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獲物の分け前〜伊勢正三『Light Mellow Shozo Ise』

 金澤寿和さん企画・監修・解説でお馴染みライトメロウ・シリーズの伊勢正三さん編です。
入院中に購入したのはCharさんと松原みきさんでしたが、これもその2枚と同様にポニーキャニオンからのアイテムで、タイム・セールだったこともあって、かなりお手頃な値段で入手することができました。
元々2023年再発盤でしたから、オリジナル盤よりお買い得になっていた上にタイム・セールですから、オリジナルからかなり割引された形です(解説も加筆修正がされてます)。
じゃ、行ってみよー。

・伊勢正三『Light Mellow Shozo Ise』(PCCA-08210/ポニーキャニオン) 

 伊勢正三さんの思い浮かぶ楽曲といえば「なごり雪」や「22才の別れ」という方が多いんじゃないかな? 
両方名曲中の名曲ですが、実は伊勢さんが作詞・作曲をした楽曲なんですねー。
かぐや姫時代のアルバム『三階建ての詩』に収録されて、当時はシングル・カットされなかったんですが、「なごり雪」はイルカさんが、「22才の別れ」は伊勢さんと大久保一久さんの風で大ヒットしています。
風時代には「ささやかなこの人生」という後にドラマの主題歌に使われている、風とソロ名義のどちらでも大ヒットした曲がありますね。
風は近年ライトメロウやシティ・ポップとして語られることが増えて、「ほおづえをつく女」や「海風」などの楽曲に対する評価が上がりました。
これはクラウン・レコード時代にディレクターがティンパンアレーやムーンライダーズも担当した中根康旨さんが手掛けることも関係しているようです。

 伊勢さんのキャリアはかぐや姫〜風〜ソロのクラウン時代〜ソロのポニーキャニオン時代〜ソロのシックスティ時代〜ソロのフォーライフ時代と大雑把に分類できるわけですが、このアルバムはポニーキャニオンに移籍してからですから1980年代前半の作品が収録されています。
1980年代前半はかぐや姫の盟友であり、共にポニーキャニオンに移籍した南こうせつさんとSOH(創)レーベルを立ち上げました。 
レーベル自体は短命に終わりましたが、このCDは伊勢さんがポニーキャニオンに残した作品の充実ぶりが伝わってくる内容になっています。

 ライトメロウやシティ・ポップにカテゴライズされておかしくない位に洗練された楽曲が多い時期であり、リズム面やアレンジ面(シンセの使い方など)でも尖った作品作りをしていた時期でもあります。
ただ、ライトメロウ・シリーズの金澤さんの好みもあって、洗練という部分に重きが置かれて、尖った部分が強い楽曲は収録されていないのはちょっと残念ですね。
アルバム『オレンジ』収録曲の伊勢さんのベスト盤『ワークス』に収録された「リアス式の恋」やポップな「Rain into your heart」辺り選んでほしかったかな。とも。

 伊勢正三さんにはレーベルの垣根を越えたオールタイム・ベストや風時代のベスト、ライヴ・アンソロジーなど多様なベストが多数存在しますが、ライトメロウやシティ・ポップに特化する内容ということならこれですね。間違いなく。
ただ、代表曲がほぼ収録されていないことに物足りなさを感じてしまうかもしれませんが。
その辺はお好みで選ぶべきですね。

 ではまたー。

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