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ボディメイクとパフォーマンス向上の為のトレーニングは別物

こんにちは!
出張トレーナーの菅谷智紀です!

さて今日は
ボディメイクとパフォーマンス向上の為の
トレーニングは別物である
というテーマでお話しします。

特に学生スポーツに携わる指導者は
最低限押さえておきたいポイントです!

早速行ってみよう!



遅筋と速筋の関係性

筋肉には大きく遅筋と速筋の2種類あります。
漢字の通り、
速筋は瞬発的に動く(強い力を発揮)筋肉で、
遅筋は持久力のある筋肉です。
よく例えで出されるのが、
陸上競技の短距離走が速筋で、
長距離走が遅筋という例え。
その競技によって使われる筋肉が異なるって事ですね。
(実際には筋肉によって速筋・遅筋の割合は全て決まっています。)
(例えば、大胸筋の場合、速筋が57で遅筋が43)
つまり、
速筋が必要なスポーツ選手が
遅筋を育てる運動ばかりを実施していると
競技パフォーマンスは下がる
という事です。
分かりやすい例として相撲。
相撲の場合、
ゆっくり長く動く事なんて無いですよね?
この場合、負荷の軽い持久系のトレーニングよりも
高強度低回数の瞬発的なトレーニングが有効となります。

更に具体的な例として、
中学校、高校、大学の野球部練習。
今はさすがに減ってきましたが、
ひたすらマラソンをさせる
みたいな事が平気で起こっています。
現役メジャーリーガーのダルビッシュ有投手も
過去にこんな発言をされていました。
『野球のパフォーマンスを上げるのに長距離の走り込みは不要』だと。
数十メートルの短距離のダッシュを走り込む分には効果がありますが、
ダラダラとした長距離の走り込みなんて物はいりません。
不要ならまだ良いですが、
本来必要な筋肉と真逆の筋肉を育てている訳ですから、
逆効果にすらなります。
※循環・血行を良くするとか、体温・筋温を上げる、疲労感を軽減させる等のメリットはあります。
走るという動作にも目的をもって臨みましょう!


安定性と可動性①

次に『安定性と可動性①』
人間の体には安定させる為の部位と
可動させる為の部位があります。
※安定=スタビリティ
※可動=モビリティ

最も分かりやすいのが、
腰椎と胸椎の関係です。
これは特にゴルフやテニス、野球等の
スイング系スポーツや水泳に関係する話しです。
ここではゴルフと野球で説明をします。
ゴルフでは一見、
腰が回っている様に見えますが、
あれは腰が回っている訳では無く、
骨盤・股関節が動いているだけなんです。
(前骨盤がズレて後骨盤が前に出る)
これは野球のバッティング動作でも同様で、
よく「腰を回せ!」や
「手打ちになるな!腰を使って打て!」
なんて言う指導者がいらっしゃいますが、
解剖学上、腰(腰椎)は回らないんです。
※腰(腰椎)の骨は5~10°程度しか回らない

骨盤が回っているだけで腰はねじられていない!

指導者から「腰を回せ」と言われた選手達は
本来回してはいけない腰を無理やり回してしまい、
結果腰痛になります。
こういった事を防ぐために、
解剖学的な理解をしたうえで
指導をしないといけないですね!

ちなみに、
この場合は腰を固めたまま
肩関節や胸、足を動かす様な動きを
トレーニングで習得するのが良いと思いますね。


安定性と可動性②

動かさない方が良い部位と
動いた方が良い部位の2種類ある
というのが先程の項目。

次は、
『可動性が安定性に変わってしまう』
という話しです。

こういったプランクはパフォーマンスを下げます。

◆止める筋トレは不必要

結論、
ほとんどのスポーツ選手に
『止める筋トレ』はそこまで重要ではありません。
サッカー・バスケ・バレー・陸上競技などなど
基本的にはプレー中に動きが止まる事って無いですよね?
当たり前ですが、
そのスポーツに止める局面が無いのであれば
プランクの様な『止める筋トレ』は
重要視する必要はありません。
(※腰の安定を目的とする場合はプランクも有効)
もっと言うと、
腹筋系の種目でひたすらプランクを実施してしまうと、
『お腹の筋肉は動かない!止める為にある!』
と体と脳が勘違いしてしまい、
パフォーマンスは低下します。
※お腹の筋肉だけでなく、全ての筋肉において同様です。

◆止める筋トレが向いているスポーツ

ただし!!
止める系の筋トレが重要なスポーツもあります!
例えば、アメフトやラグビーの様に
「耐える」必要があるスポーツです。(耐久性)
タックルの際、相手に押し負けない様に
全身に力を入れて耐えますよね。
まさに、そういったスポーツには
止める系の筋トレは必要になってきます。
(専門用語では等尺性収縮※アイソメトリックと言います。)

アメフトのライン選手は特に耐久力が必要です。

その競技やポジション、季節によって
トレーニングメニューは変える必要があります!


多関節運動と単関節運動

多関節運動=複数の関節が動く運動
単関節運動=単一の関節しか動かない運動

例えばスクワット。
スクワットは足関節(足首)、
膝関節、股関節の3つの関節が動きます。
こういった運動は多関節運動となります。
逆に下記画像の様なバーベルカール。
これは肘関節だけしか動かない為、
単関節運動となります。

バーベルカールの画像

で、重要なのがここから!
結論、
スポーツパフォーマンス向上
を目的とする場合のトレーニングにおいては
単関節運動では無く、
多関節運動を採用する事をお勧め
します。
理由はシンプルで
ほとんどのスポーツにおいて
一つの関節だけを使う(動かす)スポーツは無いからです。
例えば、下半身の筋力を強化する為に、
膝の曲げ伸ばしをひたすら繰り返す
レッグエクステンションという種目をやり続けると、
脳は「大腿四頭筋は膝を伸ばす為の筋肉」
というインプットをします。
しかし、
実際のスポーツにおいて
単純に膝の曲げ伸ばしをするだけのスポーツはありません。
走るし、飛ぶし、急ブレーキも必要だし、
急な方向転換もするし、
多少の捩じりも加わります。
こういったスポーツ動作には、
膝以外の関節も複合的に
連動させて使う必要がある為、
膝の曲げ伸ばしをするだけの
筋肉になっては困るんです。
(※単関節運動ばかりやると動けない体になる可能性があります。)

スクワットのフォームが綺麗な選手はパフォーマンスが高い傾向がある

スロートレーニング

言うまでもありませんが、
パフォーマンス向上にスロートレーニングは向きません。
むしろ、いかに早く筋肉を収縮させるか、
また、
いかに早く筋出力のピークを100にもっていくかが重要です。

※力を0から100へ一気に伝える事が大切!
動き始めて、0→10→30→60→100という風に
徐々に力を発揮するよりも、
0→100へ一気に出力するイメージ!
※RFD(筋の立ち上がり率)


意識性の問題

ここで言う意識性の問題は複数の意味があります。

◆余計な事を考えると筋力は落ちる

まずはトレーニング時における意識。
トレーニング時に
『鍛えている筋肉へ意識を集中させろ』
と指導する指導者はたくさんいます。
ボディメイクやダイエットにおいてこれは正解ですが、
スポーツパフォーマンス向上を目的とする場合、
これは不正解です。

理由は、
トレーニング中に鍛えている部位へ意識を集中させると
筋出力が低下する為です。

つまりパワーが出なくなるって事なんですね。
そんな最悪なトレーニングは無いですよね。。。

逆に言えば、
基本的に意識をされた筋肉は収縮をしますので、
ダイエットやボディメイクにおいては
使用部位に意識を集中させる事で
筋肉を最大限収縮させる事ができます。

◆ストレッチの際の意識

そして意識性の問題はもう一つ!
ここで気付いた方は天才です。
そう、
ストレッチ時の意識なんです!
『意識された筋肉は収縮する』
という原理からいくと、
ストレッチの際に伸ばされている筋肉を
意識するのは完全に非効率なんです!
簡単に言えば、
実際筋肉は伸ばされていても、
脳は筋肉を縮めたがっている
って事。

全指導者よ!
ストレッチの際の
「伸ばされている筋肉を意識しましょう~」
は禁句やで~


まとめ

今回ご紹介したものは一部で、
他にも注意すべき事はたくさんあります!

本人や指導者が
パフォーマンスを向上させる為に実施している
トレーニングでもやり方を間違えたり、
そもそもその種目が悪いと
逆にパフォーマンスを下げてしまう事になります。

選手の為に我々も知識のアップデートをする必要がありますね!

最後までお読みいただきありがとうございました!



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