断言できないですが、3トップに連動して、両DHが前のプレスに参加していたため、両WBの前に対して、DHがカバーに行くという形がとれませんでした。
その結果、山形の得意なサイド攻撃を誘発してしまったのではないかと思います。流れの中からそういった危険な形が作られていましたが、サイドの高速性及び中の形共に、山形が限界まで押し込んでましたので、岡山の一瞬の隙と言えそうです。
この辺り、新戦力の2選手がいて、不動の左WBの17番 末吉 塁 選手と不動のDHの24番 藤田 息吹 選手を欠いた中での試合であったことも影響したかもしれませんね。
このチームとして、岡山のサッカーの肝である個の判断のバランスの意思統一に意思統一に隙が生じてしまったのか。それとも戦術的な失策であったのかまでは分からないですが、何れにせよ、私は、ここに無意識の内に違和感を感じたことも事実です。
この試合だけみれば、上位3チームの内、2チームが敗れた節ということで、惜しい気持ちが、どうしても生じてしまいますが、チャンスはまだあるとポジティブに捉えたいところです。
それでは、新戦力である3選手について、次章では語っていきたいと思います。
2、今季だけでは測れない期待感~選手名鑑+α~
それでは、開幕前の選手名鑑みたいに、背番号順に書いていきたいと思います。
FW 22番 一美 和成 選手
『 光風のストライカー~背負った重みを力へ変わる覚悟~ 』
182㎝と近年のJリーグのFWとしては、特別高い選手ではないですが、優れた3次元(横・縦・高さ)の空間把握能力のエリアが広く、周りの状況を観ての判断に優れる。ここまでの岡山のストライカーとは違い、競るべき時と、セカンドボールへ備える時、裏を狙う時などの判断が良く、結果的に岡山のロングボールや楔形パスからの攻撃のバリエーションが豊富となり、多くの選択肢をチームにもたらしてくれる選手です。
加入して間もないので、細かい連係ミスも少なくはなかったですが、ここは試合を重ねることで、自然と良くなっていくことで、プラスとなるでしょう。
守備面でも判断の良いプレスによって、連動性を生み出すだけではなく、スピードもあることで、ボールホルダーの相手DFに対して、プレッシャーとストレスを与えるだけの脅威となっていました。
J1の京都からの加入ということで、その実力の片鱗を1試合だけで示すことができたと言えそうで、得点こそならなかったが、身体能力・技術力・判断力の3拍子揃ったストライカーで、まさに高いレベルで身・技・判を揃った隙がないストライカーの加入は、岡山のサッカーを1つ前へと押し上げるものであることは間違いないでしょう。
チーム事情もあるとはいえ、90分間プレーできたことも大きなプラス材料ですね。
岡山の希望の「光」となるだけではなく、岡山に勢いの「風」をもたらす「光風のストライカー」。
DF 23番 嵯峨 理久 選手
『 天性のアタッカー~自身の性(さが)に従い攻撃の理解を凌駕する~ 』
岡山のWBは、スピードのある選手や運動量のある選手、クロスが上手い選手が多かったですよね。今季は高さと強さを兼ね備えた88番 柳 貴博 選手が加入しましたが、岡山にまた規格外のWBが加入しましたね。
23番 嵯峨 理久 選手は、スピードがある選手でありながらスピードに頼ったドリブルでの突破を軸にするだけではなく、両足から放たれる高精度のクロスを決断良く放つことできます。
クロスという飛び道具が武器と思いきや、中の様子もしっかり見えていて、効果的なパスを配給できるだけではなく、パスの受け手にもなれる選手です。
そして、ゴールに近づけば、両足から放たれる強烈で精度の高いシュートも持っていて、まるでストライカーのような一面を持っています。
更に、当然のように90分間走り切れるスタミナもあって、守備は得意ではないかもしれないですが、その身体能力を活かした粘り強い守備もできます。
岡山のサッカー、前に押し込むサッカー。サイドから前に圧力をかけることができれば、その攻撃時の良さを存分に発揮することができるでしょう。
本能の性(さが)に従い、その攻撃の心技体で、対戦相手の守備を崩壊させる。彼のまさにサイドから攻撃するために生まれた「天性のアタッカー」。
MF 33番 神谷 優太 選手
『 託されたファンタジスタ~創造性の驚きは岡山から世界へ繋がり広がる~ 』
メディアで「天才の帰還」と称されたファンタジスタ。今季の岡山の天才として期待された8番 ガブリエル・シャビエル 選手。怪我とコンディション面で実力を発揮することができなかったですが、その人柄の良さが滲み出ていた選手と感じていたのは、私だけではないと思います。
彼のプレーをもっと見たかった。彼ももっと岡山で岡山のためにその力を発揮したかったはずです。家族の事情により、本当はすぐ帰国したかったと思いますが、新加入の選手が決まるまで、岡山に残ってくれました。
直接の繋がりはなくても岡山のファンタジスタ枠を託せる33番 神谷 優太 選手へ8番 ガブリエル・シャビエル 選手の想いは、これまでの岡山の選手のように託されているでしょう。
一部のサポーターの方が、一時的に熱くなった感情で、退団する選手へ負の感情が向けられることは仕方ないかもしれないですが、岡山というクラブ内においては、選手(監督・スタッフ)から選手(監督・スタッフ)へと想いは託されてきたのではないでしょうか。合う合わないはもちろんあると思いますが、多くの選手が、移籍した後だけではなく、引退した後も岡山に足を運ぶ選手は多いところを考えると、そう感じます。
きっと、こうした岡山の想い・情熱・夢に心を動かされて、33番 神谷 優太 選手も岡山の加入を決めたのではないでしょうか。
人は自然と美しいプレーに心を惹かれますよね。無意識にそういったプレーを求めていると感じます。そのプレーへの期待を託されたのが、33番 神谷 優太 選手です。
ファンタジスタ。言葉では語り切れないプレーは、きっと岡山を超えて、J2に、J1に、Jリーグへ、世界へと拡散していくと信じたいですね。
岡山の夢を託されたファンタジスタ。伝説を創造する姿を想像すると、想増(想いが大きく膨らむという私の造語)しますね。
3、流れを変える衝撃で勢いの光風を~悪夢との戦い~
本日の千葉を意識されている方は、多いのではないでしょうか。岡山のサッカーに影響を与える敗戦や、リーグ戦のフクアリで一度も勝てていない。
千葉の近年のサッカーを含めて、岡山が昇格を目指すのであれば、絶対勝たなければならない相手と言えるでしょう。
千葉のサッカーは、スピードとハードワークの融合。瞬間最高速度は、J2最高であることは間違いないでしょう。
岡山としては、そのスピードから生まれる衝撃を攻守で受け止めるのではなく、吸収して、跳ね返す必要があります。
昨年までは、100%の力をそのまま受けてしまった。
今季は、吸収することで、その反動で裏を突く。一部主軸選手が、この試合に間に合うか分からないですが、千葉の風を岡山の風にできるだけの力を持っている選手が、岡山には、揃っています。
そう信じて、今日は戦いたい。岡山の時計は、その時で止まっている部分がある。だからこそ、動かすことで、岡山の流れを作れるはずだ。
試合の悔しさは試合でしか返せない。心技体の総力戦で、流れを変えて、歴史を作ろう!!
文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・photo=Masaaki Sugino
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