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獲物の分け前〜ザ・シャムロック『1,2&4 ever』
カーネーション&GRANDFATHERSといえばイベント”TURN TO THE POP“のことを思い出してしまう私なんですが、今日取り上げるザ・シャムロックも出たことあるんですよね。懐かしい。
1989年7月28日、クラブ・クアトロで、対バンはBL. WALTZとthe Bennetsでした。
まだ地下にあったディスクユニオン渋谷店でBL. WALTZのCD買ったら招待券もらえたからでした。こういうことはずっと覚えている私です。
じゃ、行ってみよー。
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・ザ・シャムロック『1,2 & 4 ever』(MMR-040/MMRecords
ザ・シャムロックとは高橋”Smokey“一路さんと山森”Jeff“正之さんによる2人組でして、ネオ・モッズ(東京モッズ)の流れからデビューしたわけです。
当時、モッズ・シーン自体への理解がメジャー・レーベルでは低くて、モッズ・グループとして認知されなかったという感があったわけですよ。
ザ・コレクターズはモッズ・シーンからデビューした印象が強いのとは対照的でしたね。
ザ・コレクターズはテイチクから、ザ・シャムロックはポニーキャニオンからメジャー・デビューしたことがその一因になったのかもしれませんね。
あ、レコード会社としての規模とかもあったのかも?
このアルバムはザ・シャムロックがポニーキャニオン時代にリリースしたアルバムで、ファースト『Who Loves Me?』、セカンド『Real In Love』に4枚目の『Sometimes Better Than Sex』とシングル(カップリング)曲からのベスト盤です。
ちなみにサード『Hello,Hi,How Are You?』のみ単独の形で紙ジャケット再発されたのでした。
但し、サード収録曲の「冬の天使達」はシングル・ヴァージョンがこのCDに収録されてますね。
この曲に続いて収録されているのが名曲「Merry Little Christmas」なわけです。
この2曲がとにかく大好きなのなで、今日このCDを取り上げることにしたのです。
前者は高橋さんがリード・ヴォーカル(つまり高橋さん作曲ということのよう)でストリングスがフィーチャーされたコーラスが美しいバラードの名曲なのです。
後者は山森さんがヴォーカルで、元々ペッパー・ボーイズのために書かれた曲を自分達でセルフカヴァーした作品です。
ちなみにこれはシングル・ミックスですね(アルバムのミックス・ダウンはロンドンで行われたためかなり印象が違います)。
山森さんのポップ・センスが炸裂した名曲ですよ。
4枚目のアルバムをリリースした後、ザ・シャムロックはエピックにレーベル移籍して、ほぼ固定メンバーでのライヴ及びレコーディング体制から、アレンジャーを立ててスタジオ・ミュージシャンを使うようになったこともあって、山森さんが脱退することになり実質的解散状態になってしまうのでした。
その後、ライヴ及びレコーディングのサポート・メンバーだった谷信雄さんが事故で亡くなったため、追悼イベントにザ・シャムロックとして出演したり、ルパン三世のトリビュート・アルバムに参加したりなどの活動をしています。
このアルバムから漏れてしまった曲にも素晴らしい作品はありますし、Hiroshimaのイベントに出演した際のライヴ音源、ルパン三世のカヴァー曲などもいつの日にか復刻してほしいものです。
このCD、山森さんのリマスタリングで線が細い感じがした彼らの音楽の印象が変わりましたよ。
ザ・シャムロックはロック・バンドだったんだな、と胸が熱くなってしまった私です。
山森さん自身による解説も素晴らしい。
ザ・シャムロックの音楽がリアルタイムでこの質感だったら、とつい想像してしまいます。それに意味がなかったとしても。
明日は何を取り上げるか考え中です。お楽しみに。
ではまたー。