2024ファジアーノ岡山にフォーカス4『 ≫≫〇〇スタイルの革新か?継続の堅実路線か?≪≪ 』J2 第1節(H)vs栃木SC プレビュー(栃木編)



1、問われる個の力×組織力


 栃木についての情報も少なく、何も分からないというのが、正直なところです。という事で、想像や推察を軸とした創作系プレビューで、栃木について、データを調べつつ「真実のような創作プレビュー」をスギさん流の表現で、1つのプレビューという名の短編小説(短編作品)をイメージした物語としての筋書きという脚色により、開幕戦への期待や想像を膨らませていきます。

 「開幕戦」。それは、事前情報が限られた中での戦い。岡山も非公開の練習による完全情報封鎖で、開幕に備えています。

 開幕戦で、一番問われるのものは?皆さんは何だと思いますか?私は「個の力×組織力=総合力」だと思っています。そこにシーズンが進むにつれて「個の力×組織力=総合力」は、戦術のアップデートの積み重ねと戦術を無効化する分析による対策によって「個の力×組織力」を枠を大きく越えて、試合後から試合前の準備までの全ての総合力が問われる事となります。

 計算式で、それっぽく表現すると以下のような図式になるでしょうか。

シーズン序盤
個の力×総合力=総合力vs個の力×組織力=総合力
シーズン終盤
個の力×組織力+(進化-対策)=総合力vs個の力×組織力+(進化-対策)=総合力

 だからこそ、開幕戦は「力vs力」が最も問われる対決であり、岡山が「J1昇格」という目標よりも高い目標である「頂(J2優勝)」を目標に掲げるのであれば、少なくとも複数得点以上を決めて勝つぐらいの力を示して欲しいですし、サポーターもそれぐらい大きな期待を抱いている事は間違いないでしょう。

 一方で、栃木の目標は「プレーオフを目指す」という事で「頂を目指す」岡山に比べて控えめな自己評価(自己分析)をされていますから、内外にアピールするためには、岡山としては、勝利しかありません。

 そして、栃木についての重要なヒントになりそうな新体制発表会のライブ動画のアーカイブは、残念ながらフルボリュームでの動画はなく、断片的に配信されていた動画の中で「3枚=3バック」と「2枚=2トップ」という指針が示されている以外は、鉄のカーテンにより隠されていて、ベールにつつまれています。

 岡山に関しては、岡山に戻ってからは、ほぼ非公開であるもののキャンプのメディア露出や公式の動画も多く、他クラブのサポーターや一部のユーチューバーの開幕戦のメンバー予想すら精度が高いことからも、他クラブに比べて怪我人の情報を含めて、J2でも多い岡山のサポーターを通じてより拡散されてしまっていて、ある程度(セットプレーのマークや相性を考慮したスタメンなどで)対策された状態で戦うことになる可能性が高そうです。

 という事で、開幕に向けて、完全非公開の練習で、何かしら変化や工夫を加えてくる可能性もありますが、ベースとなる部分は弄らずに、横綱のサッカーで、栃木を迎え撃つことになるでしょう。昇格するためには、こういったマイナス要素を覆すような勢いや底力が必要です。果たして、岡山にそれがあるかどうかですね。

 いよいよ次項から、分析と情報を整理することで、2024シーズンの栃木を紹介していきたいと思います。前置きが少し長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

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岡山編は、↓



2、クラブ名鑑2024『 栃木SC 』

基本情報
クラブ名:栃木SC(栃木サッカークラブ)
創設年:1953年
運営会社設立:2006年
Jリーグ加盟:2009年
ホームスタジアム①:カンセキスタジアムとちぎ
ホームスタジアム②:栃木県グリーンスタジアム
公式マスコット:トッキ―(2011年11月26日生まれ)

Jリーグ通算成績(Jリーグ準加盟後)
J2(13期:159勝162分223敗)
J3(2期:33勝20分9敗)
JFL(2期:32勝19分17敗)
23(J2:10勝14分18敗)

カテゴリー別最高順位
J2:9位(2013)
J3:2位(2016、2017)
JFL:2位(2008)

2024シーズン編成
監督
田中 誠(新任)
ヘッドコーチ
柳下 正明(新任)
選手
GK(4)

1川田 修介 、21キム・ミンジュン(新人)
27丹野 研太(完)、31中島 佳太郎(レ&新人)
DF(8)
2平松 航、3黒崎 隼人、5大谷 尚輝、17藤谷 匠(完)
23福島 隼斗(レ延)、30福森 健太(レ→完)
33ラファエル、 40高嶋 修也
MF(10)
4佐藤 祥、6大森 渚生、7石田 凌太郎(レ延)、10森 俊貴
14土肥 航大(レ)、20井出 真太郎(新人)
22青島 太一(新人)、24神戸 康輔
41朴 勇志(新人)、44掲石 琉生(昇格)
FW(9)
8イスマイラ(レ→完)、15奥田 晃也(完)
18川名 連介(新人)、19大島 康樹
29矢野 貴章、32宮崎 鴻、38小堀 空
42南野 遥海(レ)、47吉野 陽翔(特指)


3、栃木SC考察①『 あのシステム? 』


とちテレNEWS
『 栃木SCが新体制と新加入選手を発表 田中監督は「クラブ史上最高の順位を目指す」と決意 』

URL:https://youtu.be/fzeSbMLng_E?si=WTJmw46Y7iY9_xyb

 こちらで、DFラインが3枚、FWは2枚としっかり名言されています。情報が少ない上で、この情報は貴重で「開幕戦予想スタメン」とまではいかなくても「選手編成分布」に近いものはできそうです。

ノーミルク佐藤データラボ
『【ファジアーノ岡山🆚栃木SC│開幕全カードプレビュー】3-4-2-1から斜め可変3-1-4-2な岡山と3-3-2-2からの縦スライド3-1-4-2栃木の別解釈バトル 』
URL:https://youtu.be/VxQ7ssMcGY4?si=bjyX6n7dwcJRfwkJ

 こちらでは、3-1-4-2の栃木の形が予想されていますが、私は、田中 誠 監督が、元磐田の選手であることから、もしかすると、N-BOXに着想されているのではないかと感じました。

 そこで、「磐田 Nボックス」で、検索してみました。すると、以下の記事がでてきた。

web Sports iva
『 01年ジュビロに伝説の「N-BOX」誕生。そこには夢とロマンと儚さがあった 』
URL:https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2020/05/08/n_box_split_01/

 この記事から「N-BOX」について見えてくるポイントとして要点を整理すると

N-BOXポイント
①強敵相手だと5バックになるので、予めWBを置かない形を目指した。
②俯瞰的に見ると「N」に見える。
③左OH、右OH、左DH、右DHの中央に「名波 浩選手」を配置する形。
④サイドに追い込んで囲い込んで奪う。
⑤「浪漫と夢がある=再現困難」のため、どのチームも再現できていない。

 流石に当時の選手だった田中 誠 監督であっても、再現はかなり難しいのではないかと感じますが、N-BOXが採用していたのは、2001年が軸とした戦ったシーズンで、2002も近いが形で採用されていたシーズンでした。当時の選手であった田中 誠 監督と、その翌年の2003の1年間磐田の監督として指揮した柳下 正明さんがヘッドコーチとして就任している訳ですから、これは、そういった想像が膨らみませんか?

 3枚と2枚と宣言した先にあるのは、もしかすると、もしかするかもしれませんよ?

 次項では、現代型N-BOXの実現するかという点を膨らませるために、情報を集めて、考察していきましょう。


4、栃木SC考察②『 スタメン時の出場ポジション』


 選手の特徴が分からないのであれば、データを調べるしかないでしょう。という事で、データサイトで、各選手を調べてみたいと思います。今回、参考にさせていただくのは、以下のサイトです。スタメン出場時のポジションと試合数を調べます。

Football LAB
URL:https://www.football-lab.jp

 GKは、基本的に(アクシデントがない限り)GKのポジション以外はプレーしないので、今回は、省きますが、DFラインの選手から1人ずつ、見て行きたい思います。

『 DF陣リサーチ 』
2平松 航(CB:28試合)
3黒崎 隼人(右WB:16試合)
5大谷 尚輝(CB:17試合)
17藤谷 匠(CB:21試合)
23福島 隼斗(CB:30試合、右WB:2試合)
30福森 健太(左WB:28試合、右WB:5試合)
33ラファエル(CB:1試合)
40高嶋 修也(CB:3試合)

 3バックとはいえ、WBの選手は少なめです。では、MFは、どうでしょうか?

『 MF陣リサーチ 』
4佐藤 祥(CH:31試合)
6大森 渚生(CB:29試合、左WB:2試合)
7石田 凌太郎(右WB:9試合)
10森 俊貴(左WB:4試合、右WB:10試合、OH:3試合)
14土肥 航大(CH:15試合、OH:1試合)
20井出 真太郎(新人)
22青島 太一(新人)
24神戸 康輔(CH:15試合)
41朴 勇志(新人)
44揚石 琉生(昇格)

 流石に、出場記録だけど、WBを置かないというN-BOXの可能性はなさそうに見えますが、新人選手を含めると、可能性は0ではないかもしれません。

 という事で、重要な中盤の半分が、新人でもありますし、検索して情報を探ってみたいと思います。


20井出 真太郎 選手について、調べてみましたが、想像以上にやばそうです。

中日スポーツ
『 リーグアシスト王と全日本選手権連覇目指す 桐蔭横浜大MF井出真太郎【関東大学サッカー】』

URL:https://www.chunichi.co.jp/article/741980

 リーグアシスト王というやばい実績の選手という事が分かりました。開幕メンバー入りもしくは、スタメンも十分あるでしょう。サイドアタッカーでスピードがある右利きの選手という事で、N-BOXで当て嵌めると攻撃的MFでの右が考えられますが、どうやら左のサイドアタッカーのようです。


22青島 太一 選手も、ここまでの歩みが興味深いです。

ゲキサカ
『 栃木が立正大FW青島太一の24シーズン新加入内定を発表「自分に価値を見出してくれた栃木SCのために」』

URL:https://web.gekisaka.jp/news/jleague/detail/?391808-391808-fl

 なんと、サッカー王国静岡のエスパルスユース出身の選手で、中3の時には、三冠した世代とのこと。大学の時にも関東大学選抜Aに選ばれている実力差。名波 浩さんの中央を任される可能性もありそうです。


 41朴 勇志 選手は、情報が少なかったものの新人選手には、チームの描くビジョンが出やすいのでチェックしてみましょう。

下野新聞 SOON(スーン)
『 大型MFの朴、栃木SCに来季加入内定 』

URL:https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/789388

 世代別代表では、日本代表もそのフィジカルに苦しめられる事のある北朝鮮代表に招集されたことのある選手。体格を考えますと、守備的MFでしょうか。岡山の壁になりうる選手かもしれません。


 44揚石 琉生 選手も将来有望な選手のようです。

下野新聞 SOON(スーン)
『 栃木SC U18の揚石がトップ昇格 作新高3年、世代別代表も 』

URL:https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/835648

 いきなり開幕メンバーは、難しいかもしれませんが、世代別代表にも招集された事のある選手という事で、期待度はかなり大きい選手ではないでしょうか。攻撃的なポジションで持ち味を発揮できそうな選手かもしれませんね。

 新人選手を調べてみましたが、栃木へのイメージを覆すレベルの選手ばかりで、正直驚きました。栃木サポーターも新監督の田中 誠 監督という事で、期待と不安が入り混じっている方も多いのではないかと感じますが、私の警戒度が、かなり上がった事からも栃木サポーターが、期待したくなる気持ちも分かる選手ばかりですね。


 さて、FWを見て行きましょう。

『 FW陣リサーチ 』
8イスマイラ(CF:11試合)
15奥田 晃也(CH:3試合、左SH:2試合、右SH:8試合、CF:14試合)
18川名 連介(新人)
19大島 康樹(OH:14試合、CF:2試合)
29矢野 貴章(OH:10試合、CF:2試合)
32宮崎 鴻(OH:5試合、CF:6試合)
38小堀 空(OH:6試合、CF:4試合)
42南野 遥海(右SH:7試合、CF:25試合)
47吉野 陽翔(特指)

 OHでの出場が多いのは、3-4-2-1の形を採用していた事が多いからではないでしょうか。他のポジションに比べて、軸として誰を据えて行くのかが、このリサーチ方法では、見え難いですね。

 新人選手である18川名 蓮介 選手についても調べてみましょう。

ゲキサカ
『 産業能率大FW川名連介、来季の栃木加入が内定「たくさんの人に愛される選手になれるよう頑張ります」 』

URL:https://web.gekisaka.jp/news/jleague/detail/?398681-398681-fl

 世代別代表に選ばれた経験こそあるものの近年は、目立った経歴ではないかもしれませんが、岡山の27木村 太哉 選手のように、J1クラブにマークされていなくても、凄い選手が眠っているという事は、良くある事です。

 身長を考えますと、技巧派ストライカーか、スピードタイプのストライカー、もしくは、両方のタイプのストライカーと考えても良いでしょう。

次は、吉野 陽翔 選手について

Yahoo! ニュース「ゲキサカ」
『 立正大MF吉野陽翔、2025シーズンの栃木加入が内定「勝利のために全身全霊で頑張りたいと思います」 』

URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/f4b37d422eca7853cc660f728ca411dc2a2f79dd

 他の新人選手に比べて控えめな実績ですが、2022年には、関東大学選抜に選ばれたことのあるアカデミー出身の期待の選手の1人で、2025シーズンでの加入内定している選手のようです。

・まとめ

 他クラブでプレーした選手もいたり、2023シーズンの3-4-2-1で、2024シーズンとは別のフォーメーション(2024は3-1-4-2)のデータでありますので、これだけで、否定も肯定もできないですが、新人選手の特徴を考えると、N-BOXも十分考えられると感じました。

 次項では、スタメンで出場した時のポジションではなく、23シーズンの出場試合数とカテゴリーを明記したデータを整理することで、より具体的な編成予想へのデータを集めたいと思います。


5、栃木SC考察③『 出場試合数からメンバーを探る 』


 まずは、GKから調べていきましょう。今回は、プレーしたカテゴリーと、途中出場の試合数を含んだ出場試合数とFPは得点とアシスト。そして、身長を引き続き下のデータサイトの情報から調べます。

Football LAB
URL:https://www.football-lab.jp


『 GK出場記録(23シーズン) 』
1川田 修介 (J2:10試合:189cm)
21キム・ミンジュン(新人:188cm)
27丹野 研太(J3:38試合:186cm)
31中島 佳太郎(レ&新人:186cm)

 GKに関しては、先ほどリサーチしていないので、ここで調べてみましょう。

 まずは、21キム・ミンジュン 選手からですが、これは…

Yahoo!ニュース(超worldサッカー)
『 J2栃木にU-18韓国代表GKキム・ミンジュンが加入! 』

URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/381d2c35628c4a82a434f8876c4fabce013da3cf

 Jリーグを見た時に、一時期J1のナンバー1GKは、韓国の選手ばかりであった時期もありましたし、良いGKが、多い韓国のU-18のGKという事で、しかも188cm。粗削りな所もあるかもしれませんが、かなり良いGKである可能性が高いですね。


 では、31中島 佳太郎は、どうでしょうか?

ゲキサカ
『「自分だから、誰かに与えられる夢がある」。常葉大GK中島佳太郎は4年間の大事な経験を胸にサックスブルーの正守護神を目指す 』

URL:https://web.gekisaka.jp/news/incolle/detail/?398039-398039-fl

 1回戦、敗退とはいえ、インカレに出てくる大学の正守護神で、サッカー王国静岡の磐田に内定してからの期限付き移籍ですから、かなりの実力を持った選手ではないでしょうか。

 次は、DF陣を見て行きますが、ポジションの特性上身長も追加情報で加えます。

『 DF出場記録(23シーズン) 』
2平松 航(J2:29試合:0得点:0アシスト:182cm)
3黒崎 隼人(J2:21試合:1得点:2アシスト:182cm)
5大谷 尚輝(J2:21試合:2得点:0アシスト:183cm)
17藤谷 匠(J3:21試合:1得点:0アシスト:184cm)
23福島 隼斗(J2:36試合:3得点:3アシスト:178cm)
30福森 健太(J2:37試合:2得点:5アシスト:169cm)
33ラファエル(J2:5試合:0得点:1アシスト:188cm)
40高嶋 修也(J2:5試合:0得点:1アシスト:182cm)

 得点やアシストが目立ちますね。高身長の選手がずらりと並んでいます。現岡山の選手で、岡山への移籍の前は栃木の選手であった5柳 育崇が、得点力が高かった事も分かるデータですね。


『 MF出場記録(23シーズン) 』
4佐藤 祥(J2:40試合:1得点:0アシスト:174cm)
6大森 渚生(J2:36試合:1得点:1アシスト:177cm)
7石田 凌太郎(J1:4試合:0得点:0アシスト、J2:16試合:0得点:1アシスト、176cm)
10森 俊貴(J2:25試合:2得点:0アシスト:178cm)
14土肥 航大(J2:3試合:0得点:0アシスト、J3:18試合:2得点:1アシスト、180cm)
20井出 真太郎(新人:165cm)
22青島 太一(新人:177cm)
24神戸 康輔(J2:22試合:0得点:0アシスト:170cm)
41朴 勇志(新人:185cm)
44掲石 琉生(昇格:179cm)

 一部選手を除いて、(実績面だけみると)手薄なポジションであると感じます。新人選手が主体になる可能性もあり、中盤の絡んだ攻守の連携に不安もあるかもしれません。


『 FW出場記録(23シーズン) 』
8イスマイラ(J2:11試合:4得点:1アシスト:188cm)
15奥田 晃也(J2:38試合:5得点:2アシスト:181cm)
18川名 連介(新人:170cm)
19大島 康樹(J2:28試合:7得点:0アシスト:177cm)
29矢野 貴章(J2:26試合:2得点:0アシスト:187cm)
32宮崎 鴻(J2:29試合:2得点:0アシスト:184cm)
38小堀 空(J2:20試合:0得点:1アシスト:186cm)
42南野 遥海(レ:176cm)
47吉野 陽翔(特指:181cm)

 主軸と言える選手はある程度残っていて、2トップでの得点力は、それなりに期待できる陣容と言えそうで、(2023シーズンでも少し採用した)新システムの3-1-4-2への理解が進めば、得点力はついてきそう。


・出場試合数まとめ

 出場機会の多い実績のある選手が、DF陣に多く、栃木の今季の編成の中では、計算できる陣容が揃っているポジションです。一方で、アシストが伸びそうな中盤の選手のアシストが少ないのは、やや不安に感じるポジションと言えそうです。それでも、FW陣は、二桁に迫る得点を記録した選手もいて、僅差であれば、岡山としては難しい相手であることは間違いないでしょう。

 後は、栃木の平均身長の高さは間違いなく、栃木の武器。逆に、岡山は高い選手と低い選手とはっきり分かれていますので、セットプレーが多くなれば、岡山にとって、引き分けや敗戦の可能性が高くなる展開の試合となってしまう。だからこそ、岡山としては、主導権を握って、ボールを渡さず、ボール保持することが勝利の鍵を握っていそうですね。

 さて、ここまで栃木のデータをリサーチしてきましたが、N-Boxスタイルは、近い形ならできそうな編成と感じたものの、完全再現は流石に目指すとしてもすぐには難しいのではないかと感じます。ただ、そこを意識して、志向するサッカーの事を田中 誠 監督と柳下 正明 ヘッドコーチの名前からTYスタイル(TYーBOX)という仮名称(違う形であれば想像で終わるため)としておきたい。

 では、次章では、ここまでのデータを基に、栃木の編成                 予想に入っていきたいと思います。


6、栃木SC考察④『 2024栃木SC編成予想 』


 ここまで調べて来た上記のデータと推測を含んだ上で、引き続き以下のサイトの2023シーズンのキックオフ時の布陣を(DFラインを中心に)一通り確認して、私が考える編成予想は、以下の通りとなります。

Football LAB
URL:https://www.football-lab.jp

 岡山でも採用していた3-1-4-2ではなく、栃木伝統のCB型(長身選手)のWB(SB)とN-BOXを意識した(WBを置かない)TYシステム(田中監督&柳下HC)システムの2パターンの編成を予想してみた。

2024栃木SC「開幕前編成予想」

 各ポジションについての考察を交えつつ進めていきたいと思います。 

・栃木GK考察


 GK陣に関しては、何を重視するのかによって、開幕スタメンの選手が決まりそうな気がしています。

1番 川田 修平 選手
唯一の昨シーズンの栃木を知る選手で、クラブ愛や連携面を重視するのであれば、1川田選手の開幕スタメンの可能性がありそうです。

21番 キム・ミンジュン 選手
U-18韓国代表に現在呼ばれているGKですから、潜在能力だと一番です。ネックなのは、年齢相応の隙だと思いますが、実際に見ていない状況下tとはいえ、21番を貰っていることを考えても、スカウトの評価が高いことは間違いないですし、個人的に一番開幕スタメンもありそうに(一番みてみたいと)感じますね。

27番 丹野 研太 選手
実績が、一番ある選手ですので、そこを重視するなら文句なしの選手です。岡山の13金山 隼樹 選手のように、控えにいても心強いかもしれないですね。

31中島 佳太郎 選手
磐田に内定していて、インカレにも出場していて、田中 誠 監督と柳下 正明 ヘッドコーチの古巣という事で、大卒GKですし、ある程度完成されている事を考えると、もしかすると開幕スタメンもあるかもしれません。


・栃木DF考察


 (WBを置かない)TYシステムか王道の(WBを置く)3-1-4-2によって、DFラインは、大きく変わって来るでしょう。

 WBを置く3-1-4-2システムの場合は、DFラインにはシンプルに高さがある選手を並べると予想。WBの所にスピードやテクニックにも特色のある選手を配置することとなると思うが、TYシステム(TY-BOX)の場合は、WBタイプの選手を左右のCBに配置することは十分考えられる並びの1つと言えそう。

 また、昨シーズンまでだと、守備を重視したWBであったが、黄金期の磐田を知る田中 誠 監督であれば、攻撃的なWBを採用することが考えられるが、どちらかのサイドのみ攻撃的に行く可能性もありそうだ。


・栃木MF考察


 誰を軸にしていくのかというポジションに感じています。守備的なMFの要である4佐藤 祥 選手が、軸となりそうではありますが、攻撃的なMFに感じては、やや実績のある選手が少なく予想が難しいところ。

 FWの選手を2列目で起用していく事も十分考えられますし、新人を主体としたフレッシュな中盤を形成する事も十分考えられるでしょう。

 身長だけで、予想するのはあまり良くないかもしれませんが、3-1-4-2の2列目には、岡山の経験則上、運動量やスピードなど、多くの場面に絡める選手の方が適性が高いはずで、期待のルーキーを含めた時に、やや守備的MFが手薄になるが、平均身長が高めな栃木の強さを活かすためにTYシステム(TY-BOX)で、攻撃的MFが外に広がる形の方が、渋滞が少なく、ピッチを広く使えそうで、栃木の前線の高さをシンプルに活かせる可能性が高いように感じます。

 守備が安定しているのは、従来の23シーズンの栃木の採用していた5バックに3-1-4-2。しかし、新人選手が、巧くアピールできていれば、攻撃をスムーズにできそうなTYシステムの実現の可能性もありそうだ。


・栃木FW考察


 2枚と名言されているので、高さと強さを兼ね備えた8イスマイラが軸となるでしょう。岡山も昨年やられてますし、栃木のセットプレーの強さを支えている長身ストライカーも多く、怖い選手が揃っています。

 一方で、栃木のイメージとして、3-4-2-1や3-1-4-2にしても、5バック気味に戦うことで、守勢に回る時間がどうしても多くなっているため、前線から最終ラインまでのプレー強度が武器に粘り強く戦うために、前線が手薄になる印象もありますので、個でもどれだけ攻めることができるかでしょう。

 その辺り、TYシステムで、5バックにならない戦い方を採用するのであれば、サイドを突かれてからの被クロスの多さや、攻撃的MFのサイドからクロスという形で得点の形を作って、抑え込む形もイメージできる。ただ、キャンプでのTMでは、不安のあった得点力という部分での上積みがどこまでできているかが、採用するかしないかのポイントではないでしょうか。


7、栃木SC考察⑤『 対栃木 』


 ベースは、3バック(5バック)を構築してのゴール前の高さと強さで蓋をする栃木の長城と表現できる守備の安定感が武器のチームであると感じます。GKも有望なルーキーと経験豊富なGKを獲得し、盤石といえる陣容が揃っていて、TMで、攻撃が好調であった岡山でも得点を奪う事は簡単ではないでしょう。

 中盤の構成として2パターン予想しましたが、従来の栃木スタイルであれば、スペースを蓋にする戦い方、TYシステム(TY-BOX)であれば、岡山と同じように相手陣地に押し込むようなサッカーを目指して来ることが、考えられます。

 特にサイドで、どちらが主導権を握る事ができるかは、勝負を分けるポイントとなるでしょう。栃木のDF登録の選手のアシストが多い通り、サイドからのクロスというのは、得点源と考えるのが一般的で、岡山が攻めた背後を突いてからのクロスを許せば高さのある栃木の前線を抑えることは簡単ではないでしょう。よって、サイドでの優位を構築し、スコアでリードできる形を作れるかどうかが、鍵を握りそうです。

 交代カードの切り方としては、33ラファエル 選手のスーパーサブキラーとしての役割を担うことが予想されます。恵まれた体格を活かして岡山の99ルカオ 選手や9グレイソン 選手、11太田 龍之介 選手を抑え込む狙いがあるでしょう。拮抗した展開で、出場機会を許すことは避けたいところですが、2年目の今季はスタートからも想定されるだけに警戒したい選手です。

 前線は、8イスマイラが抜けた存在ですが、プレー強度という観点で、90分間維持できるという事で、岡山としては、試合を通して栃木のサイド攻撃やセットプレーは、かなりの脅威となるでしょう。

 パワー勝負では、難しい試合になりますが、岡山としては、ボール保持する事で、被守備機会を減らして、遅攻と速攻を判断良く使い分けることフィジカルを軸とした攻撃とテクニックを軸にした攻撃で、栃木の土俵ではなく、岡山の総合力や個性の豊かさを巧く活かしていくことが、勝機に繋がると言えるでしょう。


8、栃木考察⑥『 注目選手 』


GK:?(個人的には21キム 選手を観たいが…)

 1人しか出場できないポジションなので、前述した通り誰が出ても不思議ではない。それこそ岡山にも負けないぐらいの強力なGK陣です。多少粗削りな部分こそあると思いますが、栃木のDF陣に比べて、開幕に抜擢されたGKが、当たるような事があれば、厳しくなる。


DF:2番 平松 航 選手


 DFリーダーの2平松 航 選手が、栃木の要となるのではないでしょうか。今季の岡山は、TMで、クロスとパスを交えた上で、ゴール前に多くの選手が入っていく攻撃ができていました。

 守備側とすれば、やはり守り難いというか安定感やバランスを支える冷静さを奪うカオスな状況での攻撃を可能としています。だからこそDFリーダーとして、巧くリーダーシップを発揮されると厳しくなる。

 という事で、安定か混乱かという局面の作り方がポイントとなりそうです。


DF2:30番 福森 健太 選手


 今季いる選手の中で最多の23シーズンのチームトップの5アシスト。岡山として、被クロスを許さないぐらい警戒したい選手。23シーズンの千葉戦、清水戦、水戸戦、秋田戦、栃木戦とフィジカルを武器とした堅守のチームに対して、内容の悪い試合が多かった。

 岡山として、そういったチームに対して、しっかり主導権を握って、1つのクロスからのサイド攻撃や守備の圧力に屈して、1点に泣くという展開は避けたい。


MF:4番 佐藤 祥 選手


 23シーズンチームトップの40試合出場。中盤の要である守備的MFの選手。ポジション的に、バイタルエリアをケアする守備力が武器で、奪取後に攻撃に繋げることができる栃木の心臓と言える選手ではないでしょうか。

 彼とマッチアップする事が想定される岡山の2列目や1.5列目と言われる選手が、しっかり自分の仕事をしていきたい。サイドだけではなく、中央からしっかり攻撃の形を作れないと、屈強で高さのある栃木のDFラインを攻略するのは、簡単ではない。


MF:20番 井出 真太郎 選手


 栃木の期待のルーキー。1年目ですが、開幕スタメンも十分あるのではないかと感じています。関東大学リーグアシスト王で、左サイドからのドリブルやシュートも武器という事で、しっかりマークして、突破を許さないようにしたい。

 プレースキックも武器という事で、栃木のセットプレーもより強力となっている。繰り返しになるが、終盤まで1点差や同点でいけば、1本のセットプレーやサイド攻撃でというのが、より現実味を帯びてくる。

 スタートからでも途中からの出場でも最も警戒したい中盤の選手。

桐蔭横浜大学の井出真太郎が24年シーズン加入内定。左サイドを主戦にするアタッカー。
URL:https://x.com/tochigimagazine/status/1733057914250604837?s=20


FW:15番 奥田 晃也 選手


 3-1-4-2でもTYシステムでも2列目も担える15奥田 晃也 選手の担う役割は、栃木の攻撃を円滑にする上で、必要不可欠な選手。

 既存選手として、若い選手をプレーで牽引する存在であり、岡山としては、彼のドリブルやパスでのチャンスメーク、そしてFWとして決定力には、要注意と言える。

自由を与えられたときに最強になる天才肌アタッカー奥田晃也。「全然いけるんじゃないかなと思っています」【New Face⑦】(24.2.19)
URL:https://x.com/tochigimagazine/status/1759550971741384835?s=20


FW:8番 イスマイラ 選手


 前回の対戦でマリーシアなプレーにやられてしまった岡山。高さ・強さ・速さのフィジカルに警戒しつつ、栃木に得点を許さないためにも、個で守るだけの守備ではなく、しっかり複数人で対応する状況を作りたい。

 33ラファエル選手が出てきて、ツインタワーになった時は、より脅威がます。90分間フィジカルを武器に岡山のゴールに迫って来て、フィジカルを武器にゴールに壁を作る栃木にどう戦って行くか。

 守備では、エースと言える8番 イスマイラ 選手をしっかり抑えて、開幕戦勝利を手繰り寄せたい。


9、期待と不安の開幕戦


 岡山は、開幕戦に向けて、かなり良い雰囲気、良い流れで、良い準備ができている。という事で、今季はやれるのではないかという手応えを多くの方が感じています。

 一方で、栃木は、田中 誠 監督が、監督としてキャリア1年目という事と、就任初年度ならではの難しさがある。チームを作る難しさを感じるタイトルだけのXのポストがあるので、その辺りを紹介していきたい。

田中誠監督「守備は整理できつつあります。一方で攻撃はもっとモビリティを増やす必要があります」【2/7 TM FC琉球戦のコメント】(24.2.7)
URL:https://x.com/tochigimagazine/status/1755164563543093489?s=20


佐藤祥「本質的な部分、トランジションの部分が物足りないです。単純に走る、戦う」【2/7 TM FC琉球戦のコメント】(24.2.7)
URL:https://x.com/tochigimagazine/status/1755169610029011260?s=20


福森健太「攻守ともにやりたいことはある程度、個人的にはやれた感覚はあります」【2/7 TM FC琉球戦のコメント】(24.2.7)
URL:https://x.com/tochigimagazine/status/1755171040953614440?s=20


小雨が降るなかで2部練習を実施。TM琉球戦を受けて大島康樹「結局大事なのは”際”。もっと大事にしないといけない。勝たないといけない」【2/8 沖縄キャンプ11日目 練習レポート】(24.2.8)
URL:https://x.com/tochigimagazine/status/1755557242818924552?s=20


 ここから見えてくるポイントとして、攻撃は構築の段階ではありますが、23シーズンまでの堅守の栃木のブロックは、ほぼ意図したものができていて、当たり負けしないという共通意識をしっかり持つことができていることが伝わってきますね。

 譜面通りに23シーズンにトライしていた3-1-4-2を深化を進めているのか、それとも大いなる野望の下で、TYスタイル(TY-BOX)へ挑戦しているのかどうか。

 いずれにせよ、栃木のインテンシティ(プレー強度)の高いサッカーに対して、そこを回避するにしても、受けて立つにしても、気持ちでも戦うとしても、木山ファジらしく前を向いていくしかない。

 厳しい戦いになることは間違いないですが、結果でも内容でも勢いに乗れるような開幕戦となって欲しい。それは、両クラブのチームとサポーターも同じで、両クラブの意地と意地のぶつかりあい。力と力とぶつかり合い。

 熱い熱い試合がそこには待っている。寒さと雨には負けないくらい熱く戦う開幕戦が本当に待ち切れない!

 最後までお読みいただき有難うございました。

 岡山に関するプレビューは、金曜日に予定していますが、Xでのメンバー予想のみになるかもしれません。期待しないで待っていただけたらと思います。

 岡山編は、↓

文章・図=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知なので、軽く目にすることこそあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで、サポーターとの交流や魅力を語り合うことが好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。


10、アディショナルタイム(ファジ造語24)


『 ≫≫力を出し切る三原則≪≪ 』
「決め切る・勝ち切る・逃げ切る」という課題と語ったGMの服部 健二 氏の言葉から想起した「力を出し切る三原則」という2024シーズン第一弾のファジ造語とさせていただいた。来季を観て行く上で、勝利するために、チームがどう強くなったのか、是非、結果から「力を出し切る三原則」をクリアできているか注目したいですね。

『 ≫≫虹色の右足≪≪ 』
24シーズンがルーキーイヤーとなる24番吉尾 虹樹 選手の右足から放たれるパスやクロス、シュート、プレースキックの全てが、高精度であることをより魅力的に伝えるファジ造語。24吉尾選手の名前の「虹樹」の「虹」があり、「虹色の右足」に相応しい選手であると思います。プロとして経験を積む中で、「虹色の右足」は、大樹のようにチームを支えることができる可能性を秘めていることも間違いないでしょう。

『 ≫≫木山マジック≪≪ 』
固定概念を作らない木山 隆之 監督の自由で大胆な決断により、チームを勝利に導くことができる試合采配や選手起用を指すファジ造語。誰にも思いつかない自由な発想と大体な一手で勝利を手繰り寄せてきた将棋で一時代を築いた羽生 善治先生の一手が「羽生マジック」と呼ばれていたが、そこに由来して、「木山マジック」と命名した。22シーズンは、サポーター間でも浸透した。24シーズンでも聞きたいワードですよね。

『 ≫≫剛よく剛を制す≪≪ 』
「サッカーにおいても剛強なものが、剛強な力によって、無慈悲にも剛強なものを押さえつけてしまうという弱肉強食の世界である」という意味の造語」本来は「柔よく剛を制す=柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができる」という意味の造語だが、99ルカオ選手のフィジカルが、あまりに凄すぎるので、諺(ことわざ)を弄ることでその強さを表現したファジ造語。


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