My Favorite Live Album〜ムーンライダーズ『ムーンライト・リサイタル1976』
8月下旬には何か共通するようなアーティストの誕生日があったりします。
8月26日はカーネーションの直枝政広さん、GRANDFATHERSの青山陽一さん、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんの誕生日ですし、今日8月28日はムーンライダーズの鈴木慶一さん、8月31日は元VOICEの立川芳雄さんの誕生日ですからね。
こうして書いてみると、あまりに興味深くて、ちょっと笑ってしまうくらいです。
そんなわけで、今日はムーンライダーズ初期ライヴのアーカイブを紹介することにしました。
じゃ、行ってみよー。
・ムーンライダーズ『ムーンライト・リサイタル1976』(XPCA1002/1003 /MOONRIDERS Records)
ムーンライダーズのライヴ、アーカイブ・シリーズの第一弾でして、椎名和夫さんがメンバーだった時期のライヴを収録したということでかなり貴重なものです。
はちみつぱいからムーンライダーズへの移行期、アグネス・チャンさんのバッキングなどで重要な役割を担った椎名さんはアルバム『ムーンライダーズ』とシングル「ジェラシー」発表後に脱退し、後任に白井良明さんが加入し、長年ムーンライダーズのメンバーは固定されるわけですから、かなり珍しい顔ぶれでのライヴ盤だと言えるでしょう。
しかも、同時期に同じクラウン・レコード所属だった細野晴臣さん、デビュー・アルバム『ジャパニーズ・ガール』をムーンライダーズがサポートした矢野顕子さんがゲスト出演して、そのパートまで収録されたわけですから、日本のポップス、ロック史上でも貴重なアルバムなわけです。
この日の録音のごく一部は既にライヴ・アンソロジー的意味合いもあった、彼らのアルバム『ワースト・オブ・ムーンライダーズ』に収録されましたが、ほとんどがこのCD発売までは幻の音源だったわけです。
発売当時、話題になったのは細野晴臣さんと矢野顕子さんのパートだったように思いますが、個人的に一番の驚きははちみつぱい時代の「君と旅行鞄」がライヴのオープニング・ナンバーだったことでした。
アルバム『火の玉ボーイ』収録曲中心の構成の中でかなりインパクトある一曲目だと思った記憶があります。
『火の玉ボーイ』は当初、鈴木慶一さんのソロ・アルバムとして制作されたからなのか、かしぶち哲郎さんの「砂丘」や「Beep Beep Be オーライ」などはそれ以降のアルバムに収録されたのだな、とか考えてしまった私です。
そう考えると『火の玉ボーイ』に岡田徹さんの曲が2曲収録されたことは重要なわけだとも思うわけです。
この当時から岡田さんの楽曲は慶一さんが歌うと映える作品だったと言えるのかもしれません。
鈴木博文さんの「月の酒場」はスタジオ・レコーディングされなかった曲で、『ワースト・オブ・ムーンライダーズ』(1986年)が初出だったはずです。
武川雅寛さんのキャラクターも素晴らしい。勿論バイオリンも。
この時期のムーンライダーズの録音が色々アーカイブサれてますが、どれも素晴らしいですね。
なんだかんだでムーンライダーズのアーカイブ・シリーズが大好きで、入手すると必ずリピートしてしまいます。
このアルバムのはちみつぱい〜『火の玉ボーイ』の移行期感が昔は苦手でしたが、今は大好きですから、不思議なものです。
ムーンライダーズありがとう。
そして、鈴木慶一さん、誕生日おめでとうございます。
ではまたー。