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獲物の分け前〜ブレッド&バター『BREAD & BUTTER THE SINGLES -55th Anniversary All Time Best-』

 入院前に入手してましたが、なんだかんだで退院してようやく聴くことができたわけなんです。
彼らは1969年デビューですから、今年2024年でデビュー55周年になるわけなんですねー。
ちなみにデビュー曲「傷だらけの軽井沢」は作詞が橋本淳さん、作曲&編曲が筒美京平さんによるものでして、岸部シローさんとのシローとブレッド&バターの活動を経てから、途中ブランクはあったものの55年間活動しているわけなんです。
じゃ、行ってみよー。

・ブレッド&バター『BREAD & BUTTER THE SINGLES -55th Aninversary All Time Best』(MHCL31013〜4/ソニーミュージック)

 ブレッド&バターとしてはかなり早い時期(1972年)に海外レコーディングを経験し、その時点でスティービー・ワンダーと出会ったり、ティンパンアレーとのコラボレーションで「ピンク・シャドウ」を制作しています。

 その後、カフェ・ブレッド&バターを開店〜経営して、ブレッド&バターとしては活動停止していました。
ソロ活動の準備をしていた時期、スティービー・ワンダーに兄の幸矢(さつや)さんが書き下ろしてもらった傷が「I JUST CALLED SAY I LOVE YOU」だったわけなんです。

 ブレッド&バターは1979年に活動を再開することになり、アルファ・レコードを活動再開の場所に選びました。
アルファ・レコードには細野晴臣さんがプロデューサー契約を結んでいた関係で、アルバム『レイト・レイト・サマー』はティンパンアレー〜YMO参加する豪華な内容になり、スティービー・ワンダー書き下ろしての「I JUST CALLED TO SAY I LOVE YOU」を収録予定だったものの、諸々の事情で未収録に。
その結果、(カフェ・ブレッド&バターに通っていた)松任谷由実さん書き下ろしての「あの頃のまま」が制作されたのでした。
「あの頃のまま」は大ヒットはしなかったものの、ラジオなどで頻繁にオンエアされた知る人ぞ知る名曲となったわけなんです。

 YMOが大ブレイクしたことによって、ブレバタのサポートはパラシュート中心に引き継がれることになり、アルファ・レコードではオリジナル・アルバムを3枚制作し、設立されたばかりのTDKレコードに移籍するのでした。
1982年にはサイモン&ガーファンクルなどで知られるジミー・ハスケルなどを編曲に迎えたり、ギタリスト徳武弘文さんをメンバーにしたグループでアルバムを制作しました。

 TDKレコードから移籍したのは、これまた新設のレコード会社ファンハウスでした。
オフコースや寺尾聰さんをブレイクさせた敏腕ディレクターの武藤敏史さんが移籍当初は担当していました。
スティービー・ワンダーが著作権上のトラブルに巻き込まれたことにより、その経緯で密接な関係を築くことになったのです。

 その後、松任谷正隆さんプロデュースの時期やタイアップ中心の時期を経て、フィフス・アヴェニュー・バンドのピーター・ゴールウェイをプロデューサーに迎え、再録音ベストなどのアルバムを3枚制作しています。

 1990年代に突入してからのブレッド&バターの活動はシングル中心のリリースへ移行していきました。
ファンハウスの会社自体も経営形態が変化することになり、1998年にはカーネーションがアルバム制作をサポートした『ビー・ビー・シー』をリリースしたのはアルファ・レコードでした。
今回のベスト盤が収録しているのはこの時期までになります。
実は変名プロジェクトなどで作品を制作した時期など、かなり興味深い時期ではありますが、今日はこの辺までにしておきます。
以前彼らについて書いた記事のリンクも貼っておきますね。

ではまたー。

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