見出し画像

柴山俊之/LOVE~隠れ名曲、名演コレクション。

 柴山俊之さんといえばサンハウスのヴォーカリストという印象が強いと思いますが、ソロ・アルバム『SENTIMENTAL FOOL』や柴山俊之-+SENTIMENTAL FOOL『汚れた顔の天使』、Ruby、Zi:Lie-Ya、ELECTRIC MUD、BLUES LION、菊花賞など作品を発表した形は多岐に渡ります。
今回取り上げるのは最初のソロ・アルバム『SENTIMENTAL FOOL』の一曲目、「LOVE」です。

・柴山俊之『SENTIMENTAL FOOL』(UPCH-20098/ユニバーサル・ミュージック)
2008年8月再発の紙ジャケット盤。
リマスタリングは中村宗一郎さん(ピース・ミュージック)。
画像をタップすると、柴山俊之さん「LOVE」を聴くことができます(アナログ盤からのアップらしく、ちょっとテンポが早いかも?)。

 このアルバムはHEADZ-Uというレーベルの第一弾として1986年7月10日に発売された作品で、ちなみに同時発売はPERSONZ『Romantic Revolution』という4曲入りのミニ・アルバムで、後に大ヒットした「Dear Friends」が収録されていることで話題になりましたね。

 HEADZ-Uが制作し、流通はポートレイト(大江慎也さんの初期のソロ・アルバム、デイト・オブ・バースのインディーズ時代の作品、1984のアルバムをリリースしていました)。

 ルースターズの花田裕之さんと下山淳さんが中心となって制作され、ベースは全曲奈良俊博さん。編曲は下山淳さんが担当されたようです。
曲によってゲストの野島健太郎さん、石橋凌さん、鮎川誠さん、うじきつよしさん、浦田賢一、灘友正幸さん、玉城宏志さんにAnnie(アン・ルイス)さんが参加する形でした。

「IND'S no.7」(IND'S)
柴山俊之さんインタビュー、下山淳さん&花田裕之さんコメント掲載。

ちなみに「LOVE」の作詞は勿論柴山さん自身で、作曲は花田さん。
この曲にはギターで鮎川誠さん、バックグランド・ヴォーカルで石橋凌さんにパーカッションで灘友正幸さんが参加しています。ドラムスは打ち込みですね。荒っぽい音造りですが、それが曲の勢いを増しています。
鮎川さんのギター・ソロ、柴山さんと石橋凌さんの絡みがこの曲をより魅力的なものに。

 ルースターズの「VENUS」、「NEON BOY」(この曲のバックグランド・ヴォーカルに柴山さんが参加していて、その声はかなり目立っています)、「ストレンジャー・イン・タウン」などを経て、コンビでの作品作りが充実した時期だったと思います。
花田さんがヴォーカリストになってからの代表作『KAMINARI』(1986年11月1日発売)の前哨戦的な意味合いが強いですね。

・ルースターズ『KAMINARI』(COCP-40427/コロムビア) 

(「IND'S no.7」の)柴山さんのインタビューを引用すると「アレンジャーを下山淳に頼んだのは、アイツは俺が“これでいいんじゃない”言うても、良くなければ“ダメ”ってハッキリ言うヤツだからね」
「いや、ほんとやってみてよかった。協力してくれた仲間にも感謝してる。そんな気持ちでいっぱいやね」

 というわけで、次のアルバム『汚れた顔の天使』では下山淳さんを中心にバンドとしてのSENTIMENTAL FOOLが結成されます。

 ・柴山俊之+SENTIMENTAL FOOL 『汚れた顔の天使』(UPCH-20099/ユニバーサル・ミュージック)
画像をタップすると、柴山俊之さん達のバンドELECTRIC MUD「LOVE」のライヴ映像を見ることができます。 

・柴山俊之+SENTIMENTAL FOOL『汚れた顔の天使』の裏ジャケット。
メンバーは右側の野島健太郎さん(キーボード)、奈良俊博さん(ベース)、左側の下山淳さん(ギター)、羽山伸也さん(ドラムス)、柴山俊之さん(ヴォーカル)という顔ぶれでした。

 このアルバムの後、柴山俊之+SENTIMENTAL FOOL はオムニバス『THE COVER SPECIAL』(ライヴ盤)に参加しますが、この時のドラムスは羽山伸也さんから川嶋一秀さんに交代しています。
ゲストにUP-BEATの岩永凡さん(ギター)、アースシェイカーの西田昌史さんを迎えてのパフォーマンスでした。

・V.A.『THE COVER SPECIAL』(NCS-10166/ビクター)
柴山俊之+SENTIMENTAL FOOLで4曲参加。

 下山淳さんがLOSERに参加するようになったこともあって、柴山さんはユニット色が強いSENTIMENTAL FOOLからバンドのRubyへと活動の形態を変えていくのです。

 柴山さんのレパートリーとして、この「LOVE」はバンドのメンバー、形態が変わっても演奏された曲なのでした。

 2008年に紙ジャケット再発をされてから、柴山さんのソロ~バンド時代の作品は入手困難な状態が続いているので、再発が無理としても配信などで聴くことができる環境になればと願っております。
ちなみに「ロック画報 17号」(ブルース・インターナショナル)でも柴山俊之さんのソロは取り上げられていないので、再評価されるべきだとも思いますよ。ひとつよろしく。

 いわゆる「めんたいビート」のCDを大量に聴いたので、明日もその中からにするか考え中です。

 ではまたー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?