雑記|本と町と芸術についての対談を聞いて考えたこと
今年もまた、
高松の本屋ルヌガンガさんで行われた、6次元 ナカムラクニオさんと なタ書 キキ(藤井佳之)さんのトークショーへ行ってきました。
もともとパートナーが両氏のファンで昨年連れて行かれ、今年も予約を取ってくれていたのです。
やはり、ブックカルチャーをゆるやかに先導ながら自分の道を進むお2人の話は、フリーランスとして刺激的でした。
対談を聴きながら考えていたこと、メモ。
内容のまとめというよりも、対談を聴きながらそのやりとりや言葉端を捉えて、脳裏で自分が考えていたことを備忘録として書いています。
必ずしも、お2人の意見や考えのまとめではないのでご注意を...
<内容>
●プロジェクトを続けていくには...
●サブスク
●上質なコミュニティをつくるには ー開放型は時間と労力を浪費する
●コンセプトは抽象的、キャッチコピーは具体的に
【プロジェクトを続けていくには...】
ナカムラさんが運営する6次元は、ブックカフェでありワークショップや読書会を多く企画されています。それについて会場から「自分はイベントの企画をすることがあるが、どうしたら2回目3回目と続けられるのか」という質問がありました。
ナカムラさんは「自分も含め皆にメリット(収益など)があることは続く」と回答。
自分も独立一年目の今年、始めた自分発信の企画は単発で終わってしまっているものが多く、でも一つ一つへの愛はあるため捨てることもできずにいることを反省中です。
好きな物事をテーマにした上で、収益がでたり、自分のライフスタイルにプラスになる設計の必要性を感じました。
また企画や物事が自走していくことも大切とのこと。
ナカムラさんは特に今年は6冊本を出版という多忙な中で金継ぎ文化の普及をしながら、毎月海外へ取材に行きつつ、スペース運営もしているという信じられない動き方をされていますが
「イベントの主催者に場所を貸す形で企画が自走している」
「本を書くための方法論を作りそれにあわせて楽しく書いている」など
物事が勝手に進んでいく仕組みを一つ一つにお持ちのようでした。
今年の2月に企画した“タビサキ”では、収益は出せなかったものの、チームメンバーが奇跡的に素晴らしい自走型の人ばかりで、自分の知らない所で企画が起きたりコラボレーションが生まれていたりという状況に一生感謝すると心に決めていますが、(自走する組織づくりって本当にめちゃくちゃ難しいことなので)
今後も、自分で自分を自走させられる仕組みづくり(今の所思いつくのは、敬愛する誰か一人が全力で喜んでくれるかどうかと、明確な収益があるかどうかかなぁ)は企画を立てる前に心がけたいことです。
【サブスク】
サブスクリプション=月額使い放題サービス。
ユーザーとしては固定費が増えるのであまり積極的に使ってないですが、時給・日給制の働き方をさせてもらうことが今年の後半から出てきて、そういう需要もあるのかなぁと思い始めていた折、昨日話題に上がりました。
6次元の金継ぎ教室や非公開サロン的に行われる読書会では、月額会員制で運営されているものもあるそう。効率的に資金を安定させられるので、さらに先の動きや新しい種まきができるようになったというお話でした。
僕自身も新たにできた固定収入の有り難みはとても感じています。
昨年のトークでは固定の仕事を稲作、単発の仕事を狩りに例えられていましたが、最低限の食料を確保しながら、もっと美味しい肉や栄養になる木ノ実も狩りに行けるのは、心身ともにめちゃくちゃ安定します。
ただ稲作型は効率が大切。ずーっと稲だけやってると結局お米だけ食べて暮らすことになるし天変地異で米が取れなくなると飢えてしまうので、効率的に安定させる(もちろん美味しい米を作る=良い仕事をするのは大前提で)サービスをつくりつつ、ネパールでみつけた新事業の種を育てていけるよう、最近よくお声がけいただく小さい事をサブスク化できないか考えています。
▼例えばこんなのやってみようかな
・イベント広報サポーター
5人規模の交流会から200人規模のフェスまで、デザイナーとして参加してきた経験と「複業応援」のスタンスから、イベントの広報・記録を何度でもサポートします。(料金にあわせて、チラシ・facebookカバー画像・ランディングページ・会場サイン・受付リスト作成・当日の撮影・まとめムービー作成など)
・複業や個人の活動の報告を聞く人
名刺やチラシ等作成時のヒアリング経験を活かして、一ヶ月のうちにあった出来事から、感じたことや翌月に活かしたい事を聴きます。
友だちと半年くらい報告しあう会をしていたことがあり、一人で活動していると抜けがちなチェック作業をゆるいテンションでしてくれる人がいる大切さを感じていたり、普段の仕事中も話を聞き出すことで頭の中をまとめる手伝いができるのだなと実感しているため。
・広報周りのパソコン基礎レクチャー
エクセルでの住所録作成やメール設定、ウェブのことなど...別に難しいことじゃないんだけど誰に聞いたらいいかわからない。。
聞かれた側も会社員だと、専門家ってわけじゃないしどう見積りしていいかわからず受けにくい。。
という感じのことを、仲良いお客さんから相談受けることがたまにあり、
「お世話になってるし、そんなのやったげるよ!」と言ってあげるのだけど、こういう悩みは世の中に沢山あるのかなぁなんて思ったりしています。
【上質なコミュニティをつくるには〜開放型は時間と労力を浪費する】
サブスクで効率的に稼ぐのと同時に、「フルオープンでいつでもどうぞはキツイこともあるよね」というお話がありました。
なタ書は予約制の本屋。6次元もそれに近い状態で運営されています。
いつでもどうぞーとたまに解放する時は、予約を受けて来店される時よりも商品が動きにくいのだそう。
「本を買いたいわけではない“暇な人”が来て、本当に本を欲しい人の邪魔をしちゃうから。笑」とお話されていて、これはすごく共感しました。
“暇な人”って、なかなかな言われ様だけど
その場の大きな方向性や趣旨に関係ない動きをする人はマレにいて...作品の展示会やイベント会場を渡り歩く....。
本当にその場を楽しんだりその人を応援する気持ちがあればいいけど、例えば「女の子と話したい」とか「自慢話を沢山の人に聞かせたい」とか。
そういう目的の場所は他にもあるのでは...?と感じることは、正直あります。
クローズでの秘密基地的運営をしつつ、意図的にたまに別の要素を混ぜてみる。そしてまた成長を見る。そんなやりくりがコミュニティ運営のコツだそうです。
【コンセプトは抽象的、キャッチコピーは具体的に】
直接お話されたことではないのですが、お2人のやりとりを聞いていて
昨日得た一番の閃きがこれです。
この1年間、自営業としての自分スタンスを探っては小出しにしてきて「コンセプトを決めるのは難しいな。そしてそれを言語化するのはもっと難しいな...」と思い続けています。
昨日のトークでは
ナカムラさん「自己紹介は13文字以内でするのが伝わりやすいんですよ」
キキさん「予約制の本屋をしています」 というやりとりがあり、
何度も見て聞いたコピーだし、そのままのことを言っているのだけど「差別化ポイントがめちゃくちゃわかりやすい!」と思ったのです。
これまでは自分のコピーを考える時に
「人の個性や強みにスポットして深め形にすることで、お客さんの自己肯定感をあげたい。そして個性を活かした小さなプレイヤーが増えると街が楽しくなっていくはず」
というのが一番大切にしていることなので、そこを謳おうとしてきたのですが、それはスタンスやビジョンであって、共感はされても、デザイナーとしての差別化にはなりにくいんだと、気付きました。
「名刺は任せてください!」
「ゆるめのイラストが得意です!」
「医療系のお客さんがメインです!」などと言った方が確かに選びやすい。。
キキさん自身も、本やアートにめちゃくちゃ詳しく人柄も面白くて、地域のことも考えられていて... ご自身のビジョンやスタンスは強く持たれている方だと思うのですが、
「どんな本屋?」と聞かれた時には、「なんと予約制でね!」と伝えてそれから「こんなこだわりを持って活動されている素敵な方が店主で...」と紹介するはずです。
結果このコピーでいってみようかと....
“あるもの活かす”広報リノベ(14文字)
一旦これを使ってみようと思います。
「広報」とか「リノベ」とか、したいことの本質ではなくあくまで手段なので、避けていた言葉なんですが、、
・そもそも持っている強みや個性を見える化する
・今ある資源(人・物・予算・習慣・時間・繋がり)を上手に活用して無理なく気持ちよく使えることを重視する
・余計なゴミを増やさず省エネでエコに生きたい
・小規模に扱う広報ツールは自信から来るやる気が効果を上げる
このあたりの実感から、ひとまず謳ってみようと思います。
まずはウェブサイト更新だー!