菅原海春

短歌をつくっています。2024年から、まひる野という結社に所属しています。たまに作文もします。夏とピアノが好きです。ラーメンも好きです。

菅原海春

短歌をつくっています。2024年から、まひる野という結社に所属しています。たまに作文もします。夏とピアノが好きです。ラーメンも好きです。

最近の記事

ままごとあそび(まひる野 2024年10月掲載分 7首)

きみ仕事仕事仕事仕事きみ仕事手をひかれゆく夏の夜の川 終末のままごとあそびスーパーの鮮魚ら並べてなきがらと呼び そらまめの背にナイフを当つる指示されるがままにやさしく当つる いいこいいこメンテナンスと呼べる日々オートミールの粥やわき日々 丸眼鏡ふたつ並べて抜け殻の蝉だと思う夏が来ている ひと月で世界が終わる予感ごと抱くよ西日の差す衣装部屋 目覚ましを鳴らさず止めるのが好きときみは寝覚めの刺客のように ※以下ルビ 2首目:並べて(なべて) 3首目:背(せな) 日

    • 三オクターヴ(まひる野 2024年9月掲載分 8首 ※Demo Ver.)

      霧雨の連休明けの耳なれば革命歌変奏曲注ぐべし くったりと萎れて横たわる耳を満たす雨音卯の花腐し つるつると喉を落つるもののみにて生きてゆきたしたとえばなめこ︎ 週末は過ぎゆくドラゴンフルーツをさく、と割くきみの歯に触れたれば︎ ガパオとは概念である きみの繰る料理本どれも思想書めいて 茉莉花とう缶チューハイを空けるうち川からの風夏めいてくる︎ 今もときおりピアノに触れる人が言う君の背骨は三オクターヴと 火よ今は鍵盤を這う指となれいつかこの身を燃やしつくす火よ

      • 日々に花(まひる野 2024年8月掲載分 6首)

        ヒスイカズラは午後の光をはじきつつ睡眠薬の色して垂るる 地に落ちしヒスイカズラなお鮮やかに光れり猫の爪のかたちで 断ちし髪ケープへ落ちて丸まるを見つつ恋う昨日のヒスイカズラ 水面に十字無数の十字白き十字落とし揺れおりヒトツバタゴは 祈っても無駄と知りなお咲く躑躅わたし神様だって殺すわ 花びらのこぼれるような花柄のシャツを五月の風は揺らして 掲載されなかったものも含め、実質3ヶ月前につくった歌を稚拙に感じた月だった。素直に反省し次に活かしたいと思う。結社での活動自体

        • 右の小指(まひる野 2024年7月掲載分 6首)

          生きることは矛盾すること盛大に南北線を逆走しおり 缶チューハイをそれぞれの手に携えて神社へと入る花見上げつつ 性愛は吉井和哉に教わりしこと思い出す花ふる午後に わたしにはつかめなかった花びらをつかみし手より食べる花びら 宴席のブロック肉にうちがわを思う樹木のあるいはわたしの 春も過ぎ魔法はいつも期限つき右の小指のみじかきを見る 今年の4月に、短歌結社まひる野に入会を決めた。5〜6年どこにも所属せず、勝手気ままに短歌をつくりインターネット中心に発表してきたので、なぜ

          3/23 夢日記の練習

          マイケルがまた生き返っていた。建物(よく夢の中に出てくる公共施設のような大きめのもので、床が布張りになっている)の中はまだしも外を歩かせるのは心配で抱っこして歩くが、どうしても自分で歩きたいらしく腕のなかで身体をくねらせる。しっとり濡れた土や石畳の上を少しだけ歩かせてやる。ときどき走るのでその度に焦って追いかける。 猫の里親譲渡会のような人の多い空間で、元配偶者と偶然会う。ちょっと顔が濃くなっている。怒っている訳ではないが、いつ怒りだすのだろうかと思い、内心びくつく。 友

          3/23 夢日記の練習

          偶然、あるいは旅のよしなしごと

          今日は駅ビルにショッピングに行こうか?と言うと、なんとなく違うかな、という反応だったので、ばんぢろに行こうか?と脳内で転がしていたら、恋人がそう言った。三年振りのばんぢろへ着くなり、つい最近居ついたばかりという黒猫が膝に乗ってくれた。名はまだないという。たまたまかかっていた音楽を恋人が耳に留めたので訊ねてみると、マスターの知り合いの知り合いで、CDを売ってもいるとのこと。そのアーティストの映像作品を一年とちょっと前に東京で見たのを思い出した。松濤美術館の異性装に関する展示。C

          偶然、あるいは旅のよしなしごと