獲物の分け前〜松原みき『Light Mellow Miki Matsubara』
昨日に引き続き金澤寿和さん企画・監修・解説のLight Mellowシリーズの松原みきさんです。
松原さんについてはメチャクチャ憧れましたね。
デビュー曲の「真夜中のドア」がとにかく好きでしたし、ラジオの「MBSヤングタウン」水曜のレギュラー出演もよく聴いてました(大人の女性を感じたのです)し、グラビアに登場する松原さんにドキドキした私ですよ。
シティポップの文脈の中で松原さんのことが語られると嬉しくはあるのですが、単にそれだけではなく、DJというかラジオ・パーソナリティーだったり、グラビアアイドルでもあった稀有な存在だったと強調したいのです。
前置きが長くなってますが、じゃ、行ってみよー。
・松原みき『Light Mellow Miki Matsubara』(PCCA-06208/ポニーキャニオン)
金澤さんによるLight Mellowは複数のレコード会社が乗っかっていて、単独アーティストの編集盤や複数アーティストによるオムニバスなど豊富なカタログが存在します。
そんなこともあってか、レコード会社横断の編集盤も存在するわけですよ。
ちなみにデザインはサリー久保田さん(ex.ザ・ファントムギフト)というのも共通してますね。
松原さんのこのアルバムはポニーキャニオン時代の作品で構成されたものですが、割と初期のシングル曲に偏りがちな編集盤に比べるとまんべんなく選曲されているように思います。
シングル曲でも容赦なく外して、曲調やサウンド(ライトメロウさ)を選曲で重視するところが金澤さんの仕事だなと感じますね。素晴らしい。
松原さんのソロ・アーティストとしての歴史の中で、初期のバック・バンド〜カステラ・ムーンのバンド・マスターが伊藤銀次さんだったことは特筆すべきでしょう。
松原さんと佐野元春さんのディレクターが佐藤"ジャンボ”文彦さんだったことで、銀次さんが後に佐野さんのファースト・アルバム『BACK TO THE STREET』の編曲を担当し、更にバンド、ハートランドに加入するわけですね。
そのきっかけが、松原さんが佐野さんがレギュラー出演していたTVK(テレビ神奈川)の「ファイティング80’s」に出演した時、佐野さんが銀次さんと再会したからだったとと伝えられています。
このCDに収録されている「-Cupid-」は銀次さんが当時東京キッドブラザーズの坪田直子さんの為に書いた曲だと記憶してます。
佐野さんや杉真理さんも松原さんに曲を書いてますが、このCDには選曲されていません。
あくまでも楽曲重視ということと解釈しております。
1990年代以降は松原さんはソロ・アーティストからソングライターへと活動を移行させていくのですが、その萌芽はポニーキャニオン時代にも数は少ないものの表れています。
ソングライターとしては特に声優の国府田マリ子さんへの楽曲提供が知られていますね。
「真夜中のドア」の世界的ブレイクによって、松原さんのシンガーとしての部分が注目を浴びたのは非常に嬉しいことですが、忘れ去られているグラビアでの活躍や、優れたソングライターとしての作品、ラジオ出演時の魅力についてなんとか語り続けていきたいと思っております。
ではまたー。
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