2024テゲバジャーロ宮崎にフォーカス①(J焦点5:特別連載)『 希望と自信が深まる3連勝~一歩ずつ~ 』J3 第27節(A)vs SC相模原
1、サッカーを一緒に楽しみたい~自己紹介~
初めまして。ファジアーノ岡山のサポーターであり、普段noteにて、レビューを公開している杉野 雅昭です。すぎさんとか杉野さんとか好きなように呼んでください!
さて、どうしてテゲバジャーロ宮崎のレビューを今季限定ではありますが、書こうと思った動機ですが、大きな理由として3つあります。
1つ目は、(27節終了地点で)残留を意識した戦いの中にあるクラブであることです。チームとして、監督や選手が、サポーターが、残り試合の中盤〜終盤戦に向けて、どう戦っていくのか。そういった記録を残すことで、多くの人にテゲバのチームやサポーターが、勝利を目指す姿を少しでも伝えていきたいと思ったからです。
2つ目は、平均観客動員数が、現段階でJ3で最も少ないクラブであったことです。レビュアーを通して、テゲバの魅力とサッカーの魅力をレビューで、未熟な私の表現での言葉での発信になりますが、少しでもテゲバと宮崎県、J3、Jリーグ、サッカーを盛り上がればと思いました。
3つ目は、J2以上で戦ったことがないクラブで、正式なJ2ライセンスのために改修が必須のクラブだからです。J3で上位に躍進したシーズンもありましたが、サッカー文化の定着という点では、J3の中でもこれからのクラブで、大きな可能性を感じましたし、他サポ視点での発見を、多くのテゲバのサポーターやJリーグファンで、共有したい。そういった想いが膨らみました。
そして、一番は、ルヴァンカップで、私が応援しているファジアーノ岡山の対戦の時に、映ったサポーターの方の表情が、これからの試合に向けて、楽しみという感情がストレートに伝わってきました。
私は、サポーター像として、対戦するサポーターの方の話を聞きながら観戦することが1つの理想ではあります。対戦相手として、順位や状況によりますが、同じサッカー仲間として、どんな内容や結果でも楽しみたいという想いがあります。
少なくとも試合前に映っていたサポーターの方の表情からは、その楽しむという土壌が感じられました。まだまだ未熟ではありますが、残留に向けて、未来へ向けて、今季は、一緒に残り試合を戦いたい(楽しみたい)と思いました。
ファジアーノ岡山優先ではありますが、なるべく残り試合全てを、レビューの公開を目指していきたいと思います。
2024シーズンのここから、最終節までは、お付き合いいただけると幸いです。
よろしくお願いします。
2、大事にする意識とやりきる意識~徹底×徹底~
立ち上がりのテゲバを観て感じたことは、ボールを高い位置で奪う守備や高い位置に押し込む攻撃があまり得意ではないのかなという印象を抱きました。やはり、自陣から離れた所でプレーすることで、ゴールに近づけますし、失点の可能性も下げることができます。
そういった意味では、アグレッシブな状態の立ち上がりとはいえ、サイド深くまで侵入された上で、中にクロスを何度も許していましたし、この時間帯に失点しても不思議ではないと感じましたが、ゴール前をしっかり固めて、体を張って防ぐことはできていましたから、全員守備、全員攻撃ができる。チームとして戦えている。そういった立ち上がりに感じました。
一方で、相模原には、J2での印象も残っている47番 岩上 祐三 選手は、精度の高いプレースキックやロングスローという飛び道具は、この試合を通じて健在でした。反町 康治 監督時代の松本のことを思い出されます。55番 田代 真一 選手も、特定のクラブだけではなく、J2で良く名前を見たことのある選手です。この両選手が、相模原の核の選手として、ベテランとしての経験値を活かしてプレーされていて、感慨深いです。
時間経過と共に、両チームともしっかり繋ぐという意識が高くなりました。テゲバの方が、ボールを大事にする意識が高く、安易にクロスやロングパスに頼ることなく、ドリブルでキープしたり、パスを繋いで崩そうとしたりと、ペナルティエリア内に入れて、シュートまで行く意識、形を作る意識を強く感じましたし、危ないと思ったら大きく蹴る意識も持ち合わせていました。
中でも印象に残ったのが、44番 井上 怜 選手ですね。シンプルにテクニックがあるだけではなく、アジリティとアイデアが伴った、意外性のあるプレーや推進力。局面を打開できる武器を持った選手に感じました。サポーターに人気がありそうな選手の気がします…!
前半を見た限りだと、オフサイドでノーゴールになったシーンを含めて、58番 武 颯 選手が、エースだと思ってましたが、違うんですね。J2の秋田でもバリバリやれて、バイタルエリアで、しっかり持って崩そうという意識もあるんで、そこを上手く活かせばかなり決めてくれそうな気はします。
相模原の48番 植田 啓太 選手も良いの持っていますね。この試合通じて、判断良くシュートを打っていました。テゲバにとっては、この試合で最も怖い選手でしたね。サッカーファン目線だと、若い選手ですし、育成型期限付き移籍ですか、非常に楽しみな選手ですね。
さて、勝負は後半へ!
3、勝負を分けた1本~質vs数~
前半の途中からですが、後半の立ち上がりも基本的には、攻撃側は自陣から繋いで運ぶフェーズから始まり、守備側は、前から奪いに行くのではなく、しっかり構えてスペースを埋めて、奪いどころを探るという形の攻防が多くなっていました。
ただ、両チームの中盤からの先の攻撃の方針には明確な違いがありました。テゲバは、2章も書きましたが、ゴール前まで、運べるだけ運んでペナルティエリアに近づいていくという意識が高かったですが、相模原は、シュートやシュートアシスト(シュートに繋がるパスやクロス)を狙えるレンジ(範囲)に到達したら、積極的にクロスやスルーパスを入れる意識やミドルシュートの意識が高かったです。
この違いですが、相模原にあって、テゲバにないもの。それは、プレースキッカーの47番 岩上 祐三 選手の右足ではないかと思います。相模原サイドとすれば、CKやFK、ロングスローもチャンスなので、放り込むことで、その機会を増やそうという狙いはあったと思います。
そう考えると、アグレッシブな前半の立ち上がりに、どんどん放り込んだ相模原が、押し込めたことも理解できます。
そのため、スポーツナビのシュート数が、相模原10本に対して、テゲバが1本。CKが、相模原13本に対して、テゲバが0本という極端な差になりました。
ただ、両チームに数値と同じぐらいの差があったのは、前半の立ち上がりと、相模原が同点に追いつくためにリスクを冒して、人数をかけて攻めた試合終盤の時間帯ぐらいで、私の体感的には、互角に近い時間帯が長かったと感じています。
テゲバの左SHの44番 井上 怜 選手は、ドリブルでどんどん運んで仕掛けてましたし、右SHの20番 阿野 真拓 選手も決勝点をアシストする素晴らしいスルーパスを配給してましたし、ドリブルやパスワークで運んで、最後のパスが通って、シュートまで良ければという質の攻撃は、テゲバの方が良かったです。
何といっても11番 橋本 啓吾 選手のシュートの落ち着きに驚きました。強いシュートではなく、コースを狙った力身を感じないシュートで、これで3回目の2試合連続ゴールという事で、シュートが非常に上手い選手なんだろうなということは、1試合みただけでも感じました。
この試合では、高さを活かしてというシーンはあまりなかったですが、いざとなったらそういったパターンもあるのかなと、11番 橋本 啓吾 選手のプレーを観ることが楽しみです。
話を戻しますが、それでも相模原の手数は、かなり多く、決定機も実際にありましたから、そこで相模原の選手のトラップミスやシュートミスに助けられた部分は、否定できないですが、テゲバの粘りや何度もトライするという勝利への執着心は、素晴らしかったですね。
4、滲み出るクラブカラー~真摯~
私が、フォーカスを当てる前の2試合で、2連勝した試合を含めて、これで3連勝ですから、ここから順位を上げていくテゲバを観ることができるかもしれないと楽しみではありあますが、プロサッカーのリーグですから、厳しい戦いが続くことになるでしょう。
まだまだ試合数があることもありますが、それでも降格する可能性がある状況であれば、もっと殺伐としていたり、プレーが消極的になることも少なくありません。3連勝できたこともあるかもしれませんが、少なくともこの試合では、チームもサポーターの良い雰囲気の中で、試合ができていたのではないかと感じました。
プレー1つ1つを観ても、意欲的なプレーも多かったですが、全員守備全員攻撃で、集中してハードワークできていて、非常に献身性も感じました。これだけでもテゲバの作るスタジアムの盛り上がりが、想像できるようです。
交代した時に気が付いたのですが、相模原の元日本代表の11番 武藤 雄樹 選手がいたんですね。それだけ、あまり仕事させてなかったですし、体を張ってリードを守る姿は、まさに「真摯」そのものでした。
私も長く、ファジアーノ岡山というクラブを応援してきましたが、テゲバを通じて昔にあって今にない失った何かの気持ちを取り戻せそうな気もしましたし、テゲバに刺激を受けて、新たな発見もできる気がします。
私のレビューがテゲバの皆さんに受け入れられるのか。正直不安もありますが、残り試合で、一緒に戦えたらと思っています。
最後まで読んで下さり有難うございました。
今後とも、よろしくお願いいたします。
文章・図=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino
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