お蕎麦と回転寿司
最近、時間に対して物凄く価値観がケチになったと感じる。それが年のせいなのか、子供を産んだせいなのかはわからない。
その私のケチな価値観がもっとも現れるのが、平日、一人で食べるランチだ。とにかく時間をかけたくない。でもまずいものは食べたくない。「カレーの気分だな」とか、「ハンバーガーがどうしても食べたい」とかってときにはもちろんそれを食べるし、実家に泊まった時にはお弁当を持たせてもらったり――うちの母は心配性の料理上手なのだ――自分でもすごく雑な残り物弁当をこしらえることもある。
だけど、それ以外の時、意思決定にかける時間と、食べる時間そのものをとにかく少なくするため、選択肢を決めた。
私はそういう時、蕎麦か寿司をランチに食べる。
幸い、今の会社の近くには3店舗くらい、美味しいお蕎麦屋さんがあって、デスクワークのときには、その3店舗をローテーションで回っている。出先では、お蕎麦屋さんか、もしくは回転すし店、どちらか早く見つけた方に入る。
20代の時はフレンチもイタリアンも焼肉も、昼晩と連続で食べて差し支えなかった。けれど今は、洋食は1日1食が限界である。お酒の好みだけは変わっておらず、ワインは変わらず好きだが、たとえば冬場、ワインに合わせて一番私が食べたくなるものは、最近は生牡蠣だったりする…
認めたくないが胃腸も歳をとったのだと思う。33歳でそれは早すぎだ、と言われることもあるけど、私は人より背が低く、それにともなって体重も少ないので、単純に消費できるエネルギー量がもともと小さい。さらに体質として胃腸が弱い、という問題もある。
そういう自分に、お蕎麦はとてもちょうどいい昼食なのだ。お寿司屋さんではなく、回転寿司を愛する理由も、量が自分で調整しやすいところにある。量として3~4皿も食べればお腹いっぱいになってしまう私にとって、好きなものを少量から選べる回転寿司の存在は本当にありがたい。
しかも、冷たいお蕎麦と回転寿司はとにかく出てくるのが早く、しかも熱くないので、こちらも食べるのに時間がかからない。お店に入って、20分もあれば食べて出てこられる。美味しいし早く済むし、とても得をした気分になるのだ。
江戸のファーストフードって本当によくできてるなと感じる最近なのである。
※ちなみに、本音を言うと、夜、お蕎麦屋さんとお寿司屋さんに行ってお酒とつまみと…という流れをゆっくり楽しむ方が、格段に好きです。