2024ファジアーノ岡山にフォーカス27『 夢はいつか覚める~スターチス~ 』J2 第14節(H)vs徳島ヴォルティス
1、スタジアムで共に~明日への一歩~
おはようございます。皆さんは、今日はどういった夢を見られましたか?夢には、悪夢もあれば、良い夢もありますが、時に正夢になることもありますよね。しかし、基本的に夢は覚めるものです。
起床と共に夢の内容もいつの間にか忘れています。実はサッカーを応援することも同じかもしれません。良い夢(良い試合)もあれば、悪い夢(悪い試合)もあるでしょう。
起床時には感じる事がありますが、その1日1日の夢を忘れて、また次の夢という感じに続いていきますよね。
実際の夢と違って、記憶は残りますが、どんな夢も覚めます。1位で昇格を意識していた夢から、離脱者が多く出て、上位勢との対戦が続き、今はまるで悪夢のような夢に変わってしまいましたよね。
私達が毎日、その日のことを意識しながら、明日の準備をしてから就寝するように、チームも1週間、練習場で準備をして、次の試合に備えます。
不安が多い時は悪夢に悩まされることが多いですが、楽しい時は良い夢を観ることが多いかもしれません。
悪夢を見そうで毎日寝ることが怖い時期があるように、今の岡山は、毎試合負けてしまう不安が大きい中で、スタジアムに足を運ぶ足取りが重くなりがちです。
しかし、良い時もあれば悪い時もあるように、悪い夢も良い夢もいつかは覚めます。そして、サッカー観戦で良いことは、負けてもその悔しさや辛さを共有できることにあります。さらに、ファジアーノ岡山ファミリーがココロヒトツニすることで、悪い夢を良い夢にできるかもしれません。
1人1人できることは限られるかもしれませんが、一緒に戦えて、気持ちも共有できる。ここに魅せられてスタジアムに足を運ぶ方も多いのではないでしょうか?
そして、本日の徳島とのホームの試合では、残念ながら1-2という敗戦で、49番 スベンド・ブローダーセン 選手も暗い表情が印象的でしたし、バックスタンドでもブーイングが起きていました。
厳しい状況でも勝ちたいという夢があるからこそ、辛いですし、怒ったり、泣いたり、悔しいという感情は、心を支配する。チームとして、どうしても苦しい時だからこそ、そういった感情になります。
悪い夢を見てしまうことは防げませんし、そこにネガティブな感情はどうしても生じますが、それでもその一日を始めていくしかないのです。そう、やるべきことをやっていくしかないのです。
こういった時に、大事なことは、自然体でやるべきことを続けていくということです。チームも悪い夢から覚めて、また良い夢がみたい。それが、やはり多くの方のスタジアムに足を運ぶ原動力ではないでしょうか?
皆さんは、こういった時は、どう乗り越えて、明日に向けて一歩ずつ歩まれてますか?
私のレビューは、そのファジアーノ岡山というクラブの歩みのちょっとした記録です。今日もしっかり、言葉として残していきたいと思います。
まずは、ファジフーズで腹ごしらえすることから始まるサッカー観戦。それでは、よろしくお願いします。
2、復調の徳島と苦慮の岡山~劣勢~
改善しようがない論調で批判してしまえば、受け手の方の感じ方によっては悪意にもなりえる。ということで、改善の余地がある点と、改善の難しい点の違いを意識しつつ、振り返りたい。
岡山は、攻撃のキーとなる選手の欠場選手が多く、中でも1トップの所でのポストプレーの難しさを感じてしまう。現状で出場可能な29番 斎藤 恵太 選手と99番 ルカオ 選手は、中央で体を張って、ポストプレーというタイプではなく、29番 斎藤 恵太 選手は、GKとDFの間の裏へのスペース、99番 ルカオ 選手は、サイドのスペースに流れるプレーが得意ではあるが、現状は二人とも中央で、張らざるえない戦いしている所に岡山の苦しさを感じる。
それでも99番 ルカオ 選手は、不慣れなポストプレーとラインでの駆け引きで、何とか打破しようという意識が見て取れた。しかし、シャドーやCH、CBからその意図やタイミングを酌んだスルーパスがでてこなかったことからそういったシーンは残念ながら作ることはできなかった。
99番 ルカオ 選手の持ち味がでていなくても徳島としてはやはり怖さはあるので、そこでは流石にフリーとはならない。その分、岡山のシャドーがサイドに流れたり、パス交換したりといったアクションが活発であったが、チームとして流れの中で、得点の匂いがする攻撃ができていたかと言えば、できていなかった。
一方で、徳島は、これまでの騒動が嘘であったかのように、自分達のスタイルをしっかり取り戻しつつあり、蹴る・動く・止めるの流れを感じる攻撃の狙いが見て取れた。その中で、元岡山の7番 チアゴ・アウベス 選手の仕掛けのような個の力が加わったことで、岡山の守備を乱し、得点に繋げた。
改めて、7番 チアゴ・アウベス 選手の凄さを対戦相手の選手として対峙することで感じた。15番 本山 遥 選手とのマッチアップでは、15番 本山 遥 選手に懸命に粘り強く対峙していたが、かなり苦しんでいた印象であった。
実際の決定機は徳島に3回。岡山に2回であったが、徳島の1回目の決定機は、開始早々の7番 チアゴ・アウベス 選手の仕掛けからのシュート。2回目は、7番 チアゴ・アウベス 選手のFK。そして、得点に繋がった7番 チアゴ・アウベス 選手のミドルシュートのこぼれ球を16番 渡 大生 選手が押し込んだ先制点の3シーンとも7番 チアゴ・アウベス 選手がほぼ全てのシーンに絡んでいた。
岡山の決定機は、シュートこそ打てなかったが、ゴール前で10番 田中 雄大 選手が触れたシーンと、同点ゴールとなった16番 河野 諒祐 選手のプレースキックから27番 木村 太哉 選手が触ってコースを変えて15番 本山 遥 選手が決めた2回だ。
繋ぐ力のある徳島に7番 チアゴ・アウベス 選手が加わることで、脅威というのを身をもって感じた前半となったが、個人的に注目していた99番 ルカオ 選手の輝きの差が、そのまま内容に繋がったように感じたが、それでも岡山らしさを感じた。49番 スベンド・ブローダーセン 選手の手から零れ落ちたボールを押し込まれるシーンも、雨の影響もあったとは思いますが、やはり7番 チアゴ・アウベス 選手のシュートに関係するスペシャルな左足が、凄かったと映像を見返して感じた。
それでもなんとか同点に追いつくことができていたので、後半に繋げたかった前半であったが…
3、運命の決定機~先を見据えて~
後半は、決定機は両チーム一度ずつで、徳島の決定機では、勝ち越し点で、決勝点になった16番 渡 大生 選手の得点のサイド深くからのクロスにドンピシャで合わせての得点であった。実は、この攻撃と似た形での失点は、過去の徳島の対戦でもある。4-1-2-3の時の5レーンを意識した時の合わせるイメージが、3‐4‐2‐1(3-1-4-2)の徳島でも変わらず生きていた。
一方で、岡山の決定機もまたゴール前で個の力で打開してのシュート。チームの形というよりは、各選手が持ち味を発揮して、個でこじ開けるというシーンであったが、ポストバーに嫌われて同点ゴールとはならなかった。
その後、両チームが、流れを引き寄せようと交代カードを切るも得点は動くなく、そのまま試合を終えた。
岡山としては、敗れたものの42番 高橋 諒 選手が戻ってきたので、久々にレフティの左CBとして出場。この効果で、サイドへのパスが素早く出せるようになったのは大きい。ただ、怪我も多い選手なので、その辺りのケアというのは、鍵を握るのではないかと感じる。
43番 鈴木 喜丈 選手や2番 高木 友也 選手がいつ戻って来るのかというのはあるが、左CBは、レフティであって欲しい。55番 藤井 葉大 選手を起用してみたいという気持ちは木山 隆之 監督にもあるかもしれないが、やはりA契約枠があるので、レギュラーを張れるまで成長するまでは、カップ戦を主戦場にしていくことはある程度は仕方ない。
また、チームとして力強さに欠ける一方で、27番 木村 太哉 選手のドリブルでのチャンスメークや19番 岩渕 弘人 選手の攻守に関与できる回数の多さ、44番 仙波 大志 選手のドリブル・パス・シュートコースを作り出す、仙波クルクルを中心としたプレーでの打開力。こういったプレーを見て、岡山もまだまだやれると感じた。
だからこそ、毎試合繰り返しになるが、99番 ルカオ 選手と29番 斎藤 恵太 選手。この試合では、安易にロングパスを当てずに、駆け引きするシーンやシャドーやWBへのロングパス比率も増えたので、9番 グレイソン 選手を中心とした練習や戦術ミーティングからこの2選手のストライカーをどう活かすかというにもある程度時間を割いていくことになるのではないかと感じた。何かしらの答えが見つかれば、岡山もまだまだやれるはずだ。
4、悪夢を乗り越える~徳島ヴォルティス~
外から観た時に少し前に、徳島にとって非常にネガティブな情報が入ってきていました。一時期は、このままずるずると降格してしまうのではないか。そういった不安すら感じてしまうほどでした。
そして、徳島が築いてきたサッカースタイルが、そのサッカーをより高みへと導くはずの監督が、そのサッカーを破壊した上で、結果も伴わない。更に、徳島ヴォルティスというクラブ、徳島ヴォルティスのサッカースタイル。そこへの気持ちが強く、サポーターのことを最も愛する選手であった西谷 和希 選手が、SNSで、溜まらず声をあげたが、それからチームの輪を乱したという理由で、メンバー外の試合が続いた。
この間、岡山にもいたチアゴ・アウベス 選手を獲得したが、成績も内容も好転することなく、サポーターの不満や怒りを受けて、岸田 一宏 社長は、吉田 達磨 監督の解任を明言したことで、退任の運びとなった。同時に吉田 達磨 監督を慕っていた島川 俊郎 選手もこの期間での出来事の1つ1つが心の傷を負い、現役を続行する上での意欲を失った。また、スペイン路線を牽引してきた岡田 明彦 強化部長も辞任となった。
正式な後任となる監督はまだ決まっていなくて、失ったものも大きかったが、それでも0からのスタート。一時期の最低と言える時期をサポーターと西谷 和希 選手が、声を上げたことで、脱することができた。
絶望が底まで行ったときに見えるのは上の景色である。立ち直りつつある徳島。前進しつつある徳島。今まで通りとはいかなくても一歩ずつ進んでいる。失ったものからこれから得るものへの意識が行くことができれば、少しずつ元通り。そして、新たな徳島が見えてくるはずだ。
岡山に勝利した徳島のサッカー。かつてとは違った部分もあるかもしれないが、やはり継続してきたものはそこにはあった。監督や強化部の方針で、違った方向性でチーム作りしていても失わない。岡山サポーターである私としては、何処か嬉しさのようなものを感じた。
自分達の信じるものを信じてやり遂げることの尊さ。そして、継続は裏切らない。岡山としては、この気持ちは大事にしないといけないと感じた。すぐに徳島でのアウェイでの試合が待っているが、その時もまた熱戦になる予感がする。
5、眩しい夢に向けて~スターチス~
欠場選手が多くなり苦しい岡山と監督退任までの流れで辛い時期があった徳島。ここを差し引きした時に、客観的な気持ちでこの試合を観た時に、岡山は、負けはしたものの出場した選手の良いプレーも多かった。想像以上に戦えていた。
それは、徳島も同じであり、得点後の歓喜の輪、勝利後の歓喜の輪。この二つを観た時に、サッカーにおいてもやはりやるべきことをやり続けることの重要性を感じた。
何が起きてもどういった状況でも、試合には、ファジアーノ岡山のサッカーがそこにあり、徳島ヴォルティスのサッカーがそこにある。試合ごとに出来の優劣はもちろんあるが、全選手や全サポーターが入れ替わらない限りに、そこに勝ちを目指すチームと、好きなチームを応援するサポーターがいる。
これは、クラブが消滅しない限り変わることはない。両チームのサッカーを観ながら、そういった想いが、私の中に芽生えた。
私達サポーターにとってもチームにとっても、クラブへの想いは、きっとスターチスの花言葉と一緒なんだと思った。
「変わらぬ心」「永久不変」「途絶えぬ記憶」
少しでも良い夢を見れると信じて、これからもチームを応援したい。お互いにクラブを応援する限り仲間であり、好敵手である。これからもよろしくお願いします。
文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・photo=Masaaki Sugino
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