ザ・ルースターズ/再現出来ないジグソウ・パズル~隠れ名曲、名演コレクション。
めんたいビートといえばこのバンド!なザ・ルースターズを取り上げてみることにしてみます。
ザ・ルースターズといっても、初期の彼らの音楽を好きと公言する人は割と多いんですが、花田裕之さんがヴォーカルになってからの彼らの音楽を好きという人は案外少ないんですよね。
私がリアルタイムで体験したのは花田さんがヴォーカルになってからの方が長いので、こうした機会ではその時代について書くようにしています。
・ザ・ルースターズ『FOUR PIECES』(COCP-40429)
ザ・ルースターズ最後のスタジオ録音アルバム。
画像をタップすると、「再現出来ないジグソウ・パズル」のP.V.を見ることができます。
このアルバムが彼らの今のところ最後のスタジオ録音アルバムになっています。
メンバーはベースに穴井仁吉さん、ドラムスに三原重夫さんを迎えたのですが、下山さん主導でメンバーを選んだそうです。
これには柴山俊之さんのアルバムに当時ローザ・ルクセンブルクの玉城宏志さんが参加したことで、下山さんが三原さんのプレイを体感したと推測しています。
花田さんに三原さんのプレイを見せるためにメトロファルス(ローザ・ルクセンブルクは既に解散していました)のライヴに行き、花田さんが漏らした感想は「すごい上手いや、ほんとにやってくれんの、あいつ?」だったとか(「ロック画報 17号」志田歩さん「宿命のジグソウ・パズル・ブルース」より)。
新しいメンバーの選択や色々な判断を下山さんが担ったため、これまでと違ったエンジニア、山口州治さんが担当することになりました。
山口さんはARBや泉谷しげるさんのビクター時代などの作品を担当していたのですが、ほぼこの時期にフリーになったのです。
この選択は大正解で、ザ・ルースターズの強力な2人のギタリストのプレイを活かした作品になりました。
で、「再現出来ないジグソウ・パズル」ですが、この曲はシングル・カットされていないのです。販売用には。
つまりプロモーション・オンリーの7inchシングル盤は存在するということです。
アナログ盤からCDに移行する時期(1988年)の発売だった故に、アナログのシングル盤は発売されず、短冊形のシングルも出なかったのでした(ちなみにコロムビアは1988年からアルバムのアナログ盤は基本出さない方針になりました)。
ザ・ルースターズのアルバムからシングル・カットされた曲は花田さんがリード・ヴォーカルになってからは全て花田さんの作曲でした。
「再現出来ないジグソウ・パズル」は下山さんが書いた曲なので、下山さんのソングライターとしての成長という意味もあるんですよ。
作詞は柴山俊之さん。ザ・ルースターズを結成当初から見守っていた人であり、下山さんを才能を認め、自らのレコーディングに参加させた人でもあるのです。
彼らが解散することに気づいていて、この歌詞を彼らに送ったということなのでしょう。
・「ロック画報 17号」(ブルース・インターナショナル)
めんたいビート特集。志田歩さんによるザ・ルースターズ・ヒストリー「宿命のジグソウ・パズル・ブルース」掲載。
パリ録音のアルバム『PASSENGER』から編曲は下山さんがやった方がいいという花田さんの判断があったり、1987年の秋からは泉谷しげるさんのバンドLOSERに参加するようになったことなどから、このアルバムから下山さんの才能が一気に開花したと私は捉えてます。
ザ・ルースターズは一旦解散しますが、オリジナル・メンバーでライヴをやったり、花田さんと下山さんにザ・ルースターズのオリジナル・メンバーの池畑潤二さんと井上富雄さんでロックン・ロール・ジプシーズ(現在のベースは市川勝也さん)を結成したりと、再現出来ないはずのジグソウ・パズルは形を変えつつ、何度も再現しているのです。
・「博多とロック」(書肆侃侃堂)
花田裕之さんと大江慎也さんインタビュー掲載。
画像をタップすると、「再現出来ないジグソウ・パズル」のライヴ映像を見ることができます。
それはお互いが替えの効かないミュージシャンだったことの証明なのでしょう。
まー、手っ取り早く言うと、花田さんがリード・ヴォーカル時代のザ・ルースターズの作品も出来れば聴いてほしいと願う私です。
水道橋博士のツイキャスでザ・ルースターズが話題に出たので、一気に書き上げてみました。
水道橋博士とツイキャス参加者の皆さまに感謝します。ありがとう。
ではまたー。
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