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「Red Dead Redemption」と私が出会うまで

PS3版「Red Dead Redemption」に言及している。

RDRに関するレビューを書こうとした。

…のだが。

個人的感情があり過ぎて最早レビューだけに収まらなくなってしまったので、前後編に分ける事にした。
前編となる今回は僕とRDRとの出会いを描いたもので、この時点ではそもそもプレイすらしていない。
よって、純粋にレビューだけ読みたい場合は後編を読まれたし。

変化

私は、小中学生の頃、学校のクラスメート達とよくゲームの話をしたものだ。あの時の任天堂は凄まじかった。DSとWiiが猛威を振るっていた。ニュースーパーマリオブラザーズや大乱闘スマッシュブラザーズX、マリオカートWii…。
今となっては考えられないが、携帯電話でゲームを遊ぶ者など誰もいなかった。

今に思えば、(ゲームに関して言えばだが)一番恵まれた時代だった。誰よりも世間のゲームに詳しかったから、この分野に限り私は唯一無二だったのだ。
ただ唯一恵まれていなかったものがあるとすれば、それは私の心だった。

ゲームは都合の良い暇潰しに、
自尊心を満たす存在に過ぎなかった。
暇潰しにならないゲームはゴミでしかなかった。
クソゲーという言葉を連呼していた。

しかしある出会いを境に、私のゲームへの考え方は変わる。

その出会いこそが「Red Dead Redemption」だ。

時は流れ、深くゲームの話が出来る相手はTwitter上の顔も知らない人達に限られてしまったが、
彼らとゲームについての議論をする機会があろうものなら、私はいつも細心の注意を払い、言葉を選び、例えどれだけ相手が砕けたムードにあっても私自身は何度も文章を推敲してから意見を述べるようにしている。

何故か?

ゲームには最大の敬意を払うだけの価値があると知ったからだ。

荒野と夕日、リボルバーの世界

「Red Dead Redemption」予告編トレーラーの冒頭。

私が「Red Dead Redemption(以下RDR)」を初めて知ったのは、記憶違いでなければ数年前、学校の定期試験の数日前に、夜中の勉強の息抜きにPCで動画をサーフィンしていた時になる。

見つけたのはあるゲームのトレーラーだった。

視聴していた数分間の記憶は定かではないが、少なくとも試験の事に関しては、塵程も考えていなかったことは間違い無い。僕が今まで見てきた、剣も、モンスターも、ジャンプで跳び越えるべき大穴も、ファンタジーの世界を構成する要素は何一つ見られなかった。

この世界に存在したのは、
荒野と夕日、リボルバー。
そして馬にまたがる一人の男。

男の名前はジョン・マーストン。

私はいてもたってもいられなくなった。
動画を一時停止してから、数式を書き殴る為に用意していた大量のコピー用紙からまっさらな紙を一枚取り出し、「ジョナ保安官代理に銃口を向けるマーストン」の姿を模写した。
斜め前方から見たリボルバーは非常に描くのに難儀した事を覚えている。

思えば、私の、主観にもどこか癖を感じる絵のルーツはここから始まったのかもしれない。
本物を見ながら描いたにしては、デフォルメが過ぎる。イラストを見ながら描いたにしては、省略が中途半端。何故なら、私が絵を習った題材は、その中間に値する「テレビゲームのCGモデル」だったからである。

当時の私としては、このゲームを遊べない事が本当に我慢ならなかった。
18歳ではなかった※からである。
そもそもPS3(叉はXBox360)を持っていなかったからである。

ただ存外、今の私はこれで良かったと思っている。

このゲームで遊ぶであろう数年後に備えて、私は自分の中の衝動をしっかりと蓄積し続ける事が出来たし、その間に他のゲームについての考え方を改める機会は十二分にあった。
様々なゲームの記事や紹介トレーラーから、「自分という子供から見た遊ぶ為のゲーム」だけでなく「他人という大人から見たエンタメとしてのゲーム」としての、ゲームの本質を見極める能力を養う事が出来た。

アルバイトもした。

実に馬鹿げた本数のネジを数えるだけの、
実に馬鹿げた業務内容だった。
中古のPS3を購入した。

そして私は18歳になった。

中古品の少しくたびれた様子のRDRを入手するのには、たったの2000円もかからなかった。

どこか癖を感じる絵の一例。
左から「RDR2」のアビゲイル、アーサー、ジョン。
ゲームという一面のみに止まらず、私にあらゆる影響を与えた。

しつこいようだが、

ここに至るまで、
私は一秒もRed Dead Redemptionをプレイしていない。

なのにこれだけ文章が出てくるのだから、
私がどれだけこのゲームに思い入れがあるのかが分かってくれると思う。

続く本編(レビュー)では、あくまで客観的に書くよう努めるつもりだ。

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