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右の小指(まひる野 2024年7月掲載分 6首)

生きることは矛盾すること盛大に南北線を逆走しおり

缶チューハイをそれぞれの手に携えて神社へと入る花見上げつつ

性愛は吉井和哉に教わりしこと思い出す花ふる午後に

わたしにはつかめなかった花びらをつかみし手より食べる花びら

宴席のブロック肉にうちがわを思う樹木のあるいはわたしの

春も過ぎ魔法はいつも期限つき右の小指のみじかきを見る

今年の4月に、短歌結社まひる野に入会を決めた。5〜6年どこにも所属せず、勝手気ままに短歌をつくりインターネット中心に発表してきたので、なぜ入ったの?と聞かれることはわりと多く、理由についてそのうち文章で書くかもしれないし書かないかもしれない。ともあれ月詠をしっかり10首揃えて出す、というのをまずは欠かさず継続したい。4月につくった短歌を7月に誌面で読むのはささやかなタイムカプセルっぽさもあり、楽しい。

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