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2024ファジアーノ岡山フォーカス47『 ベースが点と点を結び勝利を作る~0から3へ~ 』J2 第33節(H)vs V・ファーレン長崎

1、苦しさよりも際立つ楽しさ~言葉の源泉~


プロサッカー選手から言葉のプロの解説者となった赤嶺さん

 「この章のタイトルはどういう意味ですか?」や「今日の試合内容ですか?」という疑問の声が聞こえてきそうですが、実は、私のサッカーの心境なんですよ。

 プレーオフで敗退した時も主体的に悔しい哀しいというよりは、周りの雰囲気に感じるものがあって、そこで初めてそういった感情に近づく。

 客観的視点と冷静な視点という見方もできますが、ファジの試合のサッカー観戦においては「私の主観は死んでいるんです。」

 ファジが、私の心の中に入って来て、主体的感情が生じて、その感情をレビューとして、言語化した結晶こそが、私のレビューです。

 スタジアムの雰囲気とチームの戦いが、私のレビューを生んでいるのです。

 スタジアムで感じる、入ってくるスピリッツが、私の心に宿ると、とにかく楽しいのです。サッカーが好きという感情に、スタジアムに集まった想いが、私の中のサッカー観戦を盛り上げて、とにかくサッカーを楽しむ1点のみを最高に高めてくれる。なので勝敗や内容よりも何を感じたかが、私にとって全てなんです。

 主体的な主観が、生じるとすれば、それは、クラブが消滅した時でしょう。とにかく楽しい。この楽しさを皆さんと共有したい。それが、私のレビューを書く理由なのだと思います。

 私は、同じJ1昇格を目指すライバルである長崎との試合を前に、どういった心構えで、この試合を迎えていたのか。勝敗関わらず、私のレビューが私のレビューである理由は、主観が死んでいることにあるんです。

 だから、残り試合は厳しい試合ではなく、楽しい試合なんです。10年以上ファジを観てきた私からしても、今は本当に楽しい。今日も皆さんとファジを通して、サッカーを語ることで、そこを共有・共感できたらと思っています。それでは、よろしくお願いします。

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2、個の尊重の体現のアプローチ~魂の色~


長崎さんと分かるチームカラー。

 両チームのサッカーは、厳密に言うと全くの別物であることは間違いないでしょう。しかし、チームを作っていくアプローチという観点でいうと、監督の色を出すというよりは、選手の良さを引き出すことに重点を置いたサッカーです。

 岡山が、個を引き出すために、多くの選手が実践していることは、攻守でのハードワークで、ボールホルダーに対してのアプローチする人数が非常に多いことが特徴です。

 対する長崎は、守備の約束事や前からの守備も控えめで、個人が自由に攻守で判断してプレーできることで、攻撃に集中できて、攻撃で各選手が、自分達の良さを出していくことが、長崎のサッカーの印象です。

 下平 隆宏 監督は、繋ぐサッカーを志向するタイプの監督という話を周りの方から聞いていました。ただ、繋ぐことに特化せず、開幕前の例のブラジルの監督ベースのサッカーの編成でしたが、下平 隆宏 監督が作り上げたチームには、どこかブラジルの気風を感じました。

 両チームの監督のアプローチこそ違いますが、ベースとして選手の良さを引き出すという事に重点を置いたチームという意味では、どこか親近感というものを感じます。

 木山ファジを観戦できる喜びと、下平ファーレンを観戦できる喜びは、選手がピッチで、個の力を100%出せた試合であると思います。


3、勝負を分けた監督の色~眩しい来季の長崎~

2024 J2 第33節 ファジアーノ岡山 vs V・ファーレン長崎
2024年09月29日(日)14:03kick off シティライトスタジアム

 木山ファジは、3年目で、強化部と監督が、しっかりコミュケーションを取った上で、チーム編成に動いたのに対して、下平ファーレンは、アクシデントで急遽指揮をとって戦って来ました。

 そう考えると、岡山の主軸選手に怪我が多数出たとはいえ、長崎の現在の順位や強さは驚異的で、下平 隆宏 監督が、志向する選手が揃った時に、どんなチームを作っていくのかは気になりますし、間違いなく今季以上に強いチームになるでしょう。

 問題は、そこがJ1からJ2かですが、この試合を観た限りだと、岡山は、前からプレスに来た上で、プレスが無理ならしっかりゴール前を固めて、カウンターを狙うチームが苦手なので、そこと真逆の長崎のサッカーに「ホーム」では組みやすさを、正直感じました。

 ただ、アウェイでは、長崎の個の力の前に押し込まれて、ほぼ逆の内容であったので、長崎の現在の状態があまり良くないのか、それとも岡山の状態が良くなってきたのか。正直なんとも言えない部分はあります。

 それでも長崎のビルドアップに対しては、プレスを何度か仕掛けて、後からの前進の回数を抑えた上で、ロングパスを蹴らせて、守備対応の人数の多さを活かして、上手く岡山らしい守備ができた試合でした。

 岡山は、主に左サイドの43番 鈴木 喜丈 選手を軸にパスで崩す形と右サイドの速い展開で形を作っていく形、99番 ルカオ 選手に当てて、そこから背後やポストプレーで押し込んでいく形。

 この部分で、互角以上に戦えたことで、この試合でもやや優位の形を作ることができていました。なんだかんだ言って、多くの試合で岡山らしさを感じられるサッカーができていますが、極度の得点力不足に苦しんでいるというのが、現在の岡山であると思っています。

 この試合でもシュート数を観ても優勢でありながら、最後の質や判断の粗さが目立ち、決め切れないというシーンが、どうしても多くなっていました。

 そういった試合の中で、7番 竹内 涼 選手のパスが、長崎の選手に当たった直後に、主審の須谷 雄三 さんに、ボールが当たって、岡山の選手の所へ転がってカウンターかと思われましたが、自身に当たったということで、長崎ボールで再開されてしまったジャッジ。

 同じ判断でも岡山の選手に繋がったタイミングではなく、当たったタイミングで、直ぐに笛を吹いて欲しかったシーンでした。そのタイミングであれば、「さぁチャンスだ!」という気持ちになる前ですので、そこまで怒らなかったシーンでした。

 実際に流したシーンのようにも見えましたし「期待させないで!」というのが、正直な気持ちで、サポーターもチームも熱くなった岡山は、やや冷静さを欠いたことで、ここで、流れが変わります。

 こういったジャッジの後に失点することの多かった岡山でしたが、耐えきって流れを取り戻します。これは、今季ならでは粘り強さで、勝ち試合で追いつかれたとかではなく、苦しい試合でも粘り強く戦えての引き分けも多くなる中で、内容が良い時に勝ちきれないのが、上位3チームとの差であると正直感じます。

 それでも(中断明け後の成績から考えて)長崎の状態が悪く、ホームの後押しがあったとはいえ、これだけ押し込めた訳ですから、岡山のチームの状態は悪くないのだろうと感じます。

 何らかの理由の中で、主軸選手を固定できていませんが、代わりに出場した選手が、それなりのパフォーマンスで戦えるのが、今季の岡山ですから、そういった部分を証明できた前半だったのではないでしょうか。

 9番 ファンマ・デルガド 選手の空中戦の強さや6番 マテウス・ジェズス 選手の助っ人感を感じるプレーに、驚きを覚えながら、前半は終了しました。

 岡山サイドとしては、先制点が欲しかった前半でしたが、最後の個の部分が、一方で、長崎の数少ない攻撃の質の高さに、岡山サイドからすると怖かったですが、攻撃の回数を少なくできたことで、失点を免れることができたという前半であったように思います。

 次の章では、勝負を分けた後半です。


4、一段階押し上げる切り札~神速神技~


インタビューから引き揚げながらサポーターを喜びを分かち合う99ルカオ選手。

 後半の早い時間帯に、39番 早川 隼平 選手から33番 神谷 優太 選手に交代できるのは、岡山の強みと言えるでしょう。39番 早川 隼平 選手も随所で、技術の高さを活かした華麗なプレーの片鱗を魅せて、プレースキックでも精度の高く、可能性を感じるボールを配給していましたが、33番 神谷 優太 選手のプレースキックは、球足が速いだけではなく、精度も伴った非常に質が高いボールでした。

 CKの波状攻撃が増えていく中で、33番 神谷 優太 選手のプレースキックの期待値は膨らんでいきますが、この日の岡山は積極的に動きます。引っ張ることが多かった19番 岩渕 弘人 選手を比較的早い時間帯に下げて、ややプレーの質が落ちて、疲れが見え始めた15番 本山 遥 選手も交代します。

 2番 高木 友也 選手と27番 木村 太哉 選手というエネルギッシュな選手を投入して、より仕掛けていくという事を鮮明に出します。

 長崎サイドもこの交代の前に9番 ファンマ・デルガド 選手に代えて、32番 ジョップ・セリンセリウ 選手を投入して高さで、岡山に圧力をかけてきます。

 両チームの明確な狙いが見える中で、試合を動かしたのは、岡山でした。何度かCKのチャンスが、岡山にあった中で、4番 阿部 海大 選手(公開後訂正:43番 鈴木喜丈 選手だったようです。アンケート込みで失礼しました。)が、33番 神谷 優太 選手に声をかけます。

 どういった声をかけたのかは不明ですが、CKに何らかのリクエストをして、その後の得点が生まれたのであれば、勝負を決めたコミュニケーションと言えます。岡山サポとしては、そこに気が付いた4番 阿部 海大 選手と、そこに応えた33番 神谷 優太 選手と表現して、美談としたいですが、真相はどうだったのでしょうか。

 アンケートでは、「深山窮谷(しんざんきゅうこく)人が入ったことのないような、奥深い山と深い谷のこと。」の四字熟語を探してきて、「未踏の深山窮谷を踏破した神速神技のCKが優しく✨」と表現して、そのプレースキックの素晴らしさが、決勝点を生み出したと表現しました。

 その33番 神谷 優太 選手の目で追うのが難しく感じるような速いボールに43番 鈴木 喜丈 選手が、上手くすらして(コースを変えて)、99番 ルカオ 選手が、頭を回転させるルカループ(ジャンプ)でのシュートが、ゴールを揺らしました。

2024ファジ造語No.27
『 ルカループ(ジャンプ) 』
 ルカオ 選手と言えば、フィジカルの強さを活かしたスピードとパワーのドリブルで、どんどん進んでいく推進力のある唯一無二のルカブル(ドリブル)が武器でしたが、ヘッディングシュートのゴールやヘッドでのアシストを記録し、高さと強さを活かしたプレーでも結果を残し、プレーの幅が広がったことを、フィギアスケートのループジャンプに着想を得て表現したファジ造語。

 前節のタイトルが「ベースが点と点を繋ぎペースを作る~3と0~」ですが、まさにそこが出来たことで「ベースが点と点を結び勝利を作る~0から3へ~」と言い換えることができる得点からの勝利だったと思います。

 岡山は、5番 柳 育崇 選手と11番 太田 龍之介 選手を投入して、試合のクローズに入りますが、99番 ルカオ 選手と17番 末吉 塁 選手が、ハードワークで消耗したことで、交代となりましたが、事前に6番 輪笠 祐士 選手が、準備していたので、本来は、7番 竹内 涼 選手と6番 輪笠 祐士 選手が交代する予定で、取捨選択を迫られて、最終的に7番 竹内 涼 選手は残ることになりましたが、足を気にしながらも最後までやりきりました。

 長崎も選手交代で、同点から逆転の流れを作りたい所でしたが、岡山も疲れが見える中でも最後まで走り切って、長崎に反撃を許しませんでした。

2024ファジ造語No.28
『 神速神技の右足(プレースキック) 』

 まさに点と点で合わせる高い精度と、そこに速いボールを通すことで、決定機を生み出せる33番 神谷 優太 選手のハイレベルなプレースキックの凄さを表現したファジ造語。プレースキック問わず、数々の得点が彼の右足から生まれるということに期待を込めたファジ造語でもある。


5、ベースが点と点を結び勝利を作る~0から3へ~


今季1枚目のイエローカードの選手を含めて、面で避けないといけないゴール後のシーン。

 岡山にも長崎にもベースがあって、この試合では、岡山のベースが上手く噛み合って、点と点が繋がるだけではなく、結ぶとより限定したプレーができたことで、勝利を作ることができた試合であったと思います。

 「繋ぐ」と「結ぶ」の違いは大きく、「ペース」と「勝利」も大きい。改めて、チーム作りとは、あらゆるプレーの意味を「重く・強く・高く」していく準備の繰り返しなんだと感じました。

 両チームのプレーには意味があって、全てが繋がっていると個人的には感じます。1つ1つの出来事をどう、明日に繋げていくのか。

 長崎は、プレーオフは堅いでしょうから、自分達の圧倒的な個の力をよりフルスペックで、実力を発揮するサッカーへの準備へと意識を置くことができますし、岡山もプレーオフ進出を目指す中で、実戦の中で、先を意識しながら一歩ずつ進んでいく。

 ここからは、一歩一歩を、繰り返しになりますが、「重く・強く・高く」など、前向きに意識やサッカーへと変換できる挑戦をできるかどうか。

 1つ1つのプレーが多くの人に観られている。色々な不安や重圧もあると思いますが、そこをどうネガティブではなく、ポジティブに持っていけるか。プレーオフに出てしまえば、敗退か優勝しかない。

 残念ながら4チームの内1チームしか、より高い位置の景色をみることができない。

 待っているのは、辛く険しいものか。それとも心を惹かれる美しい頂の登頂か。

 この試合で、岡山は長崎に勝利したが、両チームは、まだ目標を達成していないし、失敗もしていない。この一歩も前進するための戦いはまだまだ続く、待ちきれない週末はまだある。

『 7番 竹内 涼 選手(ファジアーノ岡山) 』
今日は自分たちが目標としているところを目指すには、必ず勝たなければならない相手との試合だったので、ホームゲームで勝てたことは自信にもなり、次に繋がる勢いの出る結果になった。
全員で見たことのない景色を見るためには一丸とならないといけないので、自分たちは練習からそういう気持ちでやっていたし、サポートだったり応援してくれてる方々は、スタジアムに来て雰囲気を作ってくれた。
今日の試合では、シーズンの最初から積み上げてきたこと、また、練習でコツコツ積み上げてきたことが出た。いろいろなスタイルや、自分たちの得意なところに持っていくための使い分けがしっかりできた。そこは誰が出場してもできるので、チームとしてすごく強みになっている。
また、11,000人以上の方に応援していただけたことは、間違いなく力になった。皆さんの声は本当僕たちの背中を押してくれていて、あと1歩を出させてもらえるので、皆さんがもっともっと見たくなる試合をしたい。
残りの試合で特に大きく変えることはなく、良い練習をして、良い試合をすることを繰り返していくだけ。それ以外に僕たちができることは無いので、その質を毎日毎日上げ続けて、J1に行きたい。

ファジアーノ岡山公式HP
J2第33節 V・ファーレン長崎戦 監督・選手コメント
より7番竹内選手のコメントのみを全文引用
URL:https://www.fagiano-okayama.com/news/202409291800/

文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・photo=Masaaki Sugino


6、アディショナルタイム


・アンケート


・ファジフーズ


とりハートの唐揚げ

 心臓の唐揚げらしいです。独特の食感は、表現が難しい。弾力と硬さが、両立した感じで、おつまみみたいに、秘めたる味の爆弾も凄く、味の鼓動を感じました。


豚照りのマヨ丼

 豚さんのお肉とマヨネーズ様のゴールトンコンビのワンツーに、味覚が惹かれる。海苔が、眉毛の表情を示す。これは、きっと鉄板の美味しさと雄弁に語っていますね。


チキンケバブ(スパイシーソース)

照り焼きにすれば良かった(笑)スパイシーと言っても味がする感じで、美味しかったです。そこまで辛くない。お腹いっぱいになったので、時間を置いて食べましたが、野菜やお肉とかが、甘く感じました。


マロンスムージー

 栗饅頭の飲んでるイメージ…。分かっていたが、がっくり感がクリティカル。一度は、挑戦してみよう!

・今日の1枚

試合終了直後。

 意外と控えめなリアクション。主導権を握れていたこともありますが、再戦の予感を感じ、緊張感が感じ取れる。ここから勝ち続けないといけない。ここからは、引き分けも命取りになることを、選手1人1人が理解していることが感じられた。


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知や開いた時などに、偶然に目にすることもあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで言葉にしている。同時に、サポーターとの交流や魅力を語り合うことも好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。同時に、数少ないから岡山問わず、交流のできたサポーターもいて、「趣味」という「生活」の一部になっていて、サッカー観戦を心より楽しんでいる。


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